デジタル大辞泉
「辛い」の意味・読み・例文・類語
づら・い【▽辛い】
[接尾]《形容詞型活用[文]づら・し(ク活)》動詞の連用形に付いて形容詞をつくり、その動作をするのに困難を感じる意を表す。…にくい。「歩き―・い」「読み―・い」「書き―・い」
[類語]難い・にくい
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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から・い【辛・苛・鹹】
- 〘 形容詞口語形活用 〙
[ 文語形 ]から・し 〘 形容詞ク活用 〙 - [ 一 ] 味覚について、舌を刺すような感じのあるさま。
- ① 唐辛子(とうがらし)、生薑(しょうが)、山葵(わさび)、山椒(さんしょう)、胡椒(こしょう)などを舐(な)めたときのように、舌や口をぴりぴり刺激するような感じのあるさま。
- [初出の実例]「みな月の河原におもふやほ蓼のからしや人に逢はぬ心は」(出典:古今和歌六帖(976‐987頃)六)
- 「此山せうの粉のからいので涙のこぼるるやら」(出典:雲形本狂言・宗論(室町末‐近世初))
- ② 塩の味のあるさま。しおからい。
- [初出の実例]「須磨人の海辺常去らず焼く塩の可良吉(カラキ)恋をも吾(あれ)はするかも」(出典:万葉集(8C後)一七・三九三二)
- 「杯洗(すまし)の水は鍋の塩の辛(カレ)へのを調合して水きれだ」(出典:安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉三)
- ③ 酸味の強いさま。すい。
- [初出の実例]「醋 酢也 酸也 加良之 又須之」(出典:新撰字鏡(898‐901頃))
- ④ 酒気の強いさま。アルコール度の高いさま。甘味の少ない濃厚なよい酒の味にいう。
- [初出の実例]「多に醇(カラキ)酒を設けて」(出典:日本書紀(720)景行一二年一二月(熱田本訓))
- [ 二 ] 苦痛を感じて、身や心が堪えがたい感じのするさま。
- ① やりかた、しうちがひどく厳しいさま。ひどい。
- (イ) むごい。残酷だ。
- [初出の実例]「酷 急也 極也〈略〉加良志」(出典:新撰字鏡(898‐901頃))
- 「重て茲(こ)の酷(カラキ)罰(つみ)あて仁兄さへ害(ころ)されたり」(出典:大唐西域記長寛元年点(1163)五)
- (ロ) 容赦がない。きびしい。
- [初出の実例]「罰もからいぞ」(出典:土井本周易抄(1477)三)
- 「試験の点が少し辛い」(出典:多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉前)
- (ハ) 勘定高く人情味のない人が多くてあきれるようなさま。せちがらい。
- [初出の実例]「辛(カラ)ひ浮世に甘き族も」(出典:談義本・根無草(1763‐69)後)
- ② 苦しい。つらい。せつない。悲痛だ。
- [初出の実例]「昔より言ひける言の韓国の可良久(カラク)も此処に別れするかも」(出典:万葉集(8C後)一五・三六九五)
- 「すまの浦にあまのこりつむもしほ木のからくも下にもえ渡るかな〈藤原清正〉」(出典:新古今和歌集(1205)恋一・一〇六五)
- ③ 気にくわない。いやだ。
- [初出の実例]「明理のらんかうに行成がしこなよぶべきにあらず。いとからいことなり」(出典:大鏡(12C前)三)
- ④ 苦痛を感じるほどはなはだしい。堪えがたいほどにひどい。
- [初出の実例]「石川の 高麗人に 帯を取られて 可良支(カラキ)悔する」(出典:催馬楽(7C後‐8C)石川)
- ⑤ もう少しでだめなところだ。あぶない。あやうい。すんでのことだ。→からくも・からくして・からき命。
辛いの語誌
( 1 )古くは塩の味を形容する語であり、「あまし」と対義の関係にあったと考えられる。塩味にも通ずる舌を刺すような鋭い味覚の辛みを形容する例は平安時代の頃より見られるが、塩味を「しははゆし」「しほからし」と表現するようになるにしたがって、「からし」は辛みに用いられる例が多くなってくる。
