連・嗹・鏈(読み)れん

精選版 日本国語大辞典の解説

れん【連・嗹・鏈】

[1] 〘名〙
① つらなること。つらねること。また、ひとつにつらなったもの。ひとつにつらねたもの。
※歌舞伎・小袖曾我薊色縫(十六夜清心)(1859)五立「連にしたる鰹節を台に載せ」 〔広雅‐釈詁二〕
② なかま。つれ。また、贔負(ひいき)連中。
※洒落本・青楼娭言解(1802)一「これは誹諧のすり物さ〈略〉わっちが連(レン)のすりものさ」
③ 箏(そう)の奏法の一つ。楽箏では並んでいる数絃を親指で手前から向こうの方へ微音ですみやかに撫でるように弾く手法。俗箏では、爪の裏で弾く裏連(「さらりん」と俗称)や中指で手前に弾く引連(ひきれん)もある。洋楽でいうグリッサンドにあたる。〔楽家録(1690)〕
④ 中世、番匠の階層の一つ。大工・長に連なる。
※東大寺続要録(1281‐1300頃)諸院篇「権大工 九人〈略〉長 六人〈略〉連 七人紺布 各一段」
⑤ 数学で、何種類かのものを並べた列において、特定の種類のものが連続している部分のこと。その連続しているものの個数をその連の長さという。たとえば、abc bbb cac における bbb は b の長さ3の連である。
⑥ 連珠で、同色の珠が連続していること。〔モダン新用語辞典(1931)〕
⑦ 植物分類学の階級を示す用語。「科(か)」と「属(ぞく)」との中間に置く。「族(ぞく)」ともいう。
⑧ (ream の当て字。古くは「嗹」とも書く) 洋紙をかぞえる単位。各国の習慣により枚数は種々さまざまである。日本では五〇〇枚を一連としていたが、昭和三三年(一九五八)メートル法採用以後は一〇〇〇枚を一連とするようになった。
※菊池君(1908)〈石川啄木〉四「『毎日』が先月紙店の払ひが出来なかったので、今日から其日々々に一聯宛買ふさうだとか」
⑨ (鏈) 丈夫な綱。また、鎖のこと。
※医語類聚(1872)〈奥山虎章〉「Ecraseur 鋼鉄ニテ製シタル鏈ノ類(瘤癌等ヲ除キ去ルニ用ユ)」
※場外の王者(1972)〈黒岩重吾〉情報の早さ「有峯は、単で五万円ほど買おうと、思った。連となると難しくなる」
[2] 〘接尾〙 (古くは「聯」とも書く)
① ひとまとめにくくったものやひとつながりにつらねたものの数を数えるのに用いる。
(イ) ばらばらの同種のもの、篠竹(しのだけ)・釘(くぎ)などを、縄・紐などでひとまとめにくくったものを数えるのにいう。
※延喜式(927)一「大神社一座、〈略〉弓七張、箟(しの)二連、鹿皮十張」
(ロ) 紐・糸などで貫きつらねて作ったもの、数珠(じゅず)・銭差(ぜにさし)など、また、一枚に張ったり編んだりして作ったもの、紙旗・筵(むしろ)などの数を数えるのにいう。
※参天台五台山記(1072‐73)一「紫檀・琉璃・装束・念珠一連」
(ハ) 果物(くだもの)や干物(ひもの)にした食品などのいくつかを、縄や紐、また串などで貫きつらねたものを一単位として数えるのにいう。多く、一〇個を一つながりにした。
※儀式(872)三「次各祭八神、其料、〈略〉酒一缶、米五斗、鰒堅魚各一連、雑腊一籠、海藻一連」
(ニ) (「鏈」とも書く) くさりの数を数えるのに用いる。
② 鷹の数を数えるのに用いる。手につらね据えるところからいったものか。
※九暦‐九条殿記・年中行事・承平四年(934)正月四日「引出物馬一疋・鷹一聯・犬一牙」 〔酉陽雑俎〕
[3] 〘語素〙 人や人のありさまなどを表わす名詞に付いて、なかま、つれ、連中の意味を表わす。やや軽侮の気持を含んで用いる場合が多い。
※当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉七「大概腕力党や頑固連(がんこレン)や、世間見ずの坊チャン派だが」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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