輪・環(読み)わ

精選版 日本国語大辞典 「輪・環」の意味・読み・例文・類語

わ【輪・環】

[1] 〘名〙
① まるく曲げたもの。また、まるい形のもの。また、その形。環(かん)。→りん(輪)
※西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)九「耳の輪(ワ)旧のと殊になり」
※わらんべ草(1660)四「観阿彌は、必打出んとては、左のばちをもちながら、太このわに手をかけ」
② 車の左右にあり、軸の周囲に回転して、車を進める円形の具。車輪
※東大寺諷誦文平安初期点(830頃)「独輪(車ノワ)のごとくに四生の区に廻りつつ」
③ 桶などの箍(たが)
※御伽草子・おようの尼(室町時代短篇集所収)(室町末)下「わのきれたる手おけ」
④ 厄よけまじないの「ちのわ(茅輪)」のこと。
大乗院寺社雑事記‐文正元年(1466)六月晦日「輪作事木守役也」
⑤ 屋根の石が転がって落ちないように、竹木をまるく曲げて、その上に石を置くもの。
※浮世草子・日本永代蔵(1688)三「取(とりぶき)の屋根の輪(ワ)、扇の要刻み」
⑥ 紋所の名。蛇の目輪、菊輪、毛輪、唐草輪などの種類がある。
[2] 〘接尾〙 曲げて輪状にしたものを数えるのに用いる。
古事記(712)中「其の麻(を)の三勾(わ)(のこ)れるに因(よ)りて、其地を名づけて美和(みわ)と謂ふぞ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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