(読み)オンナ

デジタル大辞泉 「女」の意味・読み・例文・類語

おんな〔をんな〕【女】

《「をみな」の音変化》

㋐人間の性別で、子を産む機能のあるほう。女性女子。⇔
㋑人以外の動植物で雌性のもの。めす。「馬」
成熟した女性。子供を産むことができるまでに成長した女性。一人前の女性。
やさしいとか弱いとか、一般に1が備えていると考えられる性質をもっている人。「強いようでも、やっぱりだ」
女性としての名誉。容貌ようぼう器量。女ぶり。「いい」「をあげる」
愛人。情婦。妾。「ができる」
女中。下女げじょ。「宿の
売春婦商売女
(接頭語的に名詞の上に付いて)一対のもののうち、小さいほうのもの、容易なほうのものなどを表す。「扇」「坂」
妻。女房。
「西の京にて―を持ちけり」〈仮・仁勢物語・上〉
[類語](1㋐)、(2)(3女性女子婦女婦女子おなごおみなたおやめあま女史(特に(2)の意で)婦人女人じょじん・にょにんウーマン/(5情婦側室側女そばめ愛妾囲い者思い者内妻色女お手つき手つき一夜妻手掛け二号愛人恋人情人いろ彼氏彼女いい人思い人思い者情夫間夫間男色男男妾若い燕ボーイフレンドガールフレンドラバーフィアンセダーリンハニーパートナーアモーレ

じょ【女】[漢字項目]

[音]ジョ(ヂョ)(漢) ニョ(呉) ニョウ(慣) [訓]おんな め
学習漢字]1年
〈ジョ〉
おんな。「女医女王女子女性女流悪女才女侍女淑女男女老女
むすめ。「女婿皇女おうじょ皇女こうじょ次女息女養女
〈ニョ〉おんな。「女性にょしょう信女天女善男善女老若男女ろうにゃくなんにょ
ニョウ〉おんな。「女房
〈おんな〉「女手雪女
〈め〉「女神乙女おとめ
[名のり]こ・たか・よし
[難読]貴女あなた海女あま郎女いらつめ采女うねめ女将おかみ女郎花おみなえし女形おやま瞽女ごぜ女衒ぜげん手弱女たおやめ巫女みこ皇女みこ湯女ゆな

おみな〔をみな〕【女】

女。女性。
「妻とすべき好き―をもとめて」〈霊異記・上〉
[類語]女性女子婦女婦女子おなごたおやめあま女史婦人女人じょじん・にょにんウーマン

め【女/妻】

《「」に対する語》
女性。おんな。
はもよ―にしあれば」〈・上・歌謡〉
配偶者、または愛人としての女性。妻。
「年頃あひ馴れたる―」〈伊勢・一六〉
(「雌」「牝」とも書く)他の語の上または下に付いて複合語をつくる。
㋐女性、または動植物のめすを表す。「―神」「―鹿」「―しべ」「手弱たおや―」
㋑一対の物のうち、小さいほう、または女性的と思われるほうの物を表す。「―滝」「―瓦」

じょ〔ヂヨ〕【女】

[名]
おんな。女性。婦人。また、むすめ。
二十八宿の一。北方の第三宿。うるきぼし。女宿。今の水瓶みずがめ座中の西部をさす。
[接尾]女性の名や号に付けて用いる。「千代」「秋色しゅうしき

にょ【女/如】[漢字項目]

〈女〉⇒じょ
〈如〉⇒じょ

おうな〔をうな〕【女】

《「おみな(女)」の音変化》おんな。特に、若い女性。
「強からぬは―の歌なればなるべし」〈古今仮名序

にょう【女】[漢字項目]

