デジタル大辞泉
「余」の意味・読み・例文・類語
よ【余】
1 そのほか。それ以外。「余の儀」「余は知らず当面のことを考えよう」
2 あまって残ったもの。残り。あまり。残余。「余は追って通知する」
3 (「…の余」の形で)多く数量を表す語に付いて、その数量をわずかに上まわる意を表す。「五年の余を経て完成する」
4 数を表す語に付いて、その数より少し多い意を表す。おおよその数を示してその端数を漠然という場合に用いる。…あまり。「二十余年の労苦」
[類語](1)その他・自余
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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あまり【余】
- [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 動詞「あまる(余)」の連用形の名詞化 )
- ① 必要な分を満たした残り。残余。余分。超過分。
- [初出の実例]「枯野(からの)を 塩に焼き 其(し)が阿麻里(アマリ) 琴に作り」(出典:古事記(712)下・歌謡)
- 「なすべき事おほし。そのあまりの暇、幾(いくばく)ならず」(出典:徒然草(1331頃)一二三)
- ② ( 上に行動や気持などを表わす連体修飾句が付いて ) 行動や気持などが普通の程度を超えること。過度になった結果。
- [初出の実例]「もろもろの事をすて給はぬあまりに、いにしへの事をも忘れじ、ふりにし事をもおこし給ふとて」(出典:古今和歌集(905‐914)仮名序)
- 「よろこびのあまりに、あるわらはのよめる歌」(出典:土左日記(935頃)承平五年二月五日)
- ③ 割り算で、割り切れないで出た残り。割り切れるときは、「0」を余りとする。
- ④ ある限度に達するまでのゆとり、余地。使わない、または達しないで残っている部分。
- ⑤ 酢をいう忌み詞。発酵の過程でいったん甘くなることからいうともする。
- [初出の実例]「さもこそは名におふ秋の夜半ならめあまり澄たる月の影哉〈略〉あまりといひて、すとは聞えたるを、かさねてすとよめるやいかが」(出典:七十一番職人歌合(1500頃か)七一番)
- [ 2 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙 必要、期待以上であるさま。程度のはなはだしいさま。あんまり。
- [初出の実例]「常人の恋ふといふよりは安麻里(アマリ)にてわれは死ぬべくなりにたらずや」(出典:万葉集(8C後)一八・四〇八〇)
- 「余りのいぶせさに、目をふさいでぞおとしける」(出典:平家物語(13C前)九)
- 「余(アマ)りな人とこみ上るほど思ひに迫れど」(出典:たけくらべ(1895‐96)〈樋口一葉〉一三)
- [ 3 ] 〘 副詞 〙
- ① 物事の程度が、必要、期待以上に及ぶさまにいう。度を過ぎて。非常に。あんまり。
- [初出の実例]「あまり心よしと人にしられぬる人」(出典:枕草子(10C終)二七)
- 「あまりうちしきる折々は」(出典:源氏物語(1001‐14頃)桐壺)
- ② ( 下に打消の語を伴って ) それほど(…ではない)。たいして。あんまり。
- [初出の実例]「いとあまりむつまじうもあらぬまらうど」(出典:枕草子(10C終)三一)
- 「強い許りでちっとも教育がないからあまり誰も交際しない」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉一)
- [ 4 ] 〘 接尾語 〙
- ① 数量を表わすことばに付いて、それよりもいくらか多い意を表わす。
- [初出の実例]「背の長さ七尺(ひろ)余(アマリ)」(出典:日本書紀(720)神代下(水戸本訓))
- 「ななとせあまりがほどに」(出典:源氏物語(1001‐14頃)帚木)
- ② 一〇以上の数を表わす場合に、数詞と数詞の間に入れて用いる。
- [初出の実例]「みそち阿麻利(アマリ)ふたつのかたち」(出典:仏足石歌(753頃))
よ【余】
- [ 1 ] 〘 名詞 〙
- ① それ以外。そのほか。その他。別。ほか。他。
- [初出の実例]「伯一人。〈掌三神祇祭祀、祝部。〈略〉惣判二官事一。余長官判レ事准レ此〉」(出典:令義解(718)職員)
- 「只、人、一向の風斗を得て、十体にわたる所を知らで、よを嫌ふ」(出典:申楽談儀(1430)序)
- ② あまったもの。あとに残ったもの。あまり。残り。余分(よぶん)。残余(ざんよ)。
- [初出の実例]「独(ひとり)の老人、小鰯(しらす)といふ魚を荷(にな)ひて売ありきしが、余(ヨの)所の魚を皆人にくれて帰りし」(出典:浮世草子・近代艷隠者(1686)四)
- [その他の文献]〔孟子‐離婁・下〕
