(読み)ショク

デジタル大辞泉 「食」の意味・読み・例文・類語

しょく【食】[漢字項目]

[音]ショク(漢) ジキ(呉) [訓]くう くらう たべる はむ
学習漢字]2年
〈ショク〉
たべる。「食事食欲食料飲食菜食試食少食草食徒食馬食偏食捕食飽食
食事。「食膳給食欠食減食粗食昼食定食夜食和食
たべもの。「主食副食糧食
扶持ふち。俸給。「食禄
くいこむ。欠ける。「月食浸食日食腐食
〈ジキ〉
たべる。食事。「悪食飲食おんじき乞食こじき・こつじき中食木食もくじき
たべもの。「餌食えじき
扶持。「食封じきふ
[補説]「喰」は国字。
[名のり]あき・あきら・うけ・くら・け・みけ
[難読]み出る片食かたけ

しょく【食/×蝕】

ある天体の全部または一部を、他の天体が覆い隠す現象。日食月食のほか、星食(掩蔽えんぺい)、惑星による衛星の食、連星における食、静止衛星が地球の影に入って太陽電池パネルに光が当たらない状態などもいう。
[類語]日食月食皆既食皆既日食皆既月食部分食金環食

しょく【食】

食べること。「が細い」「を断つ」
食べ物。「に飢える」「低カロリー
食事。また、その回数を数える語。「三昼寝付き」
扶持米ふちまい食禄しょくろく
[類語]食事御飯腹拵え飲み食い飲食酒食まんまおまんま

うか【食】

《「うけ(食)」の音変化。複合語として用いる》食物、特に稲のこと。「御魂みたま」「

け【食】

《「」と同語源》食物。食事。
「―をはりてあかれむとするに」〈舒明紀〉

じき【食】

たべもの。食物。
もろもろの鬼は人の―を盗みてくらふを役とす」〈今昔・九・三六〉

し【食】

たべもの。食物。「一箪いったん一瓢いっぴょうの飲」

じき【食】[漢字項目]

しょく

うけ【食】

食物。「もちの神」

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精選版 日本国語大辞典 「食」の意味・読み・例文・類語

しょく【食】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 食物を食べること。食事をとること。また、その食事。
    1. [初出の実例]「侍(ショク)於君〔郷党篇〕」(出典:文明本節用集(室町中))
    2. 「ただだんだん食が減って行った」(出典:今年竹(1919‐27)〈里見弴〉濠沿の家)
    3. [その他の文献]〔論語‐述而〕
  3. 食用に供するもの。たべもの。くいもの。食物。食事。じき。また、餌食(えじき)
    1. [初出の実例]「爵我空崇品 官誰只備員 故人分食噉 親族把衣湔」(出典:菅家後集(903頃)叙意一百韻)
    2. 「猛虎深山にある時は、百獣ふるひおづ。檻穽の中にあるに及びて、尾をうごかして食(ショク)(高良本ルビ)を求むとて」(出典:平家物語(13C前)一一)
    3. [その他の文献]〔論語‐顔淵〕
  4. 給与として支給される米。扶持米。食祿。秩祿。〔礼記‐坊記〕
  5. しょく(蝕)

じき【食】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「じき」は「食」の呉音 )
  2. 食べ物。食物。
    1. [初出の実例]「僧の食(じき)を乞ふを見、忿(いか)りて繋(つな)がむと欲(おも)ふ」(出典:日本霊異記(810‐824)上)
    2. [その他の文献]〔日葡辞書(1603‐04)〕
  3. 乞食(こじき)物もらいをいう俗語。
    1. [初出の実例]「結句して乞食(ジキ)に見事なものがある」(出典:雑俳・湯だらひ(1706))

け【食】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「け(笥)」と同源 ) 食事。飲食物。食物。たべもの。「御食(みけ)」「大御食(おおみけ)」「遠御食(とおみけ)」などと複合して用いられる。
    1. [初出の実例]「群臣を聚(つど)へて大臣の家に饗(あへ)す。食(ケ)訖りて散(あか)れむとす」(出典:日本書紀(720)舒明即位前(北野本訓))

おしをし【食】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「おす(食)」の連用形名詞化 )
  2. 飲食すること。食べること。または、飲むこと。食事。
    1. [初出の実例]「出雲国の五十狭狭(いそささ)の小汀(をはま)に行到(ゆきま)して飯食(みヲシ)せんとす」(出典:日本書紀(720)神代上(水戸本訓))
  3. 鷹の餌。