じょ

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精選版 日本国語大辞典 「女」の意味・読み・例文・類語

おんなをんな【女】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「をみな(女)」の変化した語 ) 人間のうち、男ではない方。本来卵子をつくる器官をそなえている方。
  2. 年齢に関係なく、女性。婦人。女子(じょし)。おなご。め。⇔おとこ
    1. [初出の実例]「この世の人は、男は女にあふ事をす。女は男にあふことをす」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
  3. 特に、精神的にも肉体的にも、一人前となった女性。やさしい、しとやか、繊細など、女性の特質とされる意味を含んで使われる場合もある。
    1. [初出の実例]「年ごろも人知れず尋ね侍りつれば、え聞き出ででなむ女になるまで過ぎにけるを」(出典:青表紙一本源氏(1001‐14頃)玉鬘)
  4. 夫に対する配偶者。妻。女房。
    1. [初出の実例]「おんなのかけでいままで某は、らくらくとすぎて御ざるに、あれがいずはそれがしは何共なるまひ」(出典:虎明本狂言・石神(室町末‐近世初))
  5. 情婦。愛人。妾。
    1. [初出の実例]「其の通だ。情婦(ヲンナ)が有るのが奈何(どう)したと」(出典:金色夜叉(1897‐98)〈尾崎紅葉〉続)
  6. 下女。女中。〔随筆・守貞漫稿(1837‐53)〕
    1. [初出の実例]「給事の婢(ヲンナ)が不慣れなので」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一)
  7. 遊女。女郎。淫売婦。売春婦。
    1. [初出の実例]「女郎の事を女女といふが此連中の通り句也」(出典:洒落本・船頭深話(1802)一)
  8. 女性の容貌、器量。→女を上(あ)げる
    1. [初出の実例]「然様(さう)して女(ヲンナ)も大層美(い)いさうですから」(出典:人情本・花暦封じ文(1866頃)三)
  9. 雌性のもの。「女馬」
  10. 対になったもののうち、小さい、なだらか、などの性質をそなえた方。「女坂」「女山」

女の語誌

( 1 )古代では男女の呼称を、大小を表わすオとヲでいうオキナ━オミナ、ヲグナ━ヲミナと、若返る意の動詞ヲツを構成要素とするヲトコ━ヲトメがあって、前者は年長・年少の男女を意味し、後者は結婚適齢期の男女を意味した。ところが「古事記」では同じ女性をヲトメともヲミナとも呼んでおり、「万葉‐四三一七」では「秋野には今こそ行かめもののふの乎等古(ヲトコ)乎美奈(ヲミナ)の花にほひ見に」とヲトコとヲミナが対になっているから、年少の女性の意と適齢期の女性の意が混同されて、ヲトコ━ヲミナという対が生じたらしい。そしてヲトコが男性一般をいうようになったのに伴ってヲミナも平安時代にヲンナと変化し、女性一般を指すようになった。→おみなおうなおとめおとこ
( 2 )→「おなご(女子)」の語誌


じょヂョ【女】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 おんな。婦人。また、女郎。
    1. [初出の実例]「二人のちょはいろをみて、御盃の長持は、おさかなの所望かや。ざしきに女のありながらいざやうたひて参らせむ」(出典:幸若・夜討曾我(室町末‐近世初))
    2. 「花を売る女(ヂョ)は街隅に(ほうとん)す」(出典:寄想春史(1879‐80)〈織田純一郎訳〉初)
    3. [その他の文献]〔易経‐繋辞上〕
  2. [ 2 ] 二十八宿の北方第三宿。水瓶座に属する四星から成る。女宿。うるきぼし。〔易林本節用集(1597)〕 〔礼記‐月令〕
  3. [ 3 ] 〘 接尾語 〙 女性の名前や号などに添える語。「千代女」「秋色女」など。
    1. [初出の実例]「名月女と名付」(出典:幸若・築島(室町末‐近世初))

おうなをうな【女・嬢】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「おみな(女)」の変化した語 ) 女。女性。婦人。特に、若い女。成人したばかりの女。
    1. [初出の実例]「一(ひとり)の孤(みなしご)の嬢(ヲウナ)有り〈国会図書館本訓釈 嬢 ヲウナ〉」(出典:日本霊異記(810‐824)中)

おみなをみな【女】

  1. 〘 名詞 〙 若い女。
    1. [初出の実例]「呉床座(あぐらゐ)の 神の御手もち 弾(ひ)く琴に 舞する袁美那(ヲミナ) 常世(とこよ)にもがも」(出典:古事記(712)下・歌謡)

