門(生物分類)(読み)もん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「門(生物分類)」の意味・わかりやすい解説

門(生物分類)
もん

生物を分類するときに類別に用いる一段階の名称。界(動物界、植物界に、近年は菌界が後者から分けられる)に次いで上位の分類段階が門であって、界と綱の間に位置する。門の分け方は学者見解によって異なるが、一般に体制、細胞、生殖法、発生様式などの基本的な相違によって区別される。普通、動物では20前後の門に分けられ、消化管排出器官体腔(たいこう)、循環系、呼吸器官、体節構造、発生過程などが問題とされる。植物では10前後の門があり、細胞壁の成分、生殖法、配偶子の鞭毛(べんもう)、葉緑素やほかの含有色素、管束などの特徴が相違として取り上げられる。菌界は、近年十数門に分割する提案がなされている。門の下位には亜門が置かれることが多い。

[中根猛彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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