乱・妄・濫・猥・漫(読み)みだり

精選版 日本国語大辞典 「乱・妄・濫・猥・漫」の意味・読み・例文・類語

みだり【乱・妄・濫・猥・漫】

〘形動〙
秩序を無視するさま。道理がたたないさま。
書紀(720)孝徳・大化二年三月(北野本訓)「勢を恃む男有りて、浪(ミタリ)に他(ひと)の女(むすめ)に要(ことむす)ひて」
思慮、分別を欠いているさま。いいかげんであるさま。
※大唐西域記巻十二平安中期点(950頃)「長悪に群居して忘(ミダリニ)威福を行ぜり」
③ しかるべき根拠、理由がないさま。
※後撰(951‐953頃)雑一・一〇八六「白河の滝の糸見まほしけれどみだりに人はよせじものをや〈中務〉」
節度を失しているさま。度を過して、むやみやたらであるさま。
無名抄(1211頃)「人周く知らず。みだりに説くべからず」
⑤ 他から規制されず、自分の意志のままであるさま。勝手気ままであるさま。
※霊異記(810‐824)上「慎(ゆめ)黄泉の事を忘(ミダリニ)宣べ伝ふること勿かれ。〈興福寺本訓釈 忘 見太利爾〉」
礼儀、作法にもとるさま。
今昔(1120頃か)一六「悪しき心を(おこ)して、監に法師を詈(の)り、令耻たる故に」
⑦ 特に男女関係、性について慎みのないさま。みだら。
※談義本・根無草(1763‐69)後「人目の関を忍兼つつ、したひ来るも多かりしが、〈略〉みだりなる事怪我にもなし」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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