おんな‐をんな‥【女】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙 いかにも女らしい。おみなし。⇔男し
    1. [初出の実例]「なよびかに女しと見れば、余り情けにひきこめられて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)帚木)

おなをな【女】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「おんな(女)」の変化した語 ) 若い妻、娘などをさしていう。おなあ。おなご。
    1. [初出の実例]「そこにおはするは、そのをりの女人(ヲナ)にやみてますらん」(出典:大鏡(12C前)一)

おなあをなあ【女】

  1. 〘 名詞 〙おな(女)
    1. [初出の実例]「ヱイおなあ、ようこそおりあったな」(出典:雲形本狂言・貰聟(室町末‐近世初))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「女」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 3画

[字音] ジョ(ヂョ)・ニョ
[字訓] おんな・むすめ・めあわす・なんじ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
女子が(ひざまず)いて坐する形。〔説文〕十二下に「人なり。象形」とあり、手を前に交え、裾をおさえるようにく形。動詞として妻とすること、また代名詞として二人称に用いる。代名詞には、のち汝を用いる。

[訓義]
1. おんな、女性。
2. むすめ、処子。
3. めあわす、妻とする。
4. 代名詞、なんじ。

[古辞書の訓]
和名抄〕女 夫の姉を女と曰ふ。古之宇止女(こじうとめ) 〔名義抄〕女 ヲムナ・ムスメ・ナムヂ・ヲムナゴ・メアハス/少女 ヲトメ/女人 タヲヤメ/潛女 カズキメ/行女兒 ウカレメ・アソビ・ヤホケ/歌女 ミミズ/醜女 シコメ・ココメ/女 タナハタツメ/天探女 アマノサクメ・アマザクメ 〔字鏡集〕女 タマツサ・ナムヂ・アハス・ヲムナコ・ヒメ・ムスメ・ヲムナ・メ・メアハス

[部首]
〔説文〕に姓・姜以下二百七十三字、重文十三字、〔新附〕七字、〔玉〕にはすべて四百十八字を属する。卜文には形声字は少ないが、ただ女部・水部など名詞としての字が多い部には、すでにかなりの形声字がみられ、女部には八十七字、水部には八十二字を数える。

[声系]
〔説文〕に女声として汝を収め、水名とする。女・汝ともに代名詞として用いる。

[語系]
女・汝njiaは同声。二人称に用いる爾njiai、(若)njiak、而njiなどは、みな声が近く、二人称に用いる。乃nは同じく代名詞で、特に所有格に用いることが多い。女の声義は柔・擾njiu、(弱)njikに近く、その系統の語であろう。

[熟語]
女医・女謁・女垣・女家・女楷・女・女・女楽・女冠・女騎・女伎・女客・女宮・女訓・女兄・女戸・女賈・女功・女工・女后・女紅・女子・女史・女士・女市・女廝・女贄・女児・女事・女侍・女・女将・女牆・女色・女心・女壻・女・女弟・女奴・女童・女徳・女人・女魃・女・女婢・女巫・女嬖・女優・女・女流・女閭・女伶・女隷・女郎
[下接語]
悪女・佚女・逸女・怨女・嫁女・歌女・海女・浣女・季女・機女・妓女・宮女・牛女・嬌女・玉女・賢女・工女・好女・才女・妻女・采女・斎女・士女・子女・児女・侍女・衆女・醜女・淑女・処女・少女・商女・織女・信女・神女・針女・静女・石女・仙女・善女・素女・息女・男女・長女・貞女・天女・妬女・童女・乳女・納女・美女・巫女・聘女・嬖女・魔女・遊女・妖女・養女・令女・烈女・老女・郎女

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

デジタル大辞泉プラス 「女」の解説

1948年公開の日本映画。監督・脚本:木下恵介、撮影:楠田浩之。出演:水戸光子、小沢栄太郎ほか。第3回毎日映画コンクール監督賞受賞。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【性】より

…〈性〉ということばにはさまざまな意味がある。まず〈性〉は生物の多くの種にみられる二つの表現形態の区別で,ヒトであれば男性―女性,動植物であれば雄性(雄)―雌性(雌)の区別を意味する。次に,この二つの性が存在するところから生じる行動,現象も一般に〈性〉といわれる。…

※「女」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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