( 2 )現代諸方言では、辛みを形容するカライが全国的に分布するが、塩味を形容するカライも西日本に広く分布している。
辛いの派生語
から‐が・る- 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
辛いの派生語
から‐げ- 〘 形容動詞ナリ活用 〙
辛いの派生語
から‐さ- 〘 名詞 〙
辛いの派生語
から‐み- 〘 名詞 〙
つら・い【辛】
- 〘 形容詞口語形活用 〙
[ 文語形 ]つら・し 〘 形容詞ク活用 〙 - [ 一 ] 非情であるさま。
- ① 他に対する態度・仕打ちなどが、むごい。非情だ。
- [初出の実例]「其の中(なか)に一の児最(いと)悪(ツラク)して教養(をしへこと)に順はず」(出典:日本書紀(720)神代上(兼方本訓))
- 「いとはつらくみゆれど、こころざしはせんとす」(出典:土左日記(935頃)承平五年二月一六日)
- ② 主に男女の間柄で、態度・仕打ちなどが冷たい。薄情だ。すげない。
- [初出の実例]「よし野がはよしや人こそつらからめはやくいひてしことはわすれじ〈凡河内躬恒〉」(出典:古今和歌集(905‐914)恋五・七九四)
- [ 二 ] 耐えがたく思うさま。
- ① 人の気持を考えない冷たい仕打ちや態度などが、耐えがたく、恨めしい。
- [初出の実例]「武蔵鐙(あぶみ)さすがにかけて頼むにはとはぬもつらしとふもうるさし」(出典:伊勢物語(10C前)一三)
- ② ある事柄・情況・環境などが、身を切るように耐えがたい。
- [初出の実例]「世の中のうきもつらきもつげなくにまづしる物は涙なりけり〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑下・九四一)
- [ 三 ] ( 連濁して接尾語として用いる ) ⇒づらい(辛)
辛いの語誌
( 1 )他を苦しめるようなむごさ、非情さについていう[ 一 ]の意から、そのような状態を恨めしく思う気持、あるいは何かによって受ける耐えがたい苦しみなど[ 二 ]の意を表わすようになる。
( 2 )同じく平安期に例の多い類義語に「うし」「つれなし」があるが、「うし」は、自分で情けなく苦しいと思う感情を表わし、「つらし」は、他人の冷酷な仕打ちによって起こる、耐えがたい苦しみを表わす。また、「つれなし」は、「万葉集」に「連れもなし」の形で現われることからわかるように、他から無縁なものとして無関心、無表情に遇せられたときの感情を表わす。しかし、中世以降、「うし」の勢力の衰えとともに、「つらし」が「うし」の意味領域をも兼ね表わすようになっていった。
辛いの派生語
つら‐が・る- 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙
辛いの派生語
つら‐げ- 〘 形容動詞ナリ活用 〙
辛いの派生語
つら‐さ- 〘 名詞 〙
づら・い【辛】
- 〘 接尾語 〙 ( 形容詞型活用 )
[ 文語形 ]づら・し - ( 形容詞ク活型活用 ) 動詞の連用形に付いて、その動作をすることに困難を感じる意を表わす。「面目なくて行きづらい」「恥ずかしくて入りづらい」などのように、心理的抵抗が大きい意に使う場合もあり、「字が小さくて読みづらい」「反射して見づらい」などのように、物理的に困難である意を示すこともある。
- [初出の実例]「ゑらふ聞づらいナ」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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辛い
水やりや施す肥料の量および回数が少ないこと。盆栽を育てる上では決して悪いことではなく、例えば五葉松は辛めの水やりが適している。
出典 (株)近代出版盆栽用語集について 情報
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