気張る(読み)キバル

デジタル大辞泉 「気張る」の意味・読み・例文・類語

き‐ば・る【気張る】

[動ラ五(四)]
息をつめて力を入れる。いきむ。「―・って荷を持ち上げる」
気力を奮い起こす。いきごむ。「―・って仕事に取り組む」
格好をつけて見えをはる。また、気前よく金銭を出す。「―・って高級品を買う」「祝儀を―・る」
[類語]意気込む勢い込む張り切る気負う力む肩肘張る腕が鳴る腕にりをかけるハッスル

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「気張る」の意味・読み・例文・類語

き‐ば・る【気張】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. 呼吸をとめて体に力を入れる。息をつめてりきむ。いきむ。
    1. [初出の実例]「一方をば孟説があぐる、一方をば武王の挙るとて、きはりたほどに、臏を絶たぞ」(出典:史記抄(1477)四)
    2. 「ウンと気張ってお雪を背負ひ」(出典:当世少年気質(1892)〈巖谷小波〉四)
  3. 気力を奮い起こす。元気を出す。奮発する。努力する。
    1. [初出の実例]「世上一同に帰せば、力なく其の方へ諸道の事はなるべき也。一人きばりて詮なし」(出典:十問最秘抄(1383))
  4. 着飾ったり恰好をつけたりしてみえを張る。体裁ぶる。
    1. [初出の実例]「銭が無か、気張(キバ)ってゐる古褞袍(わんぽう)も、其風呂敷包も、きりきりこっちへおこせ」(出典歌舞伎幼稚子敵討(1753)四)
  5. 気前よく金を出す。思いきって、金銭を多く出す。はずむ。おごる。奮発する。
    1. [初出の実例]「大水もはや引口のふもと川 きばるがうへもきばる船ちん」(出典:俳諧・望一千句(1649)六)
    2. 「炊婦(おさん)どんが一円の二円のと下駄気張るさうだからネ」(出典:社会百面相(1902)〈内田魯庵投機)
  6. 江戸時代上方で、米商人や米相場師などが、商売をする。米の売買をしたり、相場を張ったりする。
    1. [初出の実例]「売でも買でも、商内して居るを気張てゐると言」(出典:稲の穂(1842‐幕末頃))

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