精選版 日本国語大辞典 「形・態」の意味・読み・例文・類語
なり【形・態】
[1] (動詞「なる(成)」の連用形の名詞化)
① できあがったかたち。形状。さまかたち。
② 衣服などを身につけた姿。身なり。服装。衣装。なりふり。
※落窪(10C後)一「落窪をさしのぞいて見給へば、なりのいとあしくて、さすがに髪のいとうつくしげにてかかりてゐたるを、あはれとや見給ひけん」
③ からだのかたち。からだつき。
※説経節・をくり(御物絵巻)(17C中)一二「うけたまはれば、みづからは、なりとかたちが、よいときくほどに」
※史記抄(1477)一四「ちゃっと病のなりを見て、やがて五蔵之輸を知るぞ」
※俳諧・俳諧古選(1763)一「蹈み倒す形りに花さく土おほね〈乃龍〉」
⑦ 形容詞の連体形について、その状態に応じての意を表わす。
※硝子戸の中(1915)〈夏目漱石〉一「いくら狭い世界の中でも狭いなりに事件が起って来る」
⑧ 動詞の連体形について、(…した)とたんに、…とすぐにの意を表わす。
[2] 〘語素〙
① 動詞の連用形に付いて、…するまま、…するに従うさまの意を表わす。「いいなりになる」「曲りなりの成果」
※橋(1927)〈池谷信三郎〉八「行き過ぎなりに、チラと見た男の顔」
② 名詞に付いて、そのもの相応であるさまの意を表わす。「子供なりに考える」
③ 名詞に付いて、…の形の意を表わす。「弓なりになる」
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