カール(3世)(読み)かーる(英語表記)Karl Ⅲ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カール(3世)」の意味・わかりやすい解説

カール(3世)
かーる
Karl Ⅲ
(839―888)

通称肥満王。東フランク国王(在位876~887)。ルードウィヒ2世(ドイツ人王)の末子。864年父王の死後、遺領分割によりアレマンネン王となったが、2人の兄が夭折(ようせつ)したため、882年全東フランク王国統一してその国王となった。(881年皇帝に戴冠(たいかん))。さらに西フランク国王カールマンの死後、西フランクの豪族たちに推戴されて、885年以降西フランク国王をも兼ね、ベルダン条約(843)以後分割されたカロリング帝国の再統一を達成した。しかし、カール自身は政治力に欠け、886年、ノルマン人包囲からパリを解放しようとして屈辱的な条約を結んだりしたため、翌年、甥(おい)のアルヌルフと諸侯たちにより廃位された。

[平城照介]

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旺文社世界史事典 三訂版 「カール(3世)」の解説

カール(3世)
Karl Ⅲ

839〜888
フランク王(在位881〜887)。肥満王(der Dicke)とも呼ばれる
弟カール(2世)とフランク王国を分割したルートヴィヒ王の子。876年東フランク王となり,884年には西フランク王位をも相続して,フランク王国の統一を再現したが,広大な領土統治に悩み,またパリをノルマン人の支配から解放できなかった。甥のアルヌルフによって廃位され,帝国は以後分裂した。

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