滋賀県(読み)シガケン

デジタル大辞泉 「滋賀県」の意味・読み・例文・類語

しが‐けん【滋賀県】

滋賀

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精選版 日本国語大辞典 「滋賀県」の意味・読み・例文・類語

しが‐けん【滋賀県】

  1. 近畿地方北東部の県。近江国にあたる。明治四年(一八七一)の廃藩置県により大津県・長浜県の二県が成立。翌年、大津県は滋賀県に、長浜県は犬上県に改称され、同年、滋賀県が犬上県を合併して現在の県域が定まる。県庁所在地大津市。

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日本歴史地名大系 「滋賀県」の解説

滋賀県

自然と歴史的景観

〔湖国の山と道〕

日本列島のほぼ中央にある滋賀県には、県域の約六分の一を占める琵琶湖が南北に広がっている。旧国名の近江は、奈良の都に近い淡水湖の意の「近淡海」から転訛したもので、湖そのものは古くから淡海・におの海・湖・楽浪ささなみなどと記されてきた。万葉の歌人が奈良から逢坂おうさか峠を越えて近江国に入ったとき、

<資料は省略されています>

と詠じている。眼前に大きく湖が開け、白い木綿花のように波が一面に立っているのが見渡されるということであろう。琵琶湖は大海とみられてきたのである。

この湖の幸を求めて古代人が湖辺に住みついたのは縄文早期にさかのぼる。のち天智天皇は大和の盆地から湖辺の大津に都を移し、新政を試みるが、平安遷都がなってからは琵琶湖の二つの機能がより明確になってくる。一つは湖上交通である。北陸・東国の諸物資が日本海を下り越前敦賀を経由して琵琶湖に入り、大津から京都へ運ばれることになった。大津は平安京の外港となり、湖辺の諸浦とともに、諸国との商品流通の活発化とあいまって湖上交通の拠点として盛況を極めた。もう一つは魚類を中心とする生業の舞台である。湖の民は四ッ手網・・追双手網などの漁法を駆使し、氷魚・阿米魚・鱒・鮒などの生鮮魚を都へ貢進していた。これら贄人は御厨を拠点に供御人と称するようになり、やがて生鮮魚などを扱う商人として活躍する、まさしく湖の恵みをもって生きた人々であった。一方では京に隣接するために直接的にも間接的にも政治・軍事の舞台になるが、近世初頭には湖を最大限に利用しようとする天下人らが湖岸に坂本城・安土城・大津城などを構築するに至る。

湖の存在を近江により密着したものにしているのは、国境に連なる山々である。南の信楽山地から北へ鈴鹿山脈が太く延び、鈴鹿峠・八風はつぷう峠などの鞍部があるものの、御在所ございしよ(一二〇九・八メートル)霊仙りようぜん(一〇八四メートル)などの高峰がそびえる。天野あまの川水系の形成する細い平地を挟んですぐ北に伊吹山(一三七七・一メートル)を主峰とする伊吹山地が県域の最北端まで続き、その南西方に野坂のさか山地が連なり、三国みくに(八七六メートル)などが国境となっている。その南は安曇あど川を挟んで西に丹波山地、東に比良山地が二筋の尾根をなし、武奈ぶなヶ岳(一二一四・四メートル)をはじめ一〇〇〇メートル級の高山がそびえ、湖辺に迫っている。以上の山嶺がそれぞれ骨太い山並をみせるのに対し、比良山地の南の比叡山地は細い山並で、山中やまなか越をはじめ幾筋もの峠越の道により京都に結ばれた。

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事典 日本の地域ブランド・名産品 「滋賀県」の解説

滋賀県

近畿地方北東部に位置する県。吹・比叡などの山々に囲まれた内陸県。中央に県面積の約6分の1を占める日本最大の湖・琵琶湖がある。琵琶湖周辺には、近江盆地が形成され、姉川・愛知川などの下流には平野部がひろがる。南部は温暖な太平洋型、湖北・湖西は降雪の多い日本海型の気候である。また、湖東地方は昼夜の気温差が大きく、年間の降水量が比較的少ない内陸性盆地の気候。工業が盛ん。県花は、しゃくなげ。県木は、もみじ。県鳥は、かいつぶり。

