普及版 字通 「死」の読み・字形・画数・意味
死
常用漢字 6画
[字訓] しぬ・ころす
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
(がつ)+人。は人の残骨の象。人はその残骨を拝し弔う人。〔説文〕四下に「(つ)くるなり。人の離るるなり」とし、死(しし)・死離の畳韻の字を以て解する。死の字形からいえば、一度風化してのち、その残骨を収めて葬るのであろう。(葬)は草間に死を加えた字で、その残骨を収めて弔喪することをという。いわゆる複葬である。高はその骨格を存するもので、枯槁の象。口は祝詞の形((さい))で、弔う意。草間においてするものを(こう)といい、墓所を里という。死の音は、尸陳(しちん)(連ねる)の意であろう。また屍と通じ、漢碑に「死、此の下に在り」とみえる。金文に主司することを「死(しし)」というのは、おそらく尸主の意に用いたものであろう。
[訓義]
1. しぬ、みまかる。
2. ころす、いのちつきる。
3. ほろぶ、かれる、おわる、きわまる。
4. 尸と通じ、おさめる、つかさどる。
5. 屍と通じ、しかばね。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕死 シヌ・カル 〔字鏡集〕死 イタル・シヌ・キユ・カル・イヌ・ムナシ・コロス・モチイヌ・キハマル・キエヌ・カレヌ・ツカル・ワスル・タマシヒツキヌ
[部首]
〔説文〕に・など三字を属し、〔玉〕にまた斃など三字を加える。(こう)とは、夢魔によって死ぬ意であろう。(こう)はと同じ。斃(へい)は〔左伝〕にすでにみえる字である。
[声系]
〔説文〕に屍を尸死の会意字とするが、尸の繁文であろう。尸・屍同声である。
[語系]
死siei、尸・屍sjieiは声近く、通用することがある。肆sietは肆陳の意。陳dienもその声が近い。伸sjien、展tianは声義近く、伸展葬をいう字であろう。
[熟語]
死殃▶・死禍▶・死灰▶・死骸▶・死活▶・死期▶・死鬼▶・死義▶・死去▶・死境▶・死狗▶・死刑▶・死▶・死後▶・死公▶・死交▶・死扣▶・死孝▶・死獄▶・死罪▶・死▶・死士▶・死市▶・死志▶・死屍▶・死▶・死日▶・死者▶・死守▶・死樹▶・死終▶・死所▶・死処▶・死仗▶・死辱▶・死臣▶・死生▶・死声▶・死井▶・死勢▶・死籍▶・死節▶・死戦▶・死卒▶・死体▶・死胎▶・死地▶・死闘▶・死難▶・死人▶・死魄▶・死覇▶・死敗▶・死病▶・死夫▶・死父▶・死憤▶・死別▶・死没▶・死命▶・死友▶・死夭▶・死▶・死力▶・死驢▶
[下接語]
圧死・縊死・疫死・死・厭死・枉死・横死・仮死・餓死・客死・擬死・急死・狂死・決死・検死・枯死・獄死・罪死・惨死・守死・殉死・焼死・情死・水死・垂死・生死・戦死・即死・致死・墜死・死・徒死・凍死・頓死・敗死・万死・必死・病死・死・不死・仆死・焚死・憤死・斃死・変死・悶死・轢死
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報