怠る(読み)オコタル

デジタル大辞泉 「怠る」の意味・読み・例文・類語

おこた・る【怠る】

[動ラ五(四)]
すべきことをしないでおく。なまける。また、気をゆるめる。油断する。「学業を―・る」「注意を―・る」
病気がよくなる。快方に向かう。
発作が、夏が来ると共に、漸く―・り出したのを喜こんだ」〈芥川忠義
読経修法ずほふなどして、いささか―・りたるやうなれば」〈かげろふ・上〉
過ちを犯す。
「みづから―・ると思ひ給ふること侍らねど」〈栄花・浦々の別〉
中断する。休む。
「(水ガ)―・るなく洩りゆかば、やがて尽きぬべし」〈徒然・一三七〉
[可能]おこたれる
[類語]怠けるサボるずるけるだらける手を抜く手抜き骨惜しみ怠慢怠惰無為拱手横着便便だらり便便のんべんだらりずぼらものぐさぐうたらだらしないしだらないぬらりくらりのらりくらりぬらくらのらくらだらだらちゃらんぽらん無精ルーズぶらぶらごろごろちんたら無気力のほほん風太郎ぷうたろうその日暮らしふしだら自堕落のろのろもたもたぐずぐず投げ遣りレイジーイージーイージーゴーイング風の吹くまま気の向くまま油を売るまったり漫然たるむぬるま湯ぬるま湯につかるもさくさもさっともさもさのそりのさのさのそのそとぼとぼのこのこのっそりそろそろゆっくりのろまのっしのっしのしのし遅いのろいのろくさいまぬるいまのろいスロー緩慢とろいまだるいまだるっこいにぶ緩徐遅緩スローモー遅遅ぼやぼや鈍重どんとろとろぼちぼちぼつぼつぽつぽつ徐徐徐徐にじわじわじわりじわりじりじりのたりのたりのたりそろりゆるゆるのんびりゆったり悠然悠悠

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「怠る」の意味・読み・例文・類語

おこた・る【怠・惰】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙
    1. しなくてはならない事をしないで、なまける。精を出さないでいる。
      1. [初出の実例]「皇子と大臣とに詔して曰はく、『任那の事に莫懶懈(なオコタリそ)』とのたまふ」(出典日本書紀(720)敏達四年二月(前田本訓))
      2. 「学文を、怠りますと、貴き人に、なられませぬか」(出典:小学教授書(1873)〈文部省〉)
    2. 油断する。注意を払わないでいる。
      1. [初出の実例]「今よりは疎からず、あなたなどにも物し給て、をこたらんことは、おどろかしなども物し給はんなん」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)
    3. いい加減にして、過失をおかす。あやまりをおかす。
      1. [初出の実例]「身づからおこたると思ひ給ふる事侍らねど、さるべき身の罪にてかくあさましきめを見侍れば」(出典:栄花物語(1028‐92頃)浦々の別)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙
    1. 病気がよくなる。病気や苦しみがなおる。
      1. [初出の実例]「おなじ季縄(すゑなは)少将、病にいといたうわづらひて、すこしをこたりて内にまゐりたりけり」(出典:大和物語(947‐957頃)一〇一)
    2. 事態がもとにもどる。事態がおさまる。
      1. [初出の実例]「夕には深山に向って宝号を唱ふるに、感応おこたる事なし」(出典:平家物語(13C前)二)

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