[滋賀県のブランド・名産品]
愛荘やまいも | 網織紬 | 伊吹だいこん | 今津のまくわうり | 雲平筆 | 永源寺こんにゃく | 近江雁皮紙 | 近江牛 | 近江刺繍 | 近江下田焼 | 近江上布 | 近江ちぢみ | 近江の麻 | 近江真綿 | 大津絵 | 押絵細工 | 小幡人形 | 笠原しょうが | 錺金具 | 楽器糸 | 上丹生木彫 | 草木染手組組紐 | 甲津原のみょうが | 甲良臼 | 小佐治もち | 再興湖東焼 | 坂本の食用菊 | 佐治かぼちゃ | 信楽焼 | 竹刀 | 下田なす | 正藍染・近江木綿 | 杉谷なす | 膳所焼 | 太鼓 | 高島虎斑石硯 | 高島扇骨 | 高月菜 | 高月丸なす | 竹根鞭細工 | 田上菜の花漬 | 提灯 | 綴錦 | 手織真田紐 | 特殊生糸 | 豊浦ねぎ | 西村早生 | 日光寺あまんぼう | 秦荘紬 | 八幡瓦 | 八幡丸竹工芸品 | 八田焼 | 鼻緒 | 浜仏壇 | 彦根繍 | 彦根仏壇 | 日野菜 | ビロード | 琵琶湖産鮎 | 本藍染 | 梵鐘 | 水口かんぴょう | 木製桶樽 | 山田ねずみだいこん | 万木かぶ | 余呉山かぶら | ろくろ工芸品 | 輪奈ビロード | 和ろうそく

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「滋賀県」の意味・わかりやすい解説

滋賀〔県〕
しが

面積 4017.38km2(境界未定)。
人口 141万3610(2020)。
年降水量 1570.9mm(彦根市)。
年平均気温 14.7℃(彦根市)。
県庁所在地 大津市
県木 モミジ
県花 シャクナゲ
県鳥 カイツブリ

本州のほぼ中央部,近畿地方東部に位置し,琵琶湖を囲む県。琵琶湖は県面積の約 6分の1を占める。鈴鹿山脈野坂山地伊吹山地比叡山比良山地などの山地に囲まれ,琵琶湖をいだく近江盆地が広がる。湖東岸には沖積平野が開け,野洲川日野川愛知川などが流域に谷底平野をつくって琵琶湖に流入。南半は瀬戸内気候,北半は日本海岸気候を示す。古くから文化が開け,古墳が多い。天智6(667)年には天智天皇が大津市に近江大津宮を造営して遷都。畿内と東国,北陸とを結ぶ交通の要地であったため,16世紀の織田信長の全国統一までは抗争の地であった。江戸時代は彦根藩膳所藩など小藩に分割統治され,天領も多かった。明治4(1871)年の廃藩置県により大津県と長浜県ができ,翌 1872年滋賀県,犬上県に改称,同年 9月両県が合併して滋賀県となり,1881年現在の県域が確定。かつては第1次産業が主であったが,1960年頃から京阪神地区からの工場分散が盛んとなり,名神高速道路の開設を契機に工場が激増,農業から工業へと比重が移った。第2次産業の構成比は,県内総生産,産業別就業者とも 1970年代後半以来全国の上位を占め続けている。縮緬,木綿織などの在来工業のほか,紡績,レーヨン,電機,食品,自動車,機械などの工業がある。琵琶湖の小アユ,モロコや信楽焼は特産。琵琶湖国定公園鈴鹿国定公園三上・田上・信楽県立自然公園朽木・葛川県立自然公園湖東県立自然公園があり,景勝地,社寺,史跡,文化財が多く観光産業も盛ん。東海道新幹線,JR東海道本線,北陸本線,名神高速道路,北陸自動車道などの幹線が琵琶湖南部を通り,西岸には JR湖西線が通じる。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「滋賀県」の解説

滋賀県
しがけん

近畿地方の北東部に位置する内陸県で,中央に琵琶湖を擁する。旧近江国を県域とする。1868年(明治元)大津裁判所が大津県と改称され,旧幕領・旗本領を管轄,71年6月大溝藩を合併した。70年には羽前国山形藩が転じて朝日山藩となる。71年廃藩置県後の11月大津・膳所(ぜぜ)・水口(みなくち)・西大路の4県が大津県,山上・彦根・宮川・朝日山の4県が長浜県に統合された。72年大津県は滋賀県と改称,長浜県は犬上県と改称したのち滋賀県に統合された。76年敦賀(つるが)県の廃止により若狭3郡・越前1郡を編入したが,81年福井県に移管した。県庁所在地は大津市。

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