豊富(町)(読み)とよとみ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「豊富(町)」の意味・わかりやすい解説

豊富(町)
とよとみ

北海道北部、宗谷(そうや)総合振興局管内の町。1959年(昭和34)町制施行。日本海に面し、稚内(わっかない)市の南部に接する。JR宗谷本線、国道40号が通じる。東部は天塩(てしお)山地西縁の丘陵地、西部は天塩平野の北部にあたる広大な泥炭地サロベツ原野が広がり、水稲作付け限界外の地で、早くから酪農振興策がとられ、宗谷地方でもっとも多頭飼育が進んでいる。炭田油田、ガス田があるが、1972年までに炭田、油田とも閉山、現在は天然ガスが家庭燃料などに利用されている。漁業では秋サケ、ホッキガイを漁獲する。サロベツ原野には兜(かぶと)沼、ペンケ沼などの湖沼のほか、サロベツ原生花園、稚咲内海岸砂丘林(わかさかないかいがんさきゅうりん)などがあり、利尻礼文(りしりれぶん)サロベツ国立公園に指定されている。2005年(平成17)にラムサール条約登録湿地となった。町の南には豊富温泉がある。面積520.69平方キロメートル、人口3974(2020)。

岡本次郎


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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