終に・遂に(読み)ついに

精選版 日本国語大辞典 「終に・遂に」の意味・読み・例文・類語

つい‐に つひ‥【終に・遂に】

〘副〙 (名詞「つい(終)」に助詞「に」がついてできたもの)
① 一つの行為や状態が、ずっと最後まで持続するさまを示す。どこまでも。いつまでも。最後まで。
古事記(712)下・歌謡「汝が御子(みこ)や 都毘邇(ツヒニ)知らむと 雁(かり)は卵(こ)(む)らし」
源氏(1001‐14頃)若菜上「いかならん折にか、その御心ばへほころぶべからむと、世の人もおもむけ疑ひけるを、つゐに忍び過ぐし給ひて」
② 行為や状態が、最終的に実現するさまを示す。最後に。とうとう。結局。いよいよ。
万葉(8C後)九・一七四〇「息さへ絶えて 後遂(つひに) 命死にける」
徒然草(1331頃)四九「耳をふたぎて念仏して、つひに往生を遂けり」
③ (下に打消を伴って) 一つの行為や状態を、今まで経験したことがないと、否定的にかえりみる気持を表わす。いまだかつて。まだ一度も。ついし。ついしか。ついぞ。
※虎明本狂言・末広がり(室町末‐近世初)「終に都へのぼった事が御ざらぬ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android