神奈川[県](読み)かながわ

百科事典マイペディア「神奈川[県]」の解説

神奈川[県]【かながわ】

関東地方南西部,太平洋に面して東京都の南に接する県。県庁所在地は横浜市。2415.83km2。904万8331人(2010)。面積は全国で4番目の狭さ,人口は東京,大阪に次いで第3位の多さである。首都圏の中で東京の衛星都市的役割を果たし,1960年ごろからの工業地帯,住宅地の拡大によって人口が急増した。〔沿革〕 かつての相模国全域と武蔵国の一部に当たる。中世鎌倉幕府のあった鎌倉が武家政治の中心として栄え,幕府倒壊後はながい係争の末,小田原に北条早雲がはいって関東一円を支配した。江戸時代には小田原に大久保氏,金沢に米倉氏が置かれ,他は知行所,天領に分かれていた。足柄,箱根は各時代を通じ関東への要衝であった。幕末,浦賀,横浜は西洋文明の窓口となった。1871年神奈川・足柄2県,1876年2県が合して神奈川県となり,1893年多摩3郡を東京府へ移した。〔自然〕 南東部に突出する三浦半島が東の東京湾と南の相模湾を分け,湘南(しょうなん)と呼ばれる相模湾岸は砂丘地からなる単調な海岸線をなし,東の東京湾岸は埋立地が広く,ほとんどが人工海岸となっている。北西部は丹沢山地,南西部は富士火山帯に属する箱根火山の山地である。南流して相模湾に注ぐ酒匂(さかわ)川相模川流域に平野が発達,中部には洪積台地の相模原が広がる。北東部の山地は多摩丘陵の一部。温暖多雨で,特に湘南地方は黒潮の影響もあり冬暖かく,古くから避寒地として有名。〔産業〕 産業別人口構成は第1次がわずかに1.0%,第2次23.7%,第3次72.1%(2005)と第2次・第3次産業が著しく高い。工業の中核は川崎,横浜の2市を中心とする東京湾岸の京浜工業地帯である。両市の臨海部埋立地を中心に石油,金属,機械,造船,ガラス,セメントなど,多摩川下流域には理化学器械,計量器,光学器械などの工業が発達している。また近年,横浜市,川崎市の内陸部にも自動車,電器,通信などの大企業が進出して大きく発展している。一方,臨海部の西区・中区の埋立地では,21世紀の新都心のために工場跡地が再開発され,みなとみらい21(MM21)計画が進行中である。相模湾に臨む平塚・藤沢2市,鎌倉市大船地区,内陸の相模原市地区も1960年ごろから内陸部への交通路の発達に伴って工業化が進み,西部では小田原市の水産加工,南足柄市の写真フィルム製造などの発展が著しい。県の製造品出荷額は18兆7522億円(2003)を上げ,愛知県に次いで全国2位である。農業は京浜の大市場をひかえ野菜,果樹,花卉(かき)などの園芸作物を産するが,経営は一般に零細で兼業農家も増加,1960年ごろからの急速な工業地化・住宅地化の進展で農業放棄の傾向も進む。林産は丹沢山地が中心で造林事業が進められている。漁業は東京湾岸が埋立てと水質汚染で衰退,相模湾岸の三浦三崎港,小田原港でのカツオ,マグロ,ブリ漁業が主である。観光面では富士箱根伊豆国立公園中の箱根,丹沢大山国定公園があり,湘南地方は古都鎌倉,江の島,大磯,真鶴(まなづる),横浜市山の手地区の街並みの景観と商店街,1989年横浜ベイ・ブリッジが完成した横浜港,1993年横浜ランドマークタワーの完成したみなとみらい21地区などが行楽地としてにぎわう。〔交通〕 県東部はJRの京浜東北・横須賀・横浜・南武各線,私鉄の東急・小田急・京浜急行各線,首都高速道路,第一・第二・第三京浜道路などが通じ,すべて東京都と密接に結びつく。ほぼ相模湾岸沿いに東海道本線,国道1号線,中部に東名高速道路,相模線,相模鉄道,西部に御殿場線,伊豆箱根鉄道,箱根登山鉄道が通じ,県下一帯に私鉄の鉄道・バス網がある。横浜,小田原に東海道新幹線が通じる。また湾岸の埋立地にも横浜新都市交通(1989年),首都高速道路各線が通じている。横浜港は日本有数の貿易港で,特定重要港湾に指定され外国船舶の出入が多い。1997年12月,川崎市川崎区と千葉県木更津市との間に東京湾アクアラインが開通した。
→関連項目関東地方

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世界大百科事典 第2版「神奈川[県]」の解説

かながわ【神奈川[県]】

面積=2413.58km2(全国43位)人口(1995)=824万5900人(全国3位)人口密度(1995)=3416人/km2(全国3位)市町村(1997.4)=19市17町1村県庁所在地=横浜市(人口=330万7136人)県花=ヤマユリ 県木=イチョウ 県鳥=カモメ関東地方南西部の県。北は東京都に隣接し,西は山梨・静岡両県に接する。南は東京湾,相模湾を経て太平洋に臨む。
[沿革]
 明治初年までの相模国と武蔵国の南東部にあたり,幕末には相模国に小田原藩荻野山中藩,武蔵国に金沢藩が置かれたほか,天領,旗本領寺社領,飛地が混在していた。

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