し【食】

  1. 〘 名詞 〙 たべもの。食物。しょく。
    1. [初出の実例]「食 シ ショク クヒモノ クラフ」(出典:色葉字類抄(1177‐81))
    2. [その他の文献]〔論語‐雍也〕

うけ【食】

  1. 〘 名詞 〙 食物。
    1. [初出の実例]「宇気者食之義也」(出典:釈日本紀(1274‐1301)六)

うか【食】

  1. 〘 名詞 〙 食物。特に、稲についていう。「うけ」が他の語と複合する場合の形で用いる。

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普及版 字通 「食」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 9画

(旧字)
9画

[字音] ショク・ジキ・シ
[字訓] たべもの・くらう・やしなう

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
食器である(き)(皀)に蓋(ふた)をした形。金文のを、文献には(き)に作るが、本来竹器ではない。〔説文〕五下に「米を(あつ)むるなり。皀に從ひ、(しふ)聲」(段注本)とするが、は器の蓋の形。飲食の字は金文に多く(し)に作り、「飮」、また「誨(くわいいう)(謀)(あやま)(食)たず」のように用いる。卜辞によると、古人は日に二食で、大食・小食という。また大采・小采ともいい、日を送迎する礼であるが、それがまた食事のときでもあった。また日月のをもいう。

[訓義]
1. たべもの、食うもの、食事。
2. くらう、はむ、めす、のむ、くらす。
3. やしなう、ふやす、ふえる。
4. あやまつ、たがう、けす、なくす。
5. 日月の食、

[古辞書の訓]
和名抄指 楊氏語抄に云ふ、頭指、比斗佐之乃於與比(ひとさしのおよび)〔名義抄 クヒモノ・ハム・クフ・モノクフ・ケ・モチヰル・ヤシナフ・イツハル・クラフ 〔字鏡集〕 タカラ・モノクフ・クヒモノ・メス・ヤシナフ・イツハリ・ムサブル・クフ・クラフ・ハム・ケ

[部首]
〔説文〕に六十一字と重文十八字、〔新附〕二字を属し、〔玉〕にはすべて百十九字を属する。

[声系]
〔説文〕に声として(飾)・・飭の三字を収める。すべてに従う形である。はまたに作り、食の蠹敗(とはい)するものをいう。飭は〔説文〕十三下に「堅を致すなり」とあって、音は敕(ちよく)、営塁などを治める意であるという。

[語系]
djik、(飼)ziは声義近く、は名詞、は動詞的な字であろう。djikはと同声。〔説文〕十三上に「は敗創なり」とあって、蠹敗することをいう。また日月の食にも用いる。

[熟語]
・食案・食医・食飲・食盂・食咽・食閻・食過・食貨・食・食角・食監・食気・食既・食器・食餽・食客・食挙・食・食・食頃・食齧・食犬・食言・食口・食穀・食采・食斉・食菜・食指・食子・食斉・食肆・食時・食次・食・食日・食炙・食酒・食粥・食・食色・食甚・食性・食籍・食絶・食前・食膳・食倉・食息・食粟・食胎・食卓・食単・食啖・食啗・食淡・食地・食・食田・食土・食堂・食品・食貧・食母・食奉・食封・食俸・食墨・食味・食物・食邑・食余・食輿・食用・食欲・食料・食・食糧・食力・食禄・食礼
[下接語]
悪食・衣食・飲食・火食・会食・甘食・食・寒食・間食・艱食・寄食・匱食・虧食・饋食・給食・挙食・玉食・禁食・欠食・血食・月食・減食・耕食・穀食・乞食・坐食・菜食・蚕食・食・耳食・主食・酒食・終食・熟食・黍食・少食・稍食・冗食・稷食・食・侵食・浸食・寝食・節食・絶食・鮮食・膳食・素食・食・粗食・疎食・食・族食・卒食・損食・多食・大食・退食・貪食・食・断食・朝食・鼎食・徒食・食・肉食・日食・配食・陪食・飯食・伴食・非食・美食・食・稟食・服食・副食・粉食・兵食・米食・偏食・飽食・暴食・卜食・眠食・夜食・薬食・遊食・粒食・旅食・料食・糧食・廩食・禄食

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改訂新版 世界大百科事典 「食」の意味・わかりやすい解説

