デジタル大辞泉 「完璧」の意味・読み・例文・類語 かん‐ぺき〔クワン‐〕【完璧】 [名・形動]《傷のない宝玉の意から》欠点がまったくないこと。また、そのさま。「完璧を期する」「完璧な演技」[派生]かんぺきさ[名][類語]完全・万全・十全・完全無欠・満点・両全・金甌きんおう無欠・百パーセント・パーフェクト・全く・全まったい・文句なし・大丈夫・無傷・間然かんぜんする所がない・水も漏らさぬ・非の打ち所がない・模範的・象徴的・代表的・典型的・標準的・ティピカル・模範・手本・規範・モデル・典型・範・亀鑑・規矩きく・規矩きく準縄・規則・決まり・定め・規定・規律・ルール・おきて・文範・見本・鑑かがみ・範例・標本・サンプル・雛形ひながた・書式・好例・適例・スタンダード・フォーマット・王道・師表・基準・規準・拠より所・類型・定型・様式化・スタイル・フォーマル・公式・正則・正統・正統派・正調・本式・本格的・正規・正式・全まっとう・正道・折り紙付き・太鼓判を捺おす・傑出・大出来・紋切り型・腐っても鯛たい 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「完璧」の意味・読み・例文・類語 かん‐ぺきクヮン‥【完璧】 〘 名詞 〙 ( 形動 )① ( 瑕(きず)のない宝玉の意から ) 欠点のないこと。完全無欠ですぐれているさま。また、残るところなく、すべてにわたるさま。[初出の実例]「皆其の謬誤を改正し、其の闕遺を増補し、以て其の完璧を為す」(出典:東京新繁昌記(1874‐76)〈服部誠一〉三)「この通俗的な抒情画を、更に、完璧なものにしてゐました」(出典:オリンポスの果実(1940)〈田中英光〉一三)② ( 中国、戦国時代趙の藺相如(りんしょうじょ)が、城一五と交換するために和氏(かし)の璧を持って秦に使いしたが、昭王が約束の城を与えないので、身命を賭してその璧をとり返して帰ったという「史記‐藺相如伝」にみえる故事から ) 大事なことを全うすること。大切なものをとりもどすこと。還璧。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by
故事成語を知る辞典 「完璧」の解説 完璧 完全で、欠けている点がまったくないこと。 [使用例] この通俗的な抒情画を、更に、完璧なものにしていました[田中英光*オリンポスの果実|1940] [使用例] その言葉は全く意味不明だった。日本語を完璧に話せるはずの父でさえ、一言も理解できなかった[島田雅彦*彗星の住人|2000] [由来] 「史記―藺りん相しょう如じょ伝」に見える話を背景とすることば。「璧へき」とは、中国で昔から尊ばれている、翡ひ翠すいなどの宝石。紀元前三世紀、中国の戦国時代のこと。趙ちょうという国の王は、「和か氏しの璧」と呼ばれる有名な宝石を手に入れました。ところが、強国の秦しんから、その璧を一五の城と交換したい、と申し入れがありました。しかし、秦は武力を頼みに、璧だけ奪って城を与えるつもりがないと見抜いた趙では、対応に苦慮します。そこに名乗り出たのが、剛胆な家臣の藺相如。王は彼に璧を持たせて、使いに出しました。藺相如は、いったんは璧を秦王に渡しますが、「この璧には実は小さな傷があるので、それをお見せしておきたい」とうそをついて取り戻します。そして、璧を手に持ったまま、「私を殺せば、その瞬間にこの璧は砕け散ることでしょう」と脅しをかけて璧を守り抜き、無事、趙に帰ることができたのでした。 [解説] ❶「完璧」とは、本来は、藺相如が「璧」に傷一つつけずに無事に帰還したことを表すことば。中国では、「完璧帰趙」の形で、貸したものを取り戻すことや、借りたものをきちんと返すことを指して使われます。❷現在では日常語として使われ当ていることばが、実は故事成語だったといういい例。何より、元の話を一度、知れば、「璧」を「壁」と間違えて書くことは、もうなくなることでしょう。 出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報 Sponserd by
日本大百科全書(ニッポニカ) 「完璧」の意味・わかりやすい解説 完璧かんぺき 「璧」は玉のことで、璧を全うする(完全に守る)こと、転じて、少しのきずもない玉、完全無欠なものをいい、さらに、人から借りた物を返すこと、だいじな物を取り返すことをもいう。中国戦国時代、趙(ちょう)の恵王が所有する名玉「和氏(かし)の璧(たま)」を秦(しん)の昭王が欲しがり、15の城との交換を強要した。この交換条件が履行されず、玉が取り上げられたままになるのは明らかであったが、このとき秦に使した藺相如(りんしょうじょ)の命をかけた働きで、璧を完(まっと)うすることができた、という『史記』「藺相如伝」の故事による。[田所義行][参照項目] | 和氏の璧 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例 Sponserd by