契約(読み)けいやく

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

契約(ユダヤ教、キリスト教)
けいやく

ユダヤ教、キリスト教における神と人との関係。元来法的な観念である契約(ベリートberth、ヘブライ語)を宗教思想として発展させたのは古代イスラエル人である。聖書には、大洪水後の人類と自然と神の調和回復を物語る「ノアの契約」(「創世記」9章)、子孫増加と土地授与の約束を内容とする「アブラハム契約」(同17章ほか)、ダビデ王朝の永続を約束する「ダビデ契約」(「詩篇(しへん)」89篇)など、神と人との関係が契約として理解されることが多い。なかでも重要なのが、エジプト脱出を果たしたイスラエルの民が、シナイ山にてモーセを介して神と結ぶ「シナイ契約」(「出エジプト記」24章ほか)である。伝承によれば、ここで、十戒を核とする律法が民に与えられ、後の律法宗教ユダヤ教の基礎が据えられた。しかし、神の子イエスの十字架上の死により、律法を行いえなくとも、万人に罪からの救いが与えられたと信じるキリスト教では、イエスの贖罪(しょくざい)の業(わざ)を新しい契約とよび(「ルカ伝福音書(ふくいんしょ)」22章20節)、律法を古い契約とする。『旧聖書』『新聖書』のは、このような神と人との間の契約を意味している。[月本昭男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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