こだわる(読み)コダワル

デジタル大辞泉 「こだわる」の意味・読み・例文・類語

こだわ・る〔こだはる〕

[動ラ五(四)]
ちょっとしたことを必要以上に気にする。気持ちがとらわれる。拘泥こうでいする。「些細ささいミスに―・る」「形式に―・る」
物事に妥協せず、とことん追求する。「素材に―・った逸品
つかえたりひっかかったりする。
「それ程―・らずに、するすると私の咽喉を滑り越したものだろうか」〈漱石硝子戸の中〉
難癖をつける。けちをつける。
「郡司師高―・ってらち明けず」〈浄・娥歌かるた〉
[補説]2近年用法
[類語](1かかずらう拘泥かまける/(2マニアック病的クレージーいかれる神経質凝り性モノマニアモノマニアック偏執狂執念深いアブノーマル異常異様狂的ディレッタント物好き酔狂好事家こうずかおたく狂い気違いマニアつうこだわり道楽れ者凝り屋執拗しつようしつこいサブカルチャー未練がましい名残惜しい惜しいもったいないあたら残念残り惜しい残り多い口惜しい惜しむ心残り物惜しみ未練愛惜痛惜後ろ髪後を引く去り難いねちっこいねついねちねち悪あがきうじうじうだうだいじいじぐじぐじもじもじ因循断腸の思い負け惜しみ尾を引く執拗恋恋れんれん惜しげ思い残すたゆたう思い迷う忍びない物見高い物好きしゃ好事こうず数寄すき多趣味悪趣味好奇好奇心新しがり新しがり屋新し物好き初物食い心寄せ好き好き気に入りお気に入り趣味好み嗜好しこう同好横好き愛好のぞのぞき見のぞき見るのぞき込む盗み見るうかが透き見野次馬野次馬根性興味本位興味津津しんしんの目たかの目目を輝かす目を奪われる見る目ぐ鼻ぎ回る助平根性物珍しい

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精選版 日本国語大辞典 「こだわる」の意味・読み・例文・類語

こだわ・るこだはる

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. すらすらと行かないで、ひっかかったりつかえたりする。
    1. [初出の実例]「脇指の鍔がよこっぱらへこだわっていてへのだ」(出典:滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)六)
  3. 気にしなくてもいいようなことが心にかかる。気持がとらわれる。拘泥する。
    1. [初出の実例]「賤しい根性は自然此間にこだはって居た」(出典:当世少年気質(1892)〈巖谷小波〉六)
  4. 故障をいいたてる。わずかのことに理屈をつけて文句をいう。なんくせをいう。こだわりをつける。
    1. [初出の実例]「達て御いとまを願ひ給へ共、郡司師高こだわって埒明けず」(出典:浄瑠璃・娥歌かるた(1714頃)二)
  5. ( から転じて ) ある物事に強く執着して、そのことだけは譲れないという気持を持つ。「本物の味にこだわる」

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