(読み)ヒャク

デジタル大辞泉 「百」の意味・読み・例文・類語

ひゃく【百】

10の10倍。10の2乗。また、数の多いこと。もろもろのこと。「説教
年齢の100歳。「に手の届こうという老人
銭の100文。
[補説]証書などに金額を記すときに「陌」「佰」を用いることがある。
書名別項。→
[類語]じゅうゼロ一つ二つ三つ四つ五つ六つ七つ八つ九つとお

ひゃく【百】[漢字項目]

[音]ヒャク(呉) ハク(漢) [訓]もも
学習漢字]1年
数の名。10の10倍。「百人/数百」
数が多い。たくさんの。「百科百貨百官百事百獣百戦百代百般凡百
[名のり]お・と・も
難読百済くだら百日紅さるすべり百足むかで百舌もず八百万やおよろず百合ゆり

モモ(MOMO)

日本の民間企業インターステラテクノロジズ社が開発した観測ロケット。全長8.5メートル、重量900キログラム。液体ロケットであり、エタノール液体酸素を用いる。令和元年(2019)5月4日にMOMO3号機の打ち上げ実験を実施。日本の民間企業が単独で製造・開発したロケットとして初めて宇宙空間(高度100キロメートル以上)に到達した。
[補説]名称は目標高度100キロメートルを漢数字にした「百」の訓読みに由来する。

もも【百】

ひゃく。また、他の語に付いて複合語をつくり、数の多いことを表す。「」「たび」「手」
「耳には寺の鐘―ばかりも」〈鴎外訳・即興詩人

ひゃく【百】[書名]

色川武大短編小説。老いて痴呆の症状が出てきた父との関係を描いた私小説。昭和57年(1982)発表。同年、第9回川端康成文学賞受賞。

ほ【百】

[語素]「や(八)」「い(五)」など、数を表す語の下に付いて何百の意を表す。現代では「やお(八百)」「いお(五百)」などのように、「お」と発音する。

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精選版 日本国語大辞典 「百」の意味・読み・例文・類語

ひゃく【百】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 数の名。十の十倍。千の十分の一。もも。
    1. [初出の実例]「凡雑戸、陵戸犯流者、近流決杖一百、一等加三十、留住倶役三年」(出典:律(718)名例)
  3. 多くのもの。種々のもの。もろもろのもの。もも。
  4. (ぜに)百文。
    1. [初出の実例]「されば人出生してより毎日銭壱文づつ溜て、百より一割の利を掛て、六十歳の時は六拾貫目になりぬ」(出典:浮世草子・西鶴織留(1694)二)
  5. 年齢の百歳。また、老齢。高年。
    1. [初出の実例]「すずめ百までおどりわすれぬ」(出典:俳諧・毛吹草(1638)二)
  6. ひゃくぞう(百蔵)
    1. [初出の実例]「百の媚手爾葉違ひの百の面(つら)」(出典:俳諧・広原海(1703)四)
  7. ひゃくしょう(百姓)」の略。
    1. [初出の実例]「不細工者でお前は百かいな」(出典:歌謡・粋の懐(1862)五・大津絵節)
  8. ひゃくさじき(百桟敷)」の略。
    1. [初出の実例]「女郎より芝屋の百は品がよし」(出典:雑俳・柳筥(1783‐86)二)

もも【百】

  1. 〘 名詞 〙 数の一〇〇。また、数の多いことを表わす。名詞・助数詞の前に直接つけたり、助詞「の」を介して名詞を修飾したりする。「百重(ももえ)」「百度(ももたび)」や「百の媚(こび)」「百の官(つかさ)」など。
    1. [初出の実例]「天徳二年右大臣ももの賀の屏風歌」(出典:尊経閣本元輔集(990頃))

ほ【百】

  1. 〘 造語要素 〙 百。「もも」が単独で用いられるのに対して、「ほ」は、何百という時に使うもので、普通、「いお(五百)」「やお(八百)」などのように「お」と発音される。〔観智院本名義抄(1241)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「百」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 6画

[字音] ヒャク
[字訓] もも・もろもろ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 指事
声符である白(はく)の上に、一横線を加えて、数の百を示す。卜文では白の上に二を加えて二百、三を加えて三百とする。〔説文〕四上に「十の十なり。一白に從ふ。數、十十を一百と爲す。百は白なり。十百を一貫と爲す。貫はなり」(段注本)というが、文義をえがたいところがある。卜文の字形には、白の中央に鼻竅(びきよう)を示すらしい△を加えている。白が頭頂を示すのと、いくらか異なる。〔説文〕が古文の形をあげ、「古百は自に從ふ」とするのは、その古い字形を誤り伝えたものであろう。百は単位の成数であるから、全体や多数を意味することが多い。

[訓義]
1. ひゃく、もも。
2. もろもろ、あらゆる、すべて。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕百 モモ・モモチ・ハゲム・ミミ 〔字鏡集〕百 モモチ・モモ・ハゲム

[声系]
〔説文〕に百声として佰・を収める。はまた泊・拍に作る。〔説文〕はまた(ひよく)を部首とするが、は百とは声義の関係がなく、(せき)・(きよく)はその象に従い、婦人の乳房をモチーフとする文身の文様を示す。

[語系]
百・佰(伯)peakは同声。百は数、佰は百人の集合体をいう。〔急就、注〕に「百人を伯と爲す」とみえる。〔老子、八十〕に「什佰の」のようにいうことがある。

[熟語]
百異・百鎰・百役・百越・百家・百貨・百会・百骸・百感・百揆・百・百伎・百戯・百鬼・百脚・百挙・百金・百釣・百禽・百計・百頃・百結・百五・百工・百行・百刻・百穀・百歳・百載・百索・百子・百氏・百死・百事・百爾・百室・百疾・百舎・百出・百順・百祥・百乗・百畳・百色・百職・百神・百仞・百尋・百瑞・百数・百世・百姓・百尺・百石・百折・百拙・百節・百戦・百銭・百千・百・百全・百百足・百族・百態・百代・百端・百誕・百雉・百中・百重・百囀・百・百度・百読・百忍・百年・百念・百悩・百衲・百蛮・百媚・百福・百聞・百弊・百辟・百朋・百濮・百凡・百味・百薬・百憂・百葉・百羅・百籟・百吏・百罹・百慮・百両・百僚・百寮・百・百霊・百黎・百隷・百齢・百錬・百禄・百六・百廃・百拝・百般・百夫・百変・百・百・百方
[下接語]
千百・当百・凡百・旅百

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