普及版 字通 「対(漢字)」の読み・字形・画数・意味
対
常用漢字 7画
(旧字)對
14画
[字訓] うつ・むかう・こたえる
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
旧字は對に作り、(さく)+土+寸。は掘鑿などに用いる器。これで土を撲(う)ち堅めることを對という。版築の作業は、両版の間に土を入れ、これを撲ち堅めて造成するもので、撲もその器を手にもつ形。州の殷の都城の城壁の一部が遺存するが、その版築は一層ごとに土を撲ち堅めたもので、その撲った杵(きね)状の痕迹が残されている。〔説文〕三上に正字を口に従う形とし、「(こた)ふること方無きなり。~の以爲(おも)へらく、責對して面(ま)のあたり言ふは、多くは對に非ず。故に其の口を去りて、以て士に從ふなり」(段注本)とするが、卜文・金文の字はみな土に従う。金文に多く「對揚(こたえる)」の意に用いるのは、版築のとき、両者相対して土を撲つことからの転義であろう。その恩・休賜に奉答する意の語である。
[訓義]
1. うつ、あげる、土をうつ。
2. むかう、あたる、あう、あいて、つい。
3. こたえる、あわせる、たぐえる、むかえる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕對 トグ・コタフ・ムカフ・タグヒ・カサヌ・カタキ・アタル・オモフ・アフ/一對 ヒトクサリ・ヒトカサネ 〔立〕對 アタル・サハリ・マウス・カサヌ・モノフク・コタフ・サカリ・ホガラカ・ムカフ・キラフ・アフ・アダ・カタキ
[声系]
〔説文〕に對声としてなど三字を収める。は怨む。と声義が通じる。敦にも撲つ意がある。
[熟語]
対飲▶・対雨▶・対▶・対越▶・対応▶・対勘▶・対捍▶・対岸▶・対眼▶・対顔▶・対碁▶・対局▶・対偶▶・対▶・対景▶・対月▶・対向▶・対講▶・対坐▶・対策▶・対峙▶・対膝▶・対質▶・対酌▶・対酒▶・対称▶・対象▶・対照▶・対牀▶・対審▶・対待▶・対談▶・対敵▶・対当▶・対等▶・対答▶・対頭▶・対匹▶・対面▶・対揚▶・対立▶・対論▶・対話▶・対句▶・対聯▶
[下接語]
一対・応対・佳対・対・偶対・作対・辞対・酬対・召対・条対・正対・静対・接対・絶対・専対・善対・奏対・相対・属対・待対・置対・敵対・反対・名対・面対・問対
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報