冴える(読み)サエル

デジタル大辞泉 「冴える」の意味・読み・例文・類語

さ・える【×冴える/×冱える】

[動ア下一][文]さ・ゆ[ヤ下二]
1 寒さが厳しくなる。しんしんと冷え込む。「―・えた冬の夜」《季 冬》「―・ゆる夜の瓦かはら音ある礫こいしかな/碧梧桐」
2 くっきりと澄む。はっきりと見える。「冬の夜空に星が―・える」
3 楽器の音などが、濁りがなく鮮明である。「―・えたバイオリンの音色」
4 色が鮮やかである。顔色や表情についてもいう。「―・えたピンク」「顔色が―・えない」
5 頭の働きやからだの調子などがはっきりする。「今日は頭が―・えている」「目が―・えて眠れない」「気分が―・えない」
6 腕まえや手際などが鮮やかで優れている。「腕の―・えた職人」「包丁さばきが―・える」
7 (多く打消しの語を伴って)ぱっとしない。満足できない。「景気の先行きがいまひとつ―・えない」「―・えないかっこう」
[類語](2)澄む・澄みきる・冴え渡る・冴え返る・澄み渡る・透き通る・澄ます・清澄・透徹/(6)絶妙・上手・素晴らしい・巧み・うまい・巧妙・老巧・達者・器用・賢い・素敵すてき・見事みごと・立派・最高・卓抜・秀逸・結構・目覚ましい・輝かしい・妙たえなる・えも言われぬ・上出来・上上・物の見事・結構尽くめ・何より・申し分が無い・言う事無し・天晴れ・ナイス・ワンダフル・目の覚めるよう・目に染みる・水際立つ・めぼしい・目立つ・引き立つ・顕著・著しい・際立つ・光る・目を引く・人目を引く・人目につく・目に立つ・ひときわ・主おも立つ・とりわけ・値千金・掛け替えのない・群を抜く・卓出・卓越・卓絶・逸出・抜群・抜きん出る・飛び抜ける・ずば抜ける・頭抜ける・並外れる・人並み外れる・度外れ・断トツ・非凡・出色・傑出・一日いちじつの長・素人離れ・玄人跣はだし・超人的

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「冴える」の意味・読み・例文・類語

さ・える【冴・冱】

  1. 〘 自動詞 ア行下一(ヤ下一) 〙
    [ 文語形 ]さ・ゆ 〘 自動詞 ヤ行下二段活用 〙 ( 少しも濁りがなく純粋である意 )
  2. ① しんしんと冷える。冷え込む。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「白玉をつつむ袖のみなかるるは春は涙もさえぬなりけり〈伊勢〉」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)春上・二〇)
    2. 「霜さゆるみぎはの千鳥うちわびてなくね悲しき朝ぼらけかな」(出典:源氏物語(1001‐14頃)総角)
  3. ② 光、音、色などが、冷たく感じるほど澄む。また、まじりけがないものとしてはっきり感じられる。澄みきる。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「山かげや岩もる清水音さえて夏のほかなるひぐらしの声〈慈円〉」(出典:千載和歌集(1187)夏・二一〇)
    2. 「松の梢に風さえて」(出典:平家物語(13C前)一〇)
  4. ③ 気持が純粋で澄みきる。
    1. [初出の実例]「万葉はげに代もあがり、人の心もさえて」(出典:毎月抄(1219))
  5. ④ 目や頭の働き、神経、気持などがはっきりする。
    1. [初出の実例]「眠られぬ儘に過去(こしかた)将来(ゆくすゑ)を思ひ回らせば回らすほど、尚ほ気が冴(サエ)て眠も合はず」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一)
  6. ⑤ 技術があざやかである。未熟な点がなく、すぐれている。水ぎわ立つ。
    1. [初出の実例]「ずんとさへましたもの」(出典:黄表紙・三幅対紫曾我(1778))
  7. ⑥ にぎやかである。はなやかである。興に乗る。
    1. [初出の実例]「紙屋仲間の御参会、さへるのさへるの」(出典:浄瑠璃・心中紙屋治兵衛(1778)上)
    2. 「昇の来て居ない時は、おそろしい冴えやうで〈略〉さまざまに騒ぎ散らす」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉三)
  8. ⑦ ( ⑥が打消の語を伴って用いられ ) 気持が盛り上がらない。すっきりしない。また、気がめいるようである。ぱっとしない。物足りない。
    1. [初出の実例]「嗟二遊楽之不一レ冱(サヘざることを)」(出典:洒落本・瓢金窟(1747))
    2. 「元を敵手(あひて)に世帯を持ってゐた所が、一向に冴えない話だ」(出典:多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉前)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

菊の節供,九月節供,重九 (ちょうく) ともいう。五節供の一つ。旧暦9月9日の節供で,奈良時代より,宮中では天皇が紫宸殿に出御し,群臣に宴を賜わり詩歌文章をつくらせる菊花の宴が行われ,年中行事となった...

重陽の用語解説を読む