完璧(読み)カンペキ

  • かんぺき クヮン‥
  • かんぺき〔クワン〕

デジタル大辞泉の解説

[名・形動]《傷のない宝玉の意から》欠点がまったくないこと。また、そのさま。「完璧を期する」「完璧な演技」
[派生]かんぺきさ[名]

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大辞林 第三版の解説

名 ・形動 [文] ナリ 
史記廉頗藺相如伝より。は宝玉。きずのない玉の意から
欠点や不足がなく、非常に立派な・こと(さま)。 -な出来栄え -を期する
[派生] -さ

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

」は玉のことで、璧をうする(全に守る)こと、転じて、少しのきずもない玉、完全無欠なものをいい、さらに、人から借りた物を返すこと、だいじな物を取り返すことをもいう。中国戦国時代、(ちょう)の恵王が所有する名玉「和氏(かし)の璧(たま)」を秦(しん)の昭王が欲しがり、15の城との交換を強要した。この交換条件が履行されず、玉が取り上げられたままになるのは明らかであったが、このとき秦に使した藺相如(りんしょうじょ)の命をかけた働きで、璧を完(まっと)うすることができた、という『史記』「藺相如伝」の故事による。[田所義行]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (形動)
① (瑕(きず)のない宝玉の意から) 欠点のないこと。完全無欠ですぐれているさま。また、残るところなく、すべてにわたるさま。
※東京新繁昌記(1874‐76)〈服部誠一〉三「皆其の謬誤を改正し、其の闕遺を増補し、以て其の完璧を為す」
※オリンポスの果実(1940)〈田中英光〉一三「この通俗的な抒情画を、更に、完璧なものにしてゐました」
② (中国、戦国時代趙の藺相如(りんしょうじょ)が、城一五と交換するために和氏(かし)の璧を持って秦に使いしたが、昭王が約束の城を与えないので、身命を賭してその璧をとり返して帰ったという「史記‐藺相如伝」にみえる故事から) 大事なことを全うすること。大切なものをとりもどすこと。還璧。

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故事成語を知る辞典の解説

完全で、欠けている点がまったくないこと。

[使用例] この通俗的な抒情画を、更に、完璧なものにしていました[田中英光オリンポスの果実|1940]

[使用例] その言葉は全く意味不明だった。日本語を完璧に話せるはずの父でさえ、一言も理解できなかった[島田雅彦*彗星の住人|2000]

[由来] 「史記りんしょうじょ伝」に見える話を背景とすることば。「へき」とは、中国で昔から尊ばれている、すいなどの宝石。紀元前三世紀、中国の戦国時代のこと。ちょうという国の王は、「の璧」と呼ばれる有名な宝石を手に入れました。ところが、強国のしんから、その璧を一五の城と交換したい、と申し入れがありました。しかし、秦は武力を頼みに、璧だけ奪って城を与えるつもりがないと見抜いた趙では、対応に苦慮します。そこに名乗り出たのが、剛胆な家臣の藺相如。王は彼に璧を持たせて、使いに出しました。藺相如は、いったんは璧を秦王に渡しますが、「この璧には実は小さな傷があるので、それをお見せしておきたい」とうそをついて取り戻します。そして、璧を手に持ったまま、「私を殺せば、その瞬間にこの璧は砕け散ることでしょう」と脅しをかけて璧を守り抜き、無事、趙に帰ることができたのでした。

[解説] ❶「完璧」とは、本来は、藺相如が「璧」に傷一つつけずに無事に帰還したことを表すことば。中国では、「完璧帰趙」の形で、貸したものを取り戻すことや、借りたものをきちんと返すことを指して使われます。❷現在では日常語として使われ当ていることばが、実は故事成語だったといういい例。何より、元の話を一度、知れば、「璧」を「壁」と間違えて書くことは、もうなくなることでしょう。

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