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強迫 きょうはく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

強迫
きょうはく

他人に害悪を示して恐怖を生じさせる違法な行為をいう。強迫されて意思表示をした者はその意思表示を取消すことができる (民法 96条1項) 。その取消しの効果は絶対であって,善意の第三者にも無効を主張することができる。なお,強迫によって損害を受けた者は,不法行為を理由として強迫者に対してその損害の賠償を請求することができる。

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デジタル大辞泉の解説

きょう‐はく〔キヤウ‐〕【強迫】

[名](スル)
あることをするよう無理に要求すること。むりじい。「寄付を強迫する」
民法上、他人に違法な害悪を示して恐怖心を生じさせ、その人の自由な意思決定を妨げること。強迫による意思表示は取り消すことができる。
無意味で不合理と思える考えや行為が、意志に反して支配的になる状態。自分でもばかげていると自覚しながら、打ち消そうとするとさらに強くなり、その考えや行為を繰り返さずにはいられなくなる。→強迫性障害

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百科事典マイペディアの解説

強迫【きょうはく】

違法に害悪を示して相手を畏怖(いふ)させる行為。強迫されてした意思表示は取り消すことができる。また強迫によって受けた損害は不法行為として賠償させることができる(民法96,709条)。
→関連項目追認

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世界大百科事典 第2版の解説

きょうはく【強迫 obsession】

心理学で,当の人格にとっては無意味,無縁ないしは非合理と判断される思考(例えば火の元を始末したにもかかわらず火がついているのではないかとの懸念),欲動あるいは行動(例えば火の元をたしかめるために何度も外出先から家にひきかえす)が支配的となることを指す。英米ではobsessionという場合には,おもに強迫思考を,compulsionという場合には強迫欲動ならびに強迫行為を指している。強迫的な意識内容について批判力をもっていることが強迫現象の重要な目印とされているが,強迫現象が高度な場合には,強迫内容の非合理性に対する洞察が完ぺきではなく,半信半疑である場合も少なくない。

きょうはく【強迫 duress】

民法上,故意に人を畏怖させ,その自由な意思決定を妨げる行為をいう。ローマ法でも,自由な意思によることが契約婚姻などの基本的要素となるとされていた。たとえば,他人から強迫されて契約した者は,引き渡した物の返還を請求したり,損害賠償を請求したりすることが認められていた。その後,強迫を不法行為として考えることから契約の取消事由と考える方向に変化してきた。このような考え方が多くの国の民法に受け継がれている。

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大辞林 第三版の解説

きょうはく【強迫】

( 名 ) スル
相手を自分の意に従わせるため無理強いすること。無理に意思決定させること。 「 -して仲間に引き込む」
民法上、相手に害悪が生じる旨を知らせて畏怖いふ心を起こさせ、自由な意思決定を妨げること。強迫による意思表示は取り消すことができ、強迫によって受けた損害は賠償を求めることができる。 → 脅迫
〘心〙 不合理だと自覚しながらある観念や行為にとらわれ、抑制できないこと。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

強迫
きょうはく

違法に害悪を告知して、他人に恐怖心または畏怖(いふ)心を生じさせること。私法上は、強迫による意思表示は、詐欺の場合と同様、表意者がこれを取り消すことができる(民法96条1項)ほか、不法行為として損害賠償の請求も可能である(同法709条)。なお、この場合には、詐欺の場合と異なり、その取消しは善意の第三者にも対抗できる(同法96条3項の反対解釈)。
 刑法では、「脅迫」という用語が用いられる。刑法で用いられる脅迫にも次のような3種類がある。広義では、恐怖心・畏怖心を生じさせる目的で害悪を告知するすべての場合(刑法106条の騒乱罪など)を含むが、狭義では、告知される害悪の種類が特定されていたり、脅迫により相手に一定の作為・不作為を強制する場合(同法222条の脅迫罪、223条の強要罪など)である。
 最狭義では、相手の反抗を抑圧したり、著しく困難にする程度の恐怖心・畏怖心を生じさせる場合(同法236条の強盗罪、177条の強姦(ごうかん)罪など)がそれである。[名和鐵郎]

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