数(漢字)

普及版 字通 「数(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 13画

(旧字)數
15画

[字音] スウ・ス・サク・ソク
[字訓] せめる・かず・かぞえる・しばしば・しきりに

[説文解字]
[金文]
[その他]

[字形] 会意
旧字は數に作り、婁(ろう)+攴(ぼく)。婁は女子の髪を高く結(ゆ)いあげた形。これに攴を加えて、髪を乱すことを數(さく)という。数々として髪が乱れる意。女子を責めるときにその髪をうって乱したので責めることをいい、乱れてばらばらになるので数多い意となり、計数の意となる。〔説文〕三下に「計(かぞ)ふるなり。攴に從ひ、婁(ろう)聲」とするのは、後起の義。字もまた婁声ではない。計数の赴くところは必然であるから、世運や運命をも数という。

[訓義]
1. せめる、うながす。
2. かず、かぞえる、よみあげる、計数。
3. 数の理、ことわり、さだめ、いきおい。
4. わざ、はかりごと、てだて。
5. しばしば、しきりに、はやい、すみやか。
6. 二、三から五、六の概数

[古辞書の訓]
名義抄〕數 カズ・カゾフ・アマタ・コトワリ・コトワル・シバシバ・シルシ・マホル・アマタタビ/數奇 サチナシ 〔字鏡集〕數 シバシバ・カゾフ・サム・シバラク・カズ・タビタビ・マホル・シバシ・アマタ・コトワリ・コトワル・アマタタビ・サク・シルシ・アマタル

[声系]
〔説文〕に數声として・籔の二字を収める。大沢沢(そうたく)の地をいい、数々として物の多い意であろう。籔は炊(すいいく)で、といだ米をあげるざる。その編みかたが、乱れ髪に似ているのであろう。ゆえに字は數に従う。

[語系]
數sheok、責tzhekは声近く、責は財物を課して責める意。(速)siokは急疾、數をその意に通用することがある。

[熟語]
数見・数罟・数数・数目数珠・数課・数学・数・数器・数奇・数計・数頃・数・数口・数行・数刻・数四数枝・数術・数処・数所・数傷・数譲・数仞・数責・数多・数朶・数重・数点・数罵・数目・数量
[下接語]
暗数・盈数・加数・回数・概数・函数・奇数・紀数・基数逆数・級数・窮数・虚数・極数・偶数・係数・計数・件数・限数・現数・戸数・個数・箇数・口数・細数・算数・指数・次数・実数術数除数小数・少数・乗数・常数・正数整数・全数・素数・総数・多数・大数・対数・代数・単数・丁数・定数・点数・同数・道数・日数・人数・年数・倍数・比数・負数・複数・分数・変数・歩数・無数・名数・命数・目数・黙数・約数・有数・陽数・理数・礼数・暦数

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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