訳(読み)ワケ

デジタル大辞泉 「訳」の意味・読み・例文・類語

わけ【訳】

《「分け」と同語源》
1 物事の道理。すじみち。「訳のわからない人」「訳を説明する」
2 言葉などの表す内容、意味。「言うことの訳がわからない」
3 理由。事情。いきさつ。「これには深い訳がある」「どうした訳かきげんが悪い」
4 男女間のいきさつ。また、情事。「訳のありそうな二人」
5 (「わけにはいかない」の形で)そうすることはできない。筋道ではない。「やらない訳にはいかない」
6 (「わけではない」の形で)否定・断定をやわらげた言い方。「だからといって君が憎い訳ではない」「別に反対する訳ではない」
7 結果として、それが当然であること。
「やっと今度、その宿望がかなった―です」〈堀辰雄・美しい村〉
8 遊里のしきたりや作法。
「色道の―を会得せねば」〈伎・韓人漢文〉
[下接語]言い訳・入り訳・内訳・事訳・諸しょ訳・申し訳
[類語]理由・いわれ・ゆえん・由・故・曰く・意味・原因・事由・所由・訳合い・訳柄・もと・種たね・起こり・きっかけ・因いん・因由・素因・真因・要因・一因・導因・誘因・近因・遠因・せい・起因する・因よる・基づく・発する・根差す・事情・諸事情・根拠・故由ゆえよし・事訳ことわけ・子細

やく【訳】

1 訳すこと。また、その文章や語句。翻訳。「英文に日本語の訳をつける」「源氏物語の現代語訳」
2 漢字の訓。
[類語](1)翻訳・訳出・訳する・適訳・名訳・抄訳・直訳・和訳・邦訳・完訳・全訳・誤訳・意訳・逐語訳・対訳・重訳・定訳・新訳・初訳・改訳・点訳・翻案・吹き替え

やく【訳〔譯〕】[漢字項目]

[音]ヤク(呉) [訓]わけ
[学習漢字]6年
〈ヤク〉他の言語に言いかえる。「訳載・訳者・訳出・訳文/意訳・完訳・誤訳・重訳・抄訳・対訳・直訳・通訳・点訳・翻訳・名訳・和訳」
〈わけ〉「事訳・諸訳」
[名のり]つぐ

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精選版 日本国語大辞典 「訳」の意味・読み・例文・類語

やく【訳】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① 訳すこと。また、その訳した文字や文章。
    1. [初出の実例]「旧訳あり新訳ありといへども」(出典:正法眼蔵(1231‐53)転法輪)
    2. [その他の文献]〔司馬相如‐喩巴蜀檄〕
  3. ② 漢字を和訳すること。また、その訳した訓。和訓。よみ。訓。

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普及版 字通 「訳」の読み・字形・画数・意味

訳
常用漢字 11画

(旧字)譯
20画

[字音] ヤク・エキ
[字訓] わけ

[説文解字]

[字形] 形声
旧字は譯に作り、(えき)声。〔説文〕三上に「四夷の言を傳譯するなり」とあって、異言を通ずることをいう。〔礼記、王制〕に「東方を寄と曰ひ、南方を象と曰ひ、西方を狄(てきてい)と曰ひ、北方を譯と曰ふ」とみえる。は獣屍の解(とかい)(くずれて解ける)する象で、繹解(えきかい)の意がある。伝訳の官には〔国語、周語中〕に「舌人」の官があり、〔周礼、秋官、大行人〕に「象胥(しやうしよ)」の官があった。中国で、わが国の語を伝訳した辞書を「日本寄語」のようにいう。

[訓義]
1. やく、他国語の意味を伝える、うつしていう、訳語、翻訳。
2. わけ、意味を解く、詳しく説く、あらわす。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕譯 サヘヅル・ヲサム・ミル・ヨロコブ・トトノフ・ツタフ・ヲサ 〔字鏡集〕譯 ツタフ・ツタフルコヱ・トトノフ・アザケル・ヨロコブ・ヲサム・サヘヅル・ミル

[語系]
譯・・・驛(駅)・繹jyakは同声。擇(択)deakも声義が近い。は獣屍の解する形。擇はそれを択びとる意。(えき)はめぐる、驛は駅伝、繹は糸をたぐり抽(ひ)く意。みなときほぐし、長く連なる意をもつ語である。

[熟語]
訳官▶・訳経▶・訳語▶・訳刻▶・訳使▶・訳士▶・訳導▶・訳本▶
[下接語]
意訳・英訳・旧訳・誤訳・細訳・抄訳・象訳・宣訳・全訳・重訳・直訳・通訳・翻訳・訳

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