駒ヶ岳(秋田県)(読み)こまがたけ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「駒ヶ岳(秋田県)」の意味・わかりやすい解説

駒ヶ岳(秋田県)
こまがたけ

秋田県東部、岩手県境近くにある活火山。玄武岩~安山岩の二重式成層火山。秋田駒ともよばれる。最高点はカルデラ北方の寄生火山、男女岳(おなめだけ)(女目岳)の標高1637メートル。カルデラは長円形(長径約3キロメートル、短径約1.5キロメートル)で、外輪山の最高点は男岳(おだけ)。女岳(めだけ)以下、三つの中央火口丘がある。有史以後、数回、水蒸気爆発したが、1970~1971年(昭和45~46)女岳が初めて新溶岩を出し、小爆発を数万回も反復し、溶岩流も発生。噴出物総量は約400万トンに及ぶ。以後も噴気がときどき活発化。山頂部の阿弥陀池(あみだいけ)付近はコマクサなど高山植物が豊富で、国の天然記念物に指定されている。十和田八幡平(とわだはちまんたい)国立公園の一部で、西麓(せいろく)には田沢湖、北西麓には乳頭(にゅうとう)温泉郷がある。JR田沢湖線(秋田新幹線)田沢湖駅から八合目までバス便がある。また、八合目までは自動車の乗り入れができるが、6月1日から10月末日の土・日曜日、祝日は自家用自動車の乗り入れ規制が行われる。

諏訪 彰]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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