円通寺(岡山県)(読み)えんつうじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「円通寺(岡山県)」の意味・わかりやすい解説

円通寺(岡山県)
えんつうじ

岡山県倉敷市玉島にある曹洞(そうとう)宗の寺。補陀落山(ふだらくさん)と号し、「良寛(りょうかん)さまの寺」として知られる。行基(ぎょうき)の開基で、円通庵(あん)と称していたと伝えられるが、元禄(げんろく)年間(1688~1704)代官大岡喜左衛門(きざえもん)が再興し、加賀(石川県)大乗寺の徳翁良高(とくおうりょうこう)を招いて中興開山とした。良寛はこの寺で10世大忍国仙(だいにんこくせん)に就いて10余年修行し、大悟(だいご)徹底した。境内には本堂(県史跡)、開山堂、良寛堂、白雲閣などがあり、良寛詩碑が建てられている。

菅沼 晃]

『森脇正之著『倉敷叢書4 聖良寛と玉島』(1977・倉敷市文化連盟)』


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