(読み)ひゃく

精選版 日本国語大辞典 「百」の意味・読み・例文・類語

ひゃく【百】

〘名〙
① 数の名。十の十倍。千の十分の一。もも
※律(718)名例「凡雑戸、陵戸犯流者、近流決杖一百、一等加三十、留住倶役三年」
② 多くのもの。種々のもの。もろもろのもの。もも。
③ 銭(ぜに)百文。
※浮世草子・西鶴織留(1694)二「されば人出生してより毎日銭壱文づつ溜て、百より一割の利を掛て、六十歳の時は六拾貫目になりぬ」
④ 年齢の百歳。また、老齢。高年。
※俳諧・毛吹草(1638)二「すずめ百までおどりわすれぬ」
※俳諧・広原海(1703)四「百の媚手爾葉違ひの百の面(つら)
歌謡・粋の懐(1862)五・大津絵節「不細工者でお前は百かいな」
※雑俳・柳筥(1783‐86)二「女郎より芝屋の百は品がよし」

もも【百】

〘名〙 数の一〇〇。また、数の多いことを表わす。名詞助数詞の前に直接つけたり、助詞「の」を介して名詞を修飾したりする。「百重(ももえ)」「百度(ももたび)」や「百の媚(こび)」「百の官(つかさ)」など。
※尊経閣本元輔集(990頃)「天徳二年右大臣ももの賀の屏風歌

ほ【百】

〘語素〙 百。「もも」が単独で用いられるのに対して、「ほ」は、何百という時に使うもので、普通、「いお(五百)」「やお(八百)」などのように「お」と発音される。〔観智院本名義抄(1241)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「百」の意味・読み・例文・類語

ひゃく【百】

10の10倍。10の2乗。また、数の多いこと。もろもろのこと。「説教
年齢の100歳。「に手の届こうという老人」
銭の100文。
[補説]証書などに金額を記すときに「陌」「佰」を用いることがある。
書名別項。→
[類語]じゅうゼロ一つ二つ三つ四つ五つ六つ七つ八つ九つとお

ひゃく【百】[漢字項目]

[音]ヒャク(呉) ハク(漢) [訓]もも
学習漢字]1年
数の名。10の10倍。「百人/数百」
数が多い。たくさんの。「百科百貨百官百事百獣百戦百代百般凡百
[名のり]お・と・も
[難読]百済くだら百日紅さるすべり百足むかで百舌もず八百万やおよろず百合ゆり

モモ(MOMO)

日本の民間企業インターステラテクノロジズ社が開発した観測ロケット。全長8.5メートル、重量900キログラム。液体ロケットであり、エタノール液体酸素を用いる。令和元年(2019)5月4日にMOMO3号機の打ち上げ実験実施。日本の民間企業が単独で製造・開発したロケットとして初めて宇宙空間(高度100キロメートル以上)に到達した。
[補説]名称は目標高度100キロメートルを漢数字にした「百」の訓読みに由来する。

もも【百】

ひゃく。また、他の語に付いて複合語をつくり、数の多いことを表す。「」「たび」「手」
「耳には寺の鐘―ばかりも」〈鴎外訳・即興詩人

ひゃく【百】[書名]

色川武大短編小説。老いて痴呆の症状が出てきた父との関係を描いた私小説。昭和57年(1982)発表。同年、第9回川端康成文学賞受賞。

ほ【百】

[語素]「や(八)」「い(五)」など、数を表す語の下に付いて何百の意を表す。現代では「やお(八百)」「いお(五百)」などのように、「お」と発音する。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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