精選版 日本国語大辞典「生生」の解説
しょう‐じょう シャウジャウ【生生】
〘名〙 (「しょう」は「生」の呉音)
① 生まれては死に、死んでは生まれることを永遠に繰り返すこと。転じて、副詞的に用いて、いつまでもの意。
※菅家文草(900頃)一・長斎畢、聊言懐寄諸才子、
答頻来「我今苦行最甘心、為レ悔二生々殺盗婬一」

※浮世草子・傾城禁短気(1711)四「その鎌倉の春路さんのござる所迄、送り届けて給はらば、生々(シャウジャウ)の御恩ならめ」
※黒潮(1902‐05)〈徳富蘆花〉一「御恩の程は生々(シャウジャウ)忘れ不申候(まうさずそろ)」
② (━する) 生ずること。生まれ育つこと。せいせい。
※波形本狂言・宗論(室町末‐近世初)「かの芋よりずいきと云ふ物が五十本斗生々(シャウジャウ)する」
③ 生きている人々。衆生。
※菅家文草(900頃)四・懺悔会作「辺地生々常下賤、未来世々亦単貧」
なま‐なま【生生】
[1] 〘形動〙
① 心からでないさま。勧められてしぶしぶするさま。
② 未熟なさま。いいかげんなさま。中途はんぱなさま。
※源氏(1001‐14頃)帚木「なまなまの上達部より非参議の四位どもの世のおぼえ口惜しからず」
[2] 〘副〙 (「と」を伴って用いることもある) いかにもなまなましいさまを表わす語。新鮮である。
※応永本論語抄(1420)八佾第三「腥(なまくさ)いとは殺してなまなまとして、未煮を云也」
※火の柱(1904)〈木下尚江〉二四「二十代や三十代の、未だ血の気の生々(ナマナマ)した頃は」
なまなま‐し・い【生生】
〘形口〙 なまなま
し 〘形シク〙

① なま身である。生きている。
※大和(947‐957頃)六〇「君をおもひなまなまし身を焼くときはけぶりおほかるものにぞありける」
② 死んだばかりである。
※読本・椿説弓張月(1807‐11)後「なまなましき髑髏あり」
③ 生き生きとしている。生き生きと息づいている。目前に見ているような感じである。
※大つごもり(1894)〈樋口一葉〉「雪はづかしき膚に紫の生々(ナマナマ)しくなりぬ」
④ 今できたばかりである。真新しい。
※落語・昔の詐偽(1897)〈三代目春風亭柳枝〉「生々(ナマナマ)しき創(きず)が附きまして」
なまなまし‐さ
〘名〙
せい‐せい【生生】
〘名〙
① (━する) 生い育つこと。生まれ育つこと。しょうじょう。
※山鹿語類(1665)四一「天地の命は唯だ生々息むことなく、善悪を以て論ずべからず」
※暦象新書(1798‐1802)中「男女合精して万物生々す」 〔易経‐繋辞〕
② (形動タリ) いきいきしていること。変化に富み活気があること。また、そのさま。〔ロドリゲス日本大文典(1604‐08)〕
※良人の自白(1904‐06)〈木下尚江〉続「生々(セイセイ)たる青葉に夏の日の輝く光を眺めて居たが」
いきいき‐し・い【生生】
〘形口〙 生き生きとしている。活気、生気にみちているさま。
いきいきし‐さ
〘名〙
うまれ‐うまれ【生生】
〘副〙 生まれるとすぐに。生まれたばかり。
※浮世草子・世間胸算用(1692)四「おもへば此銀はうつくしき娘をうまれうまれ出家にしたやうなものじゃは」
うぶうぶ‐し・い【生生】
〘形口〙 ういういしい。
※小鳥の巣(1910)〈鈴木三重吉〉下「その時の生生(ウブウブ)しいおしづさんの顔は、今でもありありと〈略〉目に写る」
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