味気無い(読み)アジケナイ

デジタル大辞泉 「味気無い」の意味・読み・例文・類語

あじけ‐な・い〔あぢけ‐〕【味気無い】

[形][文]あぢけな・し[ク]おもしろみや魅力がなくつまらない。あじきない。「―・い話」「―・い人生」
[補説]「味気」は当て字。
[派生]あじけなさ[名]
[類語]散文的・素っ気ない・無機的・無風流・味気あじきない・つまらない・興醒きょうざめ・興醒きょうざまし・不興・しらける・艶つや消し・色消し・しらじらしい・ぞっとしない・鼻白む・無味・無味乾燥・無趣味・没趣味・索然・砂を噛むよう・野暮ったい・野暮・無粋・無骨・無作法・無造作・泥臭い・むくつけし・プリミティブ・かっこ悪い・ださい・不細工・ぎこちない・田舎臭い・不格好・無様・不体裁・醜態・醜悪・醜い・見苦しい・みっともない・はしたない・埃ほこりっぽい・汚い・むさくるしい・汚らしい・小汚い・薄汚い・汚らわしい・ばっちい・むさい・泥まみれ・不潔・不浄・不衛生・不純・尾籠・みすぼらしい・ぼろい・ぼろぼろ・おんぼろ・よれよれ・ぽんこつ・老朽化・汚穢おわい・汚れ物・汚濁・けがれ・よごれ・汚点・汚染・くすむ・薄汚れる・汚れる・煤すすける・垢あかじみる・まみれる・油じみる・汗じみる・老醜・醜・ばばっちい・しどけない・目障り・爺じじむさい・グロテスク・不器量・弊衣破帽・だらしない・醜怪・浅ましい・見辛い・見るに見兼ねる・地味・冴さえない・見るに堪えない・目も当てられない・惨憺さんたん・貧相・貧乏臭い・貧乏たらしい・うらぶれる・貧弱・しがない・忌まわしい・馬鹿正直・しょぼい・しょぼくれる・興醒きょうざめる・俗っぽい・素人臭い・うざい・時代遅れ・流行遅れ・陳腐・殺伐・稚拙・鈍臭い・低俗・俗悪・ちんけ・かったるい・芋・きもい・悪趣味・田舎侍・山猿・卑俗・世間知らず・アナクロ・アナクロニズム

あじき‐な・い〔あぢき‐〕【味気無い】

[形][文]あぢきな・し[ク]《「あずきなし」の音変化。「味気」は当て字》
1 「あじけない」に同じ。「―・い世の中」
2 乱暴である。不当である。
「汝いまし甚だ―・し」〈神代紀・上〉
3 努力するかいがない。無益である。
「愚かなる人の目を喜ばしむる楽しみ、また―・し」〈徒然・三八〉
4 耐え難い。やるせない。
「―・く、一つ心なる人に向ひたる心地して」〈狭衣・一〉
[派生]あじきなげ[形動]あじきなさ[名]

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精選版 日本国語大辞典 「味気無い」の意味・読み・例文・類語

あじき‐な・いあぢき‥【味気無】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]あぢきな・し 〘 形容詞ク活用 〙 ( 「味気」はあて字 ) 今更どうにもならない状態や、それに対するあきらめを含んだ不満な気持をいう。あじけない。
  2. ① 乱暴で手がつけられない。道にはずれていて、どうにもならない。
    1. [初出の実例]「素戔嗚尊、汝(いまし)甚無道(アチキナシ)」(出典:日本書紀(720)神代上(水戸本訓))
    2. 「わが罪のほどおそろしう、あぢきなきことに心をしめて生ける限りこれを思ひなやむべきなめり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若紫)
    3. 「無端 アヂキナシ」(出典:書陵部本名義抄(1081頃))
  3. ② 努力するかいがない。する意味がない。無益、無用だという感じだ。
    1. [初出の実例]「やど近く梅の花植ゑじあぢきなくまつ人の香(か)にあやまたれけり〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)春上・三四)
    2. 「さしもあやふき京中の家をつくるとて、宝を費し、心を悩ます事は、すぐれてあぢきなくぞ侍る」(出典:方丈記(1212))
  4. ③ 自分の気持に反していておもしろくない。ゆとりや味わいに乏しくて風情がない。情けない。あじけない。
    1. [初出の実例]「人知れず我こひ死なばあぢきなくいづれの神になき名おほせん」(出典:伊勢物語(10C前)八九)
    2. 「あぢきなきもの わざと思ひ立ちて宮仕に出で立ちたる人の、物憂がり、うるさげに思ひたる」(出典:枕草子(10C終)七九)
  5. ④ 胸がしめつけられるように耐え難い。やるせない。
    1. [初出の実例]「在五中将の恋の日記を、いとめでたう書きたるなりけりと見るに、あぢきなく」(出典:狭衣物語(1069‐77頃か)一)
  6. ⑤ やるせないほどに魅力的である。何とも言えず美しい。
    1. [初出の実例]「天気もよいころにあたたかに世界も花などの香がにをうてあぢきなうなって花はさきみだれて」(出典:玉塵抄(1563)二六)

味気無いの語誌

「万葉集」に見える「あづきなし」(「小豆無」などと表記)が転じたものか。「日本書紀」の「無道」「無状」にあてた古訓や古辞書などの「無端」「無情」の訓みなどを始め、平安時代以降には「あぢきなし」となり、現代語の「あじけない」は、さらにこの語が転じたもの。

味気無いの派生語

あじきな‐が・る
  1. 〘 他動詞 ラ行四段活用 〙

味気無いの派生語

あじきな‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

味気無いの派生語

あじきな‐さ
  1. 〘 名詞 〙

あじけ‐な・いあぢけ‥【味気無】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙 =あじきない(味気無)③
    1. [初出の実例]「人は知らぬが、彼の其夜の夢は云方も無く味気無(アヂケナ)いものであった」(出典:恋慕ながし(1898)〈小栗風葉〉一七)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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