スタイル
〘名〙 (style) 全体的な形。様式。
① 美術・建築・音楽などについて、ある人、
流派、時代などに特有な形式、様式。〔新しき用語の泉(1921)〕
② 文学作品の構成、形式や文体。
※ヱマルソン(1894)〈
北村透谷〉六「彼は自から其のスタイルの欠点を挙げて、同じくカアライルに与へたる書中に章句を為すに及ばざることを言へり」
※近代
日本人の発想の諸形式(1953)〈伊藤整〉二「
七五調や
五七調が詩の主なスタイルであり」
③ ある個人、階層、社会に特有のやり方や
考え方。姿勢。
※父(1916)〈
芥川龍之介〉「懐中時計を出しながら、
能勢の父親の姿
(スタイル)を真似て見る者さへある」
※
ゴッホの手紙(1951‐52)〈
小林秀雄〉「彼の手紙は、明らかに本質的な意識家のスタイルを示してをり」
④ 全体的に見た、人の姿、格好、身なり。身につけたり手に持ったりする帽子、ステッキ、傘、かばんなどを含めた姿もいう。また、物の
かたち。
※筆まかせ(1884‐92)〈
正岡子規〉三「白石氏も〈略〉
此頃は全くスタイルととのひ、御手際見事なり」
※鶴は病みき(1936)〈
岡本かの子〉「馬上だからなほスタイルが颯爽としてた」
※
風俗画報‐三三九号(1906)流行門「昨今日に月に増加せる観光外客のスタイルに、見やう見真似か洋服の好みは殆んど全く前記のものに一致し」
※糞土の墻(1949)〈幸田文〉「とっちゃん刈りといふ髪のスタイルで」
⑥ 工業製品の型、デザイン。
⑦ 語素的に他の語の下に付いて、「…形式」「…式」の意を表わす。
[語誌]「英和対訳袖珍辞書」(
一八六二)には、style の訳として書法、文体などがあてられており明治期を通じて、文学関係用語として用いられた。それが、明治中期あたりから
容姿や
服装関係にも用いられるようになり、英和辞書の
訳語も様子、状
(さま)、態
(なり)などが付け加わるようになる。
大正から
昭和にかけて、一般には容姿や服装を表わす言葉として定着した。
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デジタル大辞泉
「スタイル」の意味・読み・例文・類語
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スタイル〔海外ドラマ〕
韓国のテレビドラマ。2009年8月放映開始(全16話)。出演は、リュ・シウォン、キム・ヘス、イ・ジアほか。ファッション誌の世界を舞台とするトレンディな恋愛ドラマ。
スタイル〔日本のドラマ:1993年〕
日本のテレビドラマ。放映はテレビ朝日系列(1993年6月~7月)。全4回。脚本:小山協子。出演:芳本美代子、宮川一郎太ほか。
スタイル〔ボールペン〕
スタイル〔万年筆〕
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世界大百科事典(旧版)内のスタイルの言及
【文体】より
…基準の設定次第で分類体系が変わり,名称がふえるのは言うまでもない。
[レトリック理論に由来するヨーロッパの文体概念]
現在,日本語の〈文体〉ということばは西洋の〈スタイルstyle〉という概念への適切な訳語でもある。そしてヨーロッパ的な〈スタイル〉もまた,伝統的に大きな類型として理解されてきた。…
【様式】より
…ギリシア美術についても,ルネサンス美術についても,あるいはセザンヌの作品についても〈古典主義的様式〉が問題となるのはそのためである。 もともと西欧語において,スタイルstyle(英語),シュティールStil(ドイツ語),スティールstyle(フランス語)は,〈鉄筆〉を意味するラテン語stilusに由来し,それゆえに,鉄筆で書かれた文章の表現上の特色,すなわち〈文体〉を意味するようになった。この意味は今日でもまだ生きているが,別の言い方をすれば,〈文体〉とは〈文章の様式〉であるといってもよい。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」