- ③ 数量を表わす語に格助詞「の」の付いたものを受けて、その数量より少し上まわっていることを表わす。
- [初出の実例]「半年の余(ヨ)海上にて渡世を暮らせば」(出典:浮世草子・新色五巻書(1698)四)
- [ 2 ] 〘 造語要素 〙 数を表わす語に付いて、その数より少し多いことを表わす語。おおよその数をあげて端数を漠然という場合に用いる。あまり。有余(ゆうよ)。
- [初出の実例]「玉の木を作りつかうまつりし事、五こくをたちて、千余日に力をつくしたる事すくなからず」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
あんまり【余】
- [ 1 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙 =あまり(余)[ 二 ]
- [初出の実例]「私がってんいたさぬを、らうぼをたらしたたきつけ、あんまりななされやう」(出典:浄瑠璃・曾根崎心中(1703))
- [ 2 ] 〘 副詞 〙
- ① =あまり(余)[ 三 ]①
- [初出の実例]「あんまり御まきれ申候事、一大事の事にて候」(出典:大乗院寺社雑事記‐文明一一年(1479)一一月朔日紙背)
- 「あんまりあまふて物がいはれませぬ」(出典:狂言記・柿売(1660))
- ② =あまり(余)[ 三 ]②
- [初出の実例]「おめへだってあんまりものしりぶられもしねへぜ」(出典:西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉八)
よ【余・予】
- 〘 代名詞詞 〙 自称。われ。おのれ。自分。平安時代から男子が用い、明治以降も改まった、あるいはやや尊大な表現として用いられた。
- [初出の実例]「予拝礼間、主人答拝、王卿皆立退、数盃後、主人卿・中務卿・予同車参朱雀院」(出典:九暦‐九暦抄・天暦元年(947)正月二日)
- 「余(ヨ)はいまだに、ぜんざいを食った事がない」(出典:京に着ける夕(1907)〈夏目漱石〉)
- [その他の文献]〔書経‐太甲〕
まり【余】
- 〘 接尾語 〙 ( 「あまり(余)[ 四 ]」の変化したもの ) 数量を表わすことばについて、それよりいくらか多い意を表わす。また、一〇以上の数をかぞえる時、一〇の位あるいは一〇〇の位などの数と、一の位、一〇の位などその下のけたの数との間に入れて用いる。
- [初出の実例]「七つぎの御代にまわへる百箇(ももち)万利(マリ)十の翁(おきな)の舞たてまつる」(出典:続日本後紀‐承和一二年(845)正月乙卯)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「余」の読み・字形・画数・意味
余
7画
[字音] ヨ
[字訓] われ・あまり
[説文解字] 
[甲骨文]

[金文]

[字形] 仮借
余は把手(とつて)のある細い手術刀。これで膿漿を盤(舟)に除き取るを
(よ)といい、兪(ゆ)(
・
)の初文とみられる。余は〔説文〕二上に「語の舒(ゆる)やかなるなり」とするが、静かに刀を動かすを徐という。卜文に王子中の一人に
・余というものがあり、また我というものもあって、余・我はもと身分称号的な語であったらしいが、金文では余は一人称主語に、
(朕)は所有格的に用いることが多い。〔左伝、僖九年〕「小白(斉の桓公の名)余」のように、その名にそえて、複称的にいうこともある。余一人・余小子のように用いる。余は手術刀、他は仮借の義である。いま餘の常用漢字として用いる。
[訓義]
1. われ。
2. 餘の略字。常用漢字として用いる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕余 予は古なり。アマレリ・タツ 〔字鏡集〕余 ナムヂ・アレ・ノブ・アマル・アマレリ
[声系]
〔説文〕に余声として
・徐・敍(叙)・餘・
・
・
・
・斜・除など二十六字を収める。その基本は、除くことによって安徐をえて
(よろこ)ぶことである。余は手術刀の形で、治療の方法を示す。その針で膿漿(のうしよう)を去って舟(盤)に移すことを
といい、兪の初文。兪に
・
(癒)の意がある。余は手術刀という字の原義において用いることはなく、形声・会意の字によって、その初形初義を考えることができる。
[語系]
余・予jiaは同声。一人称代名詞に用いる。吾nga、我ngai、
ngangも声義近く、一人称の代名詞に用いる。みな仮借の用義。余・我は主格、吾・予は所有格に用いるという傾向がある。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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