普及版 字通 「原」の読み・字形・画数・意味
原
常用漢字 10画
(異体字)源
13画
[字訓] みなもと・はら
[説文解字]
[金文]
[字形] 象形
古文の字形はに作り、厂(がん)(巌)下に三泉の流れ出る形。〔説文〕十一下に「は水泉、本なり」とあり、水のわき出る水源をいう。それより原始・原委の意となる。平原の原はもとに作り、狩猟を行うときの予祝儀礼を示し、水源の原とは別の字である。原を原野の意に用いるに及んで、のち源の字を用いる。
[訓義]
1. みなもと、巌の間から水の垂れ流れるところ。
2. もと、はじめ、根本、根原。
3. もとづく、たずねる。
4. はら、原野。もとに作る。のはら、耕作地。
5. 愿と通じ、つつしむ、すなお。
6. ゆるす、のぞく、ふたたび。
[古辞書の訓]
〔和名抄〕原 波良(はら) 〔字鏡〕原 トコロ・ハカル・タヅネミレバ・ハラ・ユルス・オモムミレバ・モシ・タヅヌ・マヌカル・ムツヌ・アラハル・ハジメ・ハジマル・ユルキ
[声系]
〔説文〕に原声として願・愿など八字を収めるが、泉源の意の声義をとるものはない。
[語系]
原・元・願・愿ngiuanは同声。原・元は原始・始元の意があり、同系の語と思われる。願は〔説文〕九上に「大頭なり」とあって、元に近い意がある。また愿も同声で、原をその義に通じて用いる。
[熟語]
原案▶・原意▶・原委▶・原因▶・原価▶・原活▶・原銜▶・原窮▶・原契▶・原遣▶・原巻▶・原降▶・原稿▶・原告▶・原差▶・原罪▶・原察▶・原始▶・原赦▶・原隰▶・原書▶・原恕▶・原除▶・原省▶・原情▶・原上▶・原心▶・原審▶・原人▶・原籍▶・原雪▶・原泉▶・原洗▶・原則▶・原貸▶・原度▶・原点▶・原田▶・原頭▶・原▶・原動▶・原任▶・原配▶・原品▶・原文▶・原簿▶・原放▶・原夢▶・原謀▶・原本▶・原免▶・原野▶・原埜▶・原由▶・原宥▶・原来▶・原理▶・原陸▶・原流▶・原料▶
[下接語]
淵原・起原・丘原・郷原・権原・語原・荒原・高原・曠原・根原・始原・湿原・雪原・川原・草原・中原・氷原・復原・平原・原・野原・燎原
20画
(異体字)原
10画
[字訓] はら
[説文解字]
[金文]
[字形] 形声
声符は(げん)。は〔説文〕にみえず、字条二下に「高の野なり。人の登るなり」とし、字形を「(ちやく)・・(ろく)に從ふ。闕」として説解を加えていない。は夂(ち)と田とに分かつべく、田は畢(あみ)、は牲獣。狩猟に当たって畢に犠牲をそえて祈り、夂は上より神霊の降る意。すなわちは狩猟の成功を祈る儀礼で、それは狩場である原野で行われた。「高の野」とはその狩場をいう。〔周礼、夏官〕に「師」の職があり、その地を管理する。のち原をその字に用いるが、原はもとに作り、水源をいう字である。
[訓義]
1. 高平の地、狩場。
2. はら、のはら。
[古辞書の訓]
〔字鏡集〕 ハラ
[熟語]
師▶・隰▶
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報