長谷寺・初瀬寺・泊瀬寺(読み)はせでら

精選版 日本国語大辞典 「長谷寺・初瀬寺・泊瀬寺」の意味・読み・例文・類語

はせ‐でら【長谷寺・初瀬寺・泊瀬寺】

[一] 奈良県桜井市初瀬(はせ)にある真言宗豊山派の総本山。豊山神楽院と号する。古来山岳信仰の霊地で、朱鳥元年(六八六)天武天皇の勅命により道明創建した本(もと)長谷寺に始まる。のち、聖武天皇の勅願寺となり、現在名を称した。本尊の十一面観世音菩薩は平安時代には、貴族、特に女性の信仰が厚かった。所蔵する法華経など三四巻の経巻と銅板法華説相図は国宝。西国三十三所の第八番札所。ちょうこくじ。はつせでら。はつせのてら。長谷観音。豊山(ぶざん)寺。
[二] (長谷寺) 神奈川県鎌倉市長谷にある浄土系の単立寺院。山号は海光山。天平年間(七二九‐七四九)の創建。開山は徳道。本尊の十一面観世音菩薩は樟に彫刻した日本一大きな木像として知られ、奈良県桜井市初瀬にある長谷寺の十一面観世音菩薩と同じ木でつくられた一木二体のものと伝えられる。坂東三十三所の第四番札所。新長谷寺。長谷観音。
[三] (長谷寺) 福岡県鞍手郡鞍手町長谷にある浄土宗の寺。山号は亀甲山。仁和元年(八八五)空海の弟子万貨の創建。奈良の長谷寺にならい、阿彌陀如来とともに十一面観世音菩薩を本尊としてまつる。長谷観音。ちょうこくじ。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android