礼服(読み)らいふく

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

礼服(らいふく)
らいふく

古代以来、朝廷で用いられた服装の一種。大宝(たいほう)の衣服令(りょう)で、朝服に加えて礼服を制定したと思われ、『続日本紀(しょくにほんぎ)』大宝2年(702)正月己巳朔(つちのとみついたち)条に親王、大納言(だいなごん)以上が初めて礼服を着たと記している。天皇の礼服についての規定はないが、天平(てんぴょう)4年(732)正月乙巳(きのとみ)朔条に、天皇が初めて冕服(べんぷく)(天皇の礼服)を着用したとある。養老(ようろう)の衣服令で、五位以上の者が大祀(だいし)、大嘗(だいじょう)、元日の儀式に際して着装するものとし、皇太子、親王、諸王、諸臣の文官および武官、内親王、女王、内命婦(ないみょうぶ)の礼服について規定している。皇太子以下諸臣文官の礼服の構成は、礼服冠(かん)、衣(きぬ)、牙笏(げのこつ)、白袴(しろはかま)、紗褶(しゃのひらみ)、絛帯(くみのおび)、錦襪(にしきしとうず)、烏皮(くりかわのせきのくつ)とし、位階によって衣の色を区別している。親王と諸王の五位以上は綬(じゅ)を帯び、三位(さんみ)以上は玉珮(ごくはい)という玉と銀の垂飾(すいしょく)を腰から下げる。
 女帝や皇后の礼服についての規定もみられないが、内親王以下の者の構成は宝髻(ほうけい)(飾りをつけた髪形)、衣、紕帯(そえのおび)(縁のついた帯)、褶、纈裙(ゆはたのも)、錦襪、である。また、武官の礼服の構成は、皀羅(くろらの)冠、皀(くろのおいかけ)、牙笏、位襖(いおう)(両腋(わき)を縫わずにあけた上着)、裲襠(りょうとう)、腰帯(ようたい)、横刀(たち)、白袴、烏皮靴(くつ)、錦行縢(むかばき)(股(もも)と脛(すね)を覆うもの)である。平安時代以降、礼服は三位以上の者のみが即位式に着装するものとし、江戸時代末期まで続いた。[高田倭男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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