気鬱(読み)キウツ

デジタル大辞泉 「気鬱」の意味・読み・例文・類語

き‐うつ【気鬱】

[名・形動]気分がはればれしないこと。また、そのさま。「気鬱な日々」
[類語]憂鬱憂愁沈鬱メランコリー気塞ぎ鬱鬱陰鬱暗鬱鬱屈鬱結鬱気鬱悶鬱積抑鬱憂さ鬱陶しい物憂いびんびんせつせつ痛切切実深刻ひしひしつくづくしみじみじいん心から哀切哀れ悲しい物悲しいうら悲しいせつないつらい痛ましい悲愴悲痛悲傷沈痛苦しい憂い耐えがたいしんどい苦痛やりきれないたまらないる瀬ない断腸の思い胸を痛める胸が痛む胸が塞がるけだるいアンニュイ胸が裂ける胸が張り裂ける胸がつかえる胸が潰れる胸がつまる気を重苦しい滅入る気遣わしい塞ぐ塞ぎ込む消沈しょげるしょげ返る沈む悶悶もんもんもやもやぼけっと朦朧もうろうぼやける雲をつかむ不確か曖昧曖昧模糊ファジー茫乎ぼうこぼうっとなんとなくなんだかそこはかとないほんのりなんとはなしどことなくそれとなしに心なしなにかしら思いなしかほのか模糊茫茫ぼうぼう漠漠不明瞭茫漠ぼうばくもやくやもやつくぼんやり彷彿ほうふつ不鮮明鬱然くよくよくしゃくしゃくさくさやるせないくすぶるわだかまる意気消沈暗澹あんたん胸騒ぎ怪訝けげんいぶかしいいぶかる辛気歯がゆいいらいら

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精選版 日本国語大辞典 「気鬱」の意味・読み・例文・類語

き‐うつ【気鬱】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 気分がはればれしないこと。気がふさぐこと。また、そのさま。憂鬱。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「彼の少年の気鬱(キウツ)なるか又は俗に云ふ喧嘩早きは必ず律儀者多く」(出典福翁百話(1897)〈福沢諭吉〉九七)

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普及版 字通 「気鬱」の読み・字形・画数・意味

【気鬱】きうつ

気が沈む。

字通「気」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の気鬱の言及

【メランコリー】より

…たとえばゴルテルJohannes de Gorter(1689‐1762)の内科書(1744)を宇田川玄随が邦訳した《西説内科撰要》全18巻(1793‐1810)には,メランコリアを漢字に当てた〈黙朗格里亜〉の用語が,その意訳である〈胆液敗黒病〉とともに現れており,ついで,小森桃塢(とうう)(玄良)(1782‐1843)らによって〈鬱証〉〈鬱愁〉〈鬱狂〉などの訳語が提出されたあと,おなじく小森の編集になる《泰西方鑑》全5巻(1827)にいたり,ようやく〈鬱憂病〉の語が〈メランコリア〉のルビをつけて登場する。こうしてヨーロッパ的なメランコリーが,日本的な〈気鬱〉と結びつくわけだが,既述のとおり,前者が古代ギリシア・ローマ医学の体液病理学から発しているのに対し,後者は東洋医学に支配的な〈気〉の病理学に由来しており,この病理学上の差はメランコリーと日本的〈鬱〉との症候論上のちがいをも導いている。医学分野以外の日常語の範囲でメランコリーの語がそのまま広く使われているのは欧米の場合と似ており,そこには〈憂鬱〉や〈悲哀〉に親和性をもつ日本人のメンタリティがうかがえる。…

※「気鬱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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