普及版 字通 「五(漢字)」の読み・字形・画数・意味
五
常用漢字 4画
[字訓] いつつ
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 仮借
斜めに交錯する木を以て作られた器物の蓋(ふた)の形。数字の五に用いる。〔説文〕十四下に「五行なり。二に從ふ。陰陽、天地のに在りて午するなり」と陰陽の相交わる形とし、古文×をあげて、上下の線を略した形とする。卜文に×を用いることが多く、もと算木をその形において数を示したものであろう。卜文では一より四までは横画を重ね、五に至って交画とする。×の形を以ていえば一・二と同じく指示となるが、古くから五の形もあるので、器蓋の象とし、数に用いるのを仮借とする。文字の要素としては×は吾・(交)・學(学)などの中にも含まれるが、これらの字は、数としての五の義をとるものではない。
[訓義]
1. いつつ、数の五。
2. 五たびする、五倍とする。
3. 伍と通じ、なかま、一組。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕五 イツツ・トモ/五 イツツヲバ 〔字鏡集〕五 イツツ・トモガラ・トモ・ナガシ・ヨシ
[声系]
〔説文〕に五声として吾、また吾声の字十五字を収める。伍を〔説文〕八上に会意とするが、〔段注〕に亦声とする。斜めに交錯する木を以て(まも)るという本来の形義は、吾・のうちに残されている。
[語系]
五・伍ngaは同声。〔管子、小匡〕に「五人を伍と爲す」とあって、人の集体名に用いる。午・忤・ngaも同声。午は杵(きね)の形に組んだ木で、これも防禦に用い、禦()の初形は午の形に従い、午を拝する形の字である。
[熟語]
五▶・五運▶・五雲▶・五音▶・五嶽▶・五岳▶・五官▶・五紀▶・五季▶・五旗▶・五虐▶・五教▶・五行▶・五玉▶・五禽▶・五刑▶・五経▶・五弦▶・五言▶・五胡▶・五湖▶・五▶・五五▶・五侯▶・五更▶・五穀▶・五采▶・五彩▶・五歳▶・五載▶・五綵▶・五▶・五罪▶・五山▶・五祀▶・五始▶・五指▶・五畤▶・五事▶・五車▶・五臭▶・五章▶・五情▶・五常▶・五色▶・五瑞▶・五声▶・五成▶・五性▶・五斉▶・五俎▶・五宗▶・五蔵▶・五族▶・五地▶・五雉▶・五虫▶・五徴▶・五鎮▶・五帝▶・五斗▶・五土▶・五等▶・五徳▶・五▶・五覇▶・五伯▶・五美▶・五▶・五風▶・五服▶・五辟▶・五畝▶・五卜▶・五味▶・五民▶・五門▶・五夜▶・五欲▶・五陵▶・五倫▶・五礼▶・五輅▶・五和▶
[下接語]
格五・九五・三五・参五・尺五・什五・数五・第五・鼎五・陽五
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報