こだわる

精選版 日本国語大辞典 「こだわる」の意味・読み・例文・類語

こだわ・る こだはる

〘自ラ五(四)〙
① すらすらと行かないで、ひっかかったりつかえたりする。
滑稽本東海道中膝栗毛(1802‐09)六「脇指の鍔がよこっぱらへこだわっていてへのだ」
② 気にしなくてもいいようなことが心にかかる。気持がとらわれる。拘泥する。
※当世少年気質(1892)〈巖谷小波〉六「賤しい根性は自然此間にこだはって居た」
故障をいいたてる。わずかのことに理屈をつけて文句をいう。なんくせをいう。こだわりをつける。
浄瑠璃・娥歌かるた(1714頃)二「達て御いとまを願ひ給へ共、郡司師高こだわって埒明けず」
④ (②から転じて) ある物事に強く執着して、そのことだけは譲れないという気持を持つ。「本物の味にこだわる」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「こだわる」の意味・読み・例文・類語

こだわ・る〔こだはる〕

[動ラ五(四)]
ちょっとしたことを必要以上に気にする。気持ちがとらわれる。拘泥こうでいする。「些細ささいミスに―・る」「形式に―・る」
物事に妥協せず、とことん追求する。「素材に―・った逸品
つかえたりひっかかったりする。
「それ程―・らずに、するすると私の咽喉を滑り越したものだろうか」〈漱石硝子戸の中〉
難癖をつける。けちをつける。
「郡司師高―・ってらち明けず」〈浄・娥歌かるた〉
[補説]2近年用法
[類語](1かかずらう拘泥かまける/(2マニアック病的クレージーいかれる神経質凝り性モノマニアモノマニアック偏執狂執念深いアブノーマル異常異様狂的ディレッタント物好き酔狂好事家こうずかおたく狂い気違いマニアつうこだわり道楽れ者凝り屋執拗しつようしつこいサブカルチャー未練がましい名残惜しい惜しいもったいないあたら残念残り惜しい残り多い口惜しい惜しむ心残り物惜しみ未練愛惜痛惜後ろ髪後を引く去り難いねちっこいねついねちねち悪あがきうじうじうだうだいじいじぐじぐじもじもじ因循断腸の思い負け惜しみ尾を引く執拗恋恋れんれん惜しげ思い残すたゆたう思い迷う忍びない

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