むくむく(読み)ムクムク

デジタル大辞泉 「むくむく」の意味・読み・例文・類語

むく‐むく

[副](スル)
雲・煙・泡などが重なり合ってわき出るさま。「黒雲むくむく(と)出てくる」
感情や考えが急に起こるさま。「好奇心むくむく(と)頭をもたげる」
横たわっているものがうごめくさま。また、起き上がるさま。「寝ていた子供むくむく(と)起きた」
柔らかくふくらんでいるさま。「むくむくした赤ん坊
[類語](2もりもり隆隆盛ん鬱然澎湃ほうはい勃勃油然ゆうぜん湧然沸沸みなぎるみなぎらすあふれる燃え上がる沸き上がる沸き立つ込み上げるたぎる高ぶる発揚燃える燃え立つ鼻息が荒い血気にはや奮い起こす奮い立つ気を吐くエネルギッシュ活発快活精力的あぶらが乗る水を得た魚のよう情熱的意欲的/(3むっくとがばとがばっとむっくりむくりすっくしゃんとしゃっきりついとすいとつとすっとさっとぱっとふとふっと不意にわかはた/(4ふわふわふわっとふわりふんわりふっくらふくふくぷくぷくぷよぷよぷにぷにふにゃふにゃなえなえへろへろへたへたよれよれしなしななよなよなよやかぐにゃぐにゃへなへなぶよぶよくにゃくにゃぐにゃっとくにゃっとくなくなぐなぐなぐにゃりぐんにゃりぐんなりしなやかしんなりぷるんぷるぷるぷりぷりしこしこ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「むくむく」の意味・読み・例文・類語

むく‐むく

  1. 〘 副詞 〙 ( 多く「と」を伴って用いる )
  2. 毛などが多く重なり合って生えているさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「毛むくむくとある物、さしころされてあり。みれば狸なりけり」(出典:古今著聞集(1254)一七)
  3. 厚く柔らかくふくらんでいるさま、また、態度・物腰などが柔らかであるさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「夏はこはり帷、冬はむくむくの小袖」(出典:仮名草子・童蒙先習(1612)一)
    2. 「やはらかに、むくむくとしたるばかりにて、いっきりとしたる所なし」(出典:評判記・満散利久佐(1656)薩摩)
  4. 抹茶が十分に泡立つさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「あわあわむくむくほうほうと、ねこのはらだったごとく、なかだかにたてなひておまらせうほどに」(出典:虎明本狂言・鱸庖丁(室町末‐近世初))
  5. うごめいたり、うごめいて起き上がったりするさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「おこしたまへども、〈略〉目も覚ず、むくむくとしてゐられたれば」(出典:寒川入道筆記(1613頃)落書附誹諧之事)
  6. 煙や雲、波などが勢いよくわき立つさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「こっそりと散て仕廻し花の跡〈曲翠〉 むくむくあくる芝のかげろふ〈昌房〉」(出典:俳諧・枯尾花(1694)下)
  7. 感情や考えが急激にうかびあがるさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「引続いてムクムクと浮み上ッた『免職』の二字で狭い胸がまづ塞がる」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一)
  8. 口を小刻みに動かすさまを表わす語。むぐむぐ。
    1. [初出の実例]「物云時にむくむくとどもるやうにして」(出典:応永本論語抄(1420)里仁第四)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android