デジタル大辞泉
「伝」の意味・読み・例文・類語
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でん【伝】
- 〘 名詞 〙
- ① つたえること。また、そのことば。伝言。
- [初出の実例]「あはでうかりし文枕して〈卜尺〉 むば玉の夢は在所の伝となり〈雪柴〉」(出典:俳諧・談林十百韻(1675)上)
- ② 令制で、諸国の各衛に設置された官人の旅行用の交通設備。伝馬五疋を置き、三〇戸ほどの伝戸や伝子があった。公用のため、伝符を携行して旅行する官人、すなわち新任国司の任地赴任、諸種の部領使(ことりづかい)や相撲人などに利用された。
- [初出の実例]「駿河郡帯二三駅二伝一、横走・永倉・柏原駅家是也」(出典:日本三代実録‐貞観六年(864)一二月一〇日)
- ③ 古典などを、くわしく解釈すること。または、そのような文書や書籍。また、賢人の著書。「古事記伝」「春秋左氏伝」など。
- ④ 昔からいい伝えられていること。世間に広くいい伝えられていること。いい伝え。また、それを書きとどめたもの。伝記。伝書。記録。
- [初出の実例]「西国の伝に云く」(出典:今昔物語集(1120頃か)六)
- [その他の文献]〔孟子‐梁恵王・下〕
- ⑤ 個人の履歴を書きしるした書物。ある人の一生の事跡を書きとどめたもの。伝記。
- [初出の実例]「このことこまかには日蔵聖人之伝に侍り」(出典:宝物集(1179頃))
- ⑥ 基準となるやり方に従った方法。しかた。俗ないい方で、形式名詞としても用いられる。
- [初出の実例]「日外(いつぞや)久松が衒(かた)られたもてうど此伝(でン)」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油屋)
つたえつたへ【伝】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「つたえる(伝)」の連用形の名詞化 ) 伝えること。また、その伝える内容や伝える人。
- ① ことづて。伝言。たより。音信。
- [初出の実例]「ぬば玉の夜霧に隠り遠くとも妹が伝(つたへ)は早く告げこそ」(出典:万葉集(8C後)一〇・二〇〇八)
- 「おぼしめしよりておもひもよらぬ御つたへ、此(この)方も若ひものの事なれば、いやでもあらず候へども」(出典:浮世草子・好色五人女(1686)三)
- ② 言い伝え。伝説。伝承。また、伝記。
- [初出の実例]「夜かたらずとか女房のつたへにいふなり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)横笛)
- ③ 学問技芸を授けること。また、その学問技芸。教え。伝授。
- [初出の実例]「今よりしか教へ奉りたらんこそ、いと二なきつたへならめ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)楼上下)
- ④ 伝える人。取りつぎ。
- [初出の実例]「内のおほい殿の中将の、このさぶらふみる子をぞ、もとより見知り給へりける、つたへにて侍りける」(出典:源氏物語(1001‐14頃)胡蝶)
つて【伝】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「つつ(伝)」の連用形の名詞化 )
- ① 人の話。ひとづて。うわさ。
- [初出の実例]「つてにきく、此山に金ありと」(出典:観智院本三宝絵(984)下)
- ② 仲立ち。とりなし。媒介。てびき。
- [初出の実例]「いまもさるべき風のつてにもほのめき聞こえ給ふことたえざるべし」(出典:源氏物語(1001‐14頃)乙女)
- ③ ついで。もののついで。折り。
- [初出の実例]「つてにてもとひけるものをはてもなくよりなき身とも思ひけるかな」(出典:忠見集(960頃))
- ④ 縁故。てづる。
- [初出の実例]「よきひいき、つてのあるものが、よきさぶらいともてなされて」(出典:翁問答(1650)上)
- ⑤ 手段。
- [初出の実例]「よき門路(ツテ)もがなと思ひ候に」(出典:読本・昔話稲妻表紙(1806)五)
づたいづたひ【伝】
- 〘 造語要素 〙 ( 動詞「つたう(伝)」の連用形から ) 地形・建造物などを示す名詞について、それを伝わって行くことを表わす。「峰づたい」「線路づたい」など。
- [初出の実例]「再び渓流づたひにその山径を下りてきた」(出典:美しい村(1933‐34)〈堀辰雄〉夏)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「伝」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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伝 (でん)
zhuàn
(1)中国で,後世に伝えるべきりっぱな書物をいう。経(永遠の真理を論じた書)が聖人の著作であるのに対して,伝は賢人の著述である。《博物志》に〈聖人の制作を経と曰い,賢人の著述を伝と曰う〉と見える。(2)経書の意義を解釈し敷衍した書物をいう。たとえば《春秋》の三伝,すなわち《公羊(くよう)伝》《穀梁伝》《左氏伝》がこれに当たる。《漢書》顔師古注に〈伝とは経義を解説した書を謂う〉と見える。(3)文体の名。人の事跡を記載して後世に伝えるもの。
→経書
執筆者:日原 利国
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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でん【伝】
鹿児島の芋焼酎。黄麹を用いて甕で仕込み、木桶蒸留のあと甕で貯蔵する。原料はさつま芋、米麹。アルコール度数25%。蔵元の「濱田酒造」は明治元年(1868)創業。所在地はいちき串木野市湊町。
出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報
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伝
鹿児島県、濱田酒造が製造する焼酎の商品名。甕仕込み、木桶蒸留、甕貯蔵の本格芋焼酎。
出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報
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世界大百科事典(旧版)内の伝の言及
【過所】より
…旅行者の身分,姓名,年齢,携帯品,行先と目的,交付年月日,責任者などを記載。居延漢簡にも過所の字句がみえるが,当時は旅行証を伝と総称し棨(けい)や符などの種類があった。宋以後の旅行の一般化とともに過所の名は消滅した。…
【旅券】より
…旅行者を取り締まるため陸上交通では関,水上交通では津を置いた。漢代では旅行者の身分を証明する文書は一般に伝と呼ばれたが,そのうち木簡に書いたものを棨(けい)といい,本人の居住する郷の嗇夫(しよくふ)という官が前科のない旨を証明し,県の長吏が副署し,津関においてとどめないように依頼する形式であった。公用旅行者には上司より発給し,近距離の関の出入りには符を用いた。…
【八大山人】より
…明の諸生となったが,1645年(順治2),20歳のときに明朝が滅んで寧藩に清軍が侵攻すると,南昌東南の進賢県介岡の灯社に隠れて僧となり,のち師の宏敏を継いで奉新県新興郷の耕香庵の法嗣となる。法名は伝
(でんけい)。その後,55歳のとき,臨川県令胡亦堂(こえきどう)に召喚され抑留中に発狂し,南昌に戻り還俗。…
※「伝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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