デジタル大辞泉 「刀」の意味・読み・例文・類語
かた‐な【刀】
1 武器として使った片刃の刃物。
2 江戸時代、武士が
3 太刀の小さいもの。
「我は元より太刀も―も持たず」〈太平記・二〉
4 小さい刃物。きれもの。
「紙をあまた押し重ねて、いと鈍き―して切るさまは」〈枕・二五九〉
[下接語](がたな)
[類語]
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
広義には日本刀全体を指すこともあるが,狭義には刃を上向きにして腰にさす2尺(60.6cm)以上の刀身のもののみを刀という。これに対して,刃を下方にして腰に下げるものを太刀(たち)という。もともと刀とは《和名抄》調度部征戦具に〈似剣而一刃曰刀,都牢反,大刀太知,小刀加太奈〉とあるように,両刃に対して片刃のものを総称していたようである。しかし,記紀や《東大寺献物帳》などの用例をみると,必ずしも区別して用いられておらず,片刃のものでも剣の字をあてている場合もある。むしろ〈かたな〉は〈たち〉に対して寸法の短いものをいっており,加太奈,小刀,刀子などは同義で,みな〈かたな〉と読ませている。刀子(とうす)は《東大寺献物帳》に数例所載され,多種多様のものが正倉院に伝存しているが,これらはいずれも日常使用する小道具,装身具である。これが後に,《大鏡》の〈一尺ばかりのかたな〉,《今昔物語集》の〈八寸許(ばかり)の刀〉といった,武器として長い太刀に対する短刀と,そのまま小道具として拵(こしらえ)に組み込まれた小柄(こづか)や硯箱に入る小刀などに分化したと思われる。さらに,この短刀から,寸法が長く鐔をつけた,太刀の代りに腰にさした打刀(うちがたな)が生じた。そしてこの打刀と同形で寸法の短いもの,すなわち脇指を添えたものが大小(だいしよう)であり,江戸時代の武士の指料として武家社会に定着したのである。この大小のうちの大が前述の2尺以上の刀身をもつもので,江戸時代に作られた長いものは原則的にすべて刀ということができる。
→刀装 →日本刀
執筆者:原田 一敏
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
ものを切るのに適したように片刃にこしらえた武器。刺突用に両刃にこしらえた武器は剣という。刀身の長さが60センチメートル以上のものを太刀(たち)・刀、30~60センチメートル未満のものを脇差(わきざし)、30センチメートル未満のものを短刀とよび分ける。明治以後の海軍の長剣や短剣、巡査のサーベルの類は日本古来のものとは別種である。
[尾島兼一]
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…つづいて文化の先進地域であったオリエントがまず青銅器時代に入る。それは前3000年ころとされており,やがてこの新しい文化の波はヨーロッパにも押しよせて,短刀や斧,槍などの利器類を中心とする銅器,青銅器が製作される。この点は,東アジアの青銅器文化が祭祀用具を中心としていたのと,際だった違いを見せている。…
…刀は切るに便利な片刃の武器であり,剣は突くに便利な両刃の武器である。日本でも《和名抄》調度部征戦具に,刀は〈似剣而一刃曰刀〉,剣は〈似刀而両刃曰剣〉とあるように,片刃のものを刀,両刃のものを剣として,形体を区別するものであった。…
…日本固有の方法で製作された刀剣。日本刀という呼名は,日本画などと同様比較的新しく,ほぼ幕末以降のことである(中国での古い使用例としては宋代の欧陽修に《日本刀歌》の詩がある)。…
…二つの面が鋭く交わる刃先cutting edgeによって,切り,削り,彫る道具の総称。剣のように身の両側に刃がつくものを諸刃(もろは)または両刃(りようば),刀のようにその片側に刃がつくものを片(偏)刃(かたは)と呼ぶ。こうした呼び分けは,日本では奈良時代以来行われ,〈かたな〉の語も片刃(〈な〉は刃の古称)に由来する。…
…つづいて文化の先進地域であったオリエントがまず青銅器時代に入る。それは前3000年ころとされており,やがてこの新しい文化の波はヨーロッパにも押しよせて,短刀や斧,槍などの利器類を中心とする銅器,青銅器が製作される。この点は,東アジアの青銅器文化が祭祀用具を中心としていたのと,際だった違いを見せている。…
…脇差とも書く。太刀を帯びたとき,脇に指し添えたため,脇刀(わきがたな),腰刀(こしがたな)などともいう。室町時代末期以降,打刀(うちがたな)が盛行すると,打刀拵(こしらえ)と同形式の短い拵を添えるようになり,これが江戸時代に入って大小となって,大を刀,小を脇指というようになった。…
※「刀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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