暗い(読み)クライ

デジタル大辞泉 「暗い」の意味・読み・例文・類語

くら・い【暗い/×昏い/▽冥い/▽闇い】

[形][文]くら・し[ク]
1 光が弱い。光が少なくて、物がよく見えない。「辺りが―・い」「―・い夜道」⇔明るい。
2 色彩が黒みがかった感じである。くすんでいる。「―・い緑色」⇔明るい。
3 気持ちが晴れ晴れせず、沈み込んでいる。また、人にそのような印象を与えるさま。「―・い気分」「―・い世相」「表情が―・い」⇔明るい。
4 不幸な感じである。また、人に触れられたくない事情がある。「―・い過去をもつ」
5 その事について希望がもてない。期待できない。「見通しが―・い」⇔明るい。
6 その方面・分野のことに知識が乏しい。不案内である。「地理に―・い」「事情に―・い」⇔明るい。
7 物事を判断する能力がない。愚かである。
「―・き人の、人をはかりて、その智を知れりと思はん、さらに当たるべからず」〈徒然・一九三〉
8 文化がまだ発達していない。未開である。
「時―・きに鍾あたれり」〈神武紀〉
9 不足している。不十分である。
「我が韃靼だったんは大国にて、七珍万宝―・からずと申せども」〈浄・国性爺〉
[派生]くらさ[名]
[下接語](ぐらい)後ろ暗い・薄暗い・小お暗い・小こ暗い・木こ暗い・仄ほの暗い
[類語](1)薄暗い・ほの暗い・小暗い・木暗い・小暗がり・手暗がり・真っ暗・暗然・暗澹・冥冥・杳ようとして・杳よう・ほのか・かすか・ほんのり・うっすら・おぼろげ・薄薄・淡い・杳杳ようよう・漠然・漠・ぼんやり・ぼうっと・ぼうと・ぼやっと・不鮮明・もやもや・霞む・見えにくい・陰る・曇る・おぼろ・かき曇る・ぼやける・ぼける・かすれる・朦朧もうろう・どろん・不透明・ほの見える・しょぼつく・しょぼしょぼ・茫茫ぼうぼう・不可視/(6)疎い・浅慮・浅薄・短慮・無知・不勉強・不案内・認識不足・ちんぷんかん・ちんぷんかんぷん・物知らず・世間知らず・井の中の蛙・遊戯的・娯楽・遊び心・遊び半分・遊び事・笑い事・お遊び・たわい無い・気楽・慰み事・エンターテインメント・戯れ・極楽蜻蛉とんぼ・子供騙だまし・馬鹿馬鹿しい・馬鹿らしい・馬鹿臭い・馬鹿げる・阿呆あほらしい・阿呆あほう臭い・笑止・笑止千万・抱腹絶倒・噴飯物・片腹痛い・詰まらない・馬鹿・愚か・愚かしい・下らない・愚劣・無考え・浅はか・軽はずみ・軽率・噴飯・笑い・大笑い・高笑い・哄笑こうしょう・爆笑・呵呵かか大笑・笑い崩れる・笑い転こける・笑い転げる・吹き出す・腹の皮を捩よじる・腹の皮を縒よる・腹を抱える・御中おなかを抱える・頤おとがいを解く・愚にも付かぬ・臍へそで茶を沸かす・臍茶へそちゃ・聞いて呆あきれる・ちゃんちゃらおかしい・浅浅・浅浅しい・軽薄・浮薄・単純・軽佻けいちょう

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精選版 日本国語大辞典 「暗い」の意味・読み・例文・類語

くら・い【暗・闇・昏・冥】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]くら・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. ① 光が少なくて、物がよく見えない、または、まったく見えない。また、明るさがない。⇔明るい。
    1. [初出の実例]「諸の方闇蔽(クラク)して日も光り無し」(出典:西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)一〇)
  3. ② 物事をよく理解し判断する知力がない。おろかである。
    1. [初出の実例]「臣の禀性(ひととなり)愚蒙(クラフ)て大なる計を知らず」(出典:日本書紀(720)欽明一六年二月(寛文版訓))
    2. 「くらき人の、人をはかりて、その智を知れりと思はん」(出典:徒然草(1331頃)一九三)
  4. ③ 文化がまだ発達していない。世の中が開けていない。
    1. [初出の実例]「是の時に運(よ)鴻荒(あらき)に属(あ)ひ、時草昧(クラキ)に鍾(あた)れり」(出典:日本書紀(720)神武即位前(北野本室町時代訓))
  5. ④ 物事の事情をよく知らない。不案内である。⇔明るい。
    1. [初出の実例]「内わたりの事も語り、世の事もくらからず申して」(出典:今鏡(1170)一)
    2. 「文にも暗く、武にもかけて、〈略〉数ならぬ身なれば」(出典:東関紀行(1242頃)帰京)
  6. ⑤ 不足している。不十分である。
    1. [初出の実例]「七珍、万宝くらからずと申せ共」(出典:浄瑠璃・国性爺合戦(1715)一)
  7. ⑥ 物事の筋が通らず、あやしい。不正である。悪い。⇔明るい。
    1. [初出の実例]「軍師山本勘助。〈略〉いはせも立てず、ヤアヤアくらいくらい」(出典:浄瑠璃・本朝二十四孝(1766)三)
    2. 「いや其の言訳は暗(クラ)い暗(クラ)い」(出典:歌舞伎・恋慕相撲春顔触(1872)序幕)
  8. ⑦ ( 「目が暗い」の形で用いて ) (目が)不自由である。目がよく見えない。
    1. [初出の実例]「此書物は文字が分明ならず老人で目が暗て見にくふ御座るにより」(出典:隣語大方(18C後)六)
  9. ⑧ 陰気である。不吉でいやな感じがする。⇔明るい。
    1. [初出の実例]「私たちは暗い影を持った生活をせねばならなかった」(出典:苦の世界(1918‐21)〈宇野浩二〉一)

暗いの派生語

くら‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

暗いの派生語

くら‐さ
  1. 〘 名詞 〙

暗いの派生語

くら‐み
  1. 〘 名詞 〙

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