聊か・些か(読み)いささか

精選版 日本国語大辞典 「聊か・些か」の意味・読み・例文・類語

いささ‐か【聊か・些か】

(「か」は接尾語)
[1] 〘形動〙
① かりそめであるさま。ほんのちょっと。
万葉(8C後)一九・四二〇一「伊佐左可爾(イササカニ)思ひて来しを多祜の浦に咲ける藤見て一夜経ぬべし」
② 程度の少ないさまをいう。少しばかり。わずか。
※竹取(9C末‐10C初)「いささかなる功徳を翁つくりけるによりて」
[2] 〘副〙
① (下に打消のことばを伴って) 少しも。ちっとも。→いささかも
※枕(10C終)二六二「ただ名のる名をいささかつつましげならずいふは、いとかたはなるを」
② 少し。わずか。また、ほんのちょっとでも。
蜻蛉(974頃)中「いささか物おぼゆる心ちなどする程に」
更級日記(1059頃)「心地もいささか悪しければ、これをやこの国に見捨ててまどはむとすらむと思ふ」
③ かなり。なかなか。
※俳諧・奥の細道(1693‐94頃)仙台「聊(いささか)心ある者と聞きて知る人になる」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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