遣瀬無(読み)やるせない

精選版 日本国語大辞典 「遣瀬無」の意味・読み・例文・類語

やるせ‐な・い【遣瀬無】

〘形口〙 やるせな・し 〘形ク〙
心中の思いを晴らす場・方法・対象がない。
(イ) 思いを晴らすことができず、つらくせつない。もの悲しい気持である。やるかたない。
※三体詩素隠抄(1622)一「愁が胸中にみちみちてやるせなきままに」
(ロ) 気苦労が多い。気持のゆとりがない。
浮世草子・好色一代女(1686)四「末々の物入年中のやりとり、鰤も丹後の一番、さし鯖も能登のすぐれ物を調へ、何角(なにか)に付て気にやるせなく」
② 施すべき手段・方法がない。どうしようもない。
※浮世草子・新色五巻書(1698)二「芝居興行の立札、所には珍敷(めづらしく)、見る人やる瀬(セ)なく立塞がり、海道ふさげて人をとをさず」
やるせな‐げ
〘形動〙
やるせな‐さ
〘名〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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