(読み)ジ

デジタル大辞泉 「自」の意味・読み・例文・類語

じ【自】[漢字項目]

[音](呉) (漢) [訓]みずから より おのずから
学習漢字]2年
〈ジ〉
みずから。自分の。自分で。「自衛自覚自決自己自国自主自信自宅自治自転自分自慢自由自縄自縛各自独自
ひとりでに。おのずから。「自明自然薯じねんじょ
起点を示す語。…より。…から。「自今自余出自
〈シ〉ひとりでに。「自然
[名のり]おの・これ・さだ
難読自惚うぬぼ自棄やけ

じ【自】

[接頭]
自分の意を表す。「意識」
時間場所を示す名詞に付いて、起点を示す。「八時至二〇時」「東京至京都」⇔

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「自」の意味・読み・例文・類語

み‐ず‐から‥づ‥【自】

  1. ( 「身(み)つから」の変化したもので、「つ」は助詞、「から」はそれ自体の意 )
  2. [ 1 ] 〘 名詞 〙 その人自身当人。自分。
    1. [初出の実例]「他を先にして己(ミヅカラ)を後にす」(出典:東大寺諷誦文平安初期点(830頃))
    2. 「万葉集に入らぬ古き歌、みづからのをも、奉らしめ給ひてなん」(出典:古今和歌集(905‐914)仮名序)
  3. [ 2 ] 〘 代名詞詞 〙 一人称。わたくし。自分。男女ともに用いられたが、のち、身分のある女性が用いた。
    1. [初出の実例]「身づからはここのへのうちにおひいで侍て」(出典:源氏物語(1001‐14頃)乙女)
  4. [ 3 ] 〘 副詞 〙 自分自身で。親しく。
    1. [初出の実例]「我れ躬(ミツカラ)当に往きて恭敬し恭養し尊重し讚嘆せむ」(出典:東大寺本大般涅槃経平安後期点(1050頃))

ころ【自】

  1. 〘 造語要素 〙 自身、自分自身、みずから、の意を表わす。→ころだつころところにころふす。〔色葉字類抄(1177‐81)〕

じ【自】

  1. 〘 名詞 〙 おのれ。みずから。自分。自己。⇔
    1. [初出の実例]「只自を損ずることのみに非ず、又他をしても悪を作さしめし因縁なり」(出典:正法眼蔵随聞記(1235‐38)一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「自」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 6画

[字音]
[字訓] はな・みずから

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[古辞書の訓]
名義抄〕自 ミヅカラ・モチ(フ)・オノヅカラ・ヨリ・ヨル・シタガフ・モチヰル・ワレ・コレ・カタチ・ヰル・カクノ・ホシイマムマ・イタル

[部首]
〔説文〕に(べん)の一字を属し、別に部を立てている。〔玉〕には(臭)とその俗字とを加える。〔説文〕ではは犬部に属している。は邊(辺)の従うところ。祭梟(さいきょう)(首祭り)の俗を示す字で、髑髏棚(どくろだな)の上に、鼻竅(びきょう)を上にして屍をおく形。これを以て辺境の呪鎮としたので、辺徼(へんきょう)の意となる。竅・徼もみなその祭梟の俗と関係のある字である。

[声系]
〔説文〕に自声としてなど六字を収めるが、自の声義を承けるところはない。また自の省文として白(じ)をあげ、替を白声の字と解するが、その字は(しん)()と曰(えつ)とに従い、譖の呪儀を示すもので、自とは関係がない。

[語系]
自dzieiは從(従)dziongと声近く、古くより通用の例がある。

[熟語]
自愛・自安・自怡・自為・自縊・自慰・自鬻・自逸・自佚・自引・自隠・自営・自衛・自家・自下・自我・自戒・自解・自快・自・自劾・自害・自覚・自活・自寛・自貴自棄・自記・自熹・自宮・自咎・自給・自居・自挙・自虚・自許・自供・自矜・自彊・自強・自禁・自屈・自剄・自計・自経・自自警・自決・自歉・自・自検・自遣・自賢・自衒・自己・自後・自・自高・自克・自今・自裁・自済・自在・自殺・自賛・自讚・自私・自刺・自恣・自肆・自資・自恃・自失・自酌・自釈・自若・自首・自主・自取・自修・自習・自順・自処・自序・自叙・自如・自助・自恕・自訟・自食・自贖・自信・自身・自・自新自刃・自尽・自炊・自生・自制・自省・自責・自惜自説・自然・自専・自・自薦・自・自訴・自足・自尊・自損・自存・自多・自大・自治・自知・自致・自智・自重・自・自勅・自珍・自陳・自適・自図・自・自投・自得・自任・自認・自媒・自白・自発・自伐・自反・自卑・自備・自筆・自負・自誣・自焚・自刎・自奮・自・自保・自奉・自暴・自満・自慢・自命・自明・自滅・自免・自門・自由・自余・自用・自来・自楽・自利・自立・自律・自力・自励・自怜・自
[下接語]
各自・出自・刀自・独自

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