食 (しょく)
eclipse

光源天体から観測者までの光の経路のどこかに他の天体が入り込んだために,もし,この入り込みがなければ,当然見えているはずの光源天体あるいは光源天体によって照らし出される天体の一部または全体が見えなくなる現象をいう。食の起り方は二つに分けて考えると便利である。

 第1は,遮へい天体のために観測者の視線が遮られて対象天体(図の天体A)が見えなくなる現象で,月が太陽を隠す日食,月が星を隠す星食,内惑星の太陽面通過,連星系の起こす食変光などが例である。この場合,観測者の位置によって対象天体の見え方が異なるのが特徴で,観測者が半影内にあるとき部分食,本影内にあるとき皆既食,偽本影内にあるとき金環食となる。

 第2は,光源天体(図の天体A)とこの光源天体の光を受けて輝く天体との間に遮へい天体が入り,そのために対象天体に光が届かなくなる現象で,月が地球の影に入る月食,衛星が主惑星の影に入る食や主惑星に影を落とす現象などが該当する。対象天体が半影および偽本影の中にあるときは輝きは鈍るものの全体が見えるので一般には食といわない。対象天体の一部が本影に入ると部分食となり,全部が本影内に入ると皆既食である。第1の場合との違いは,現象の見え方が観測者の位置によらないことである。なお,半影内における明るさは,本影に接近するにつれて漸減するので,被食天体上における本影と半影の境界は明確に定義できない。
月食 →日食
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「食」の意味・わかりやすい解説


しょく
eclipse

一般に一つの天体が他の天体を覆い隠すこと。普通、日食と月食のことをいい、「蝕」の字も使う。星食(掩蔽(えんぺい))や連星の食の場合もある。連星のなかで食現象をおこすものを食連星という。

 多くは食をおこしたときに明るさが変わるが、このような変光星食変光星という。たとえばアルゴルペルセウス座β(ベータ)星)などが有名である。食変光星の変光やスペクトルを観測することは、星の大気の光学的性質を研究するうえで貴重な研究資料を与えてくれる。

[関口直甫]

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百科事典マイペディア 「食」の意味・わかりやすい解説

食【しょく】

一天体の全部または一部が他の天体によりおおい隠される現象。隠される天体により日食月食星食があり,隠された状態から皆既食部分食金環食に分けられる。二重星の食現象(食変光星)を含めることもある。

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日本文化いろは事典 「食」の解説

日本の食文化は、米を主食にして、豆・魚・海草・野菜などを、たっぷり取り入れた食事が特徴で、究極の長寿食として世界中の人々に注目されています。日 本の食文化は古来より大陸から伝わった食文化に、日本の気候風土を取り入れた先人達の智恵によって作られたものです。また、日本の四季と料理にも深い関係 があります。とりわけ、その季節だけに採れる食材を「旬」のものとして調理する技術が発達し、季節ごとの料理を楽しむ事ができます。そして、日本料理は味 だけではなく、見た目の美しさも大切にしています。それは、それぞれに意味を成した盛り付け、それを引き立てる食器など、それぞれの「職人」によって作ら れた技術の集大成という事ができます。日本文化いろは事典では、「食」を「い」特徴、「ろ」起源・歴史、「は」製法・調理法・種類という内容でご紹介しています。

出典 シナジーマーティング(株)日本文化いろは事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「食」の意味・わかりやすい解説


しょく
eclipse

人工衛星ロケットなどの宇宙機が,地球の影に入って,日陰状態になる現象。まれに月の影に入ることもいう。人工衛星は,太陽光の照射を受けて電力を発生させており,食に入ると搭載している蓄電池で電力を補う必要がある。また,太陽光は,衛星の熱バランス (温度状態) を維持する上でも重要な要素である。このように,食は人工衛星,ロケットの設計や運用に重要な影響を与えている。静止衛星では,春分,秋分の時期に,最長約 72分間の食が発生する。放送衛星のように大電力を必要とする衛星では,食期間の運用を制限せざるをえないのが現状である。

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【カモ(鴨)】より

…繁殖が終了する夏の初めには他の鳥と同様カモ類も換羽するが,このとき雄は雌と同様のじみな羽毛にかわる。これをエクリプスeclipseと呼ぶ。この換羽のときには他の多くの鳥と異なり翼の羽毛まで一度にはえかわるので,換羽は早くすむが一時飛べない時期がある。…

※「食」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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