松風(菓子)(読み)まつかぜ

  • 松風
  • 菓子

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

京生(なま)菓子の一つで天火菓子の一種。味噌(みそ)松風とも紫野(むらさきの)味噌松風(しょうふう)ともいう。1643年(寛永20)に70歳で没した京都・紫野大徳寺の156世住職江月和尚(こうげつおしょう)の創作した名菓で、きんとんづくりでも高名な松屋常磐(ときわ)をはじめ、亀屋陸奥(かめやむつ)、松屋藤兵衛(とうべい)などの名舗(めいほ)が今日につくり伝えてきた。松屋常磐の仕方帳には、「御糀(おんこうじ)味噌仕立て、うどん粉に上は黒ごま」とあり、京風白みそと小麦粉に砂糖を加えて練り、黒ごまを上に散らし、天火で焼く。亀屋陸奥はケシ粒、松屋藤兵衛は白ごまと大徳寺納豆を散らすが、焼き上がりはいずれも裏面が寂しい。うらさびしを浦寂しとしゃれ、鳴るは松風のみというのが菓名の由来である。

[沢 史生]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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