デジタル大辞泉 「然り」の意味・読み・例文・類語 しか・り【▽然り/×爾り】 [動ラ変]《副詞「しか」にラ変動詞「あり」の付いた「しかあり」の音変化》そのようである。そのとおりである。そうである。「―・り、君の言うとおり」「俗語などは、はかなきもののようなれども、なかなかに―・らず」〈逍遥・小説神髄〉[類語]もってこい・便宜・好都合・便利・利便・タイムリー・有り難い・うれしい・御おんの字・重宝ちょうほう・有用・有益・簡便・軽便・至便・程よい・絶好・願ったり叶ったり・願ってもない・渡りに船・格好・頃合ころあい・誂あつらえ向き・打って付け・ぴったり・好個・好適・適する・適う・適える・合う・沿う・そぐう・向く・似合う・似つかわしい・ふさわしい・しっくり・当てはまる・適合する・適当する・合致する・即応する・同調する・フィットする・相応・即する・肌が合う・適格・適材・与くみし易い・然しかるべき・マッチ・究竟くっきょう・合い口・合目的・文句無し・リーズナブル・好条件・見合う・匹敵・言い得て妙・恰あたかもよし・三拍子揃そろう・似合わしい・ジャストミート・思いがけない・当を得る・馬が合う・息が合う・順当・どんぴしゃり・所を得る・最適・壺つぼにはまる・水を得た魚うおのよう・結構尽くめ さ・り【▽然り】 [動ラ変]《副詞「さ」に動詞「あり」の付いた「さあり」の音変化》そうである。そのとおりである。そのようである。「おい、―・り、―・りとうなづきて」〈源・玉鬘〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「然り」の意味・読み・例文・類語 しか・り【然有・然・爾】 〘 自動詞 ラ行変 〙 ( 副詞「しか」にラ変動詞「あり」の付いた「しかあり」の変化した語 )① そうである。そのようである。その通りである。[初出の実例]「日月は 明しといへど 吾(あ)がためは 照りや給はぬ 人皆か 吾(あ)のみや之可流(シカル)」(出典:万葉集(8C後)五・八九二)② 漢文訓読で、文末の「爾」を「ことしかり」と読むのを流用した言い方。以上のごとくである。文末の「…(の)事」を受けて用いる。[初出の実例]「云ふこと爾(シカリ)」(出典:南海寄帰内法伝平安後期点(1050頃)一)「命にまかせ、時しも秋の蛍にかたらひて、月をしるべにしるす事しかり」(出典:歌謡・閑吟集(1518)序)然りの語誌「しか」と同様、上代から用いられ、中古以降は漢文訓読系の文章を中心に用いられた。その用法は「しからば」「しかり」「しかるに」「しかるを」「しかれども」など多様であるが、多くは「然」「爾」「而」などの字を訓じて接続詞のように用いられた。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by