春(漢字)

普及版 字通 「春(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 9画

(異体字)
12画

[字音] シュン
[字訓] はる

[説文解字]
[金文]
[その他]

[字形] 形声
正字はに作り、屯(ちゅん)声。〔説文一下に「推なり」と訓し、字形について「日と艸と屯とに從ひ、屯の亦聲」(段注本)とする。屯の声義をとるとすれば、屯を屯の象として、草木初生の時とするものであるが、屯はもと屯頓(ちゆんとん)の意ではなく、衣の純縁(へりぬい)の象である。ただ金文の春の字に(若)の初形に従うらしい形があり、草木の初生を以て春とする考えかたはあったものと思われる。「推なり」は春と双声の訓。〔礼記、郷飲酒義〕に「蠢(しゆん)なり」とするのは、啓蟄(けいちつ)(虫が地下よりはい出す)の意をとるものであろう。卜辞中に四季の名を確かめる資料はなく、後期の列国期の金文に至って、〔越王鐘〕「隹(こ)れ正孟春、吉日丁」のようにいう。

[訓義]
1. はる、はるめく。
2. 蠢と通じ、うごく。
3. わかい、としごろ、なさけ。

[古辞書の訓]
名義抄〕春 ハル 〔字鏡〕春 アヲシ・ミヤビト・イヅ・サカエ・ハル・ミル・ミダル

[声系]
〔説文〕に春声として・惷・蠢など四字を収める。髪(みだれ髪)、惷は〔説文〕十下に「亂るるなり」、蠢十三下は「蟲動くなり」とあり、乱れ動く意をもつ字である。

[語系]
春・惷・蠢thjiunは同声sjiunも声が近い。また旬・徇ziuenはかがやく、ひろくかがやく意をもつ。春には、この両系の声義を含むようである。

[熟語]
春靄・春暗・春衣・春意・春院・春陰春雨春暈・春・春映・春栄・春影・春園・春煙・春燕・春・春苑春怨春甕・春温・春稼春霞・春画春臥春海・春懐・春寒・春・春閑・春・春气・春春季・春祈春期・春暉・春熙・春曦・春弓・春宮・春牛・春興・春暁・春禽・春錦・春襟・春煦・春禊・春渓・春畦・春景・春月・春・春喧・春工・春好・春行・春紅・春候・春耕・春鴻春江・春光春谷・春恨・春魂・春墾・春菜・春賽・春作・春蚕・春残春山・春祠・春市・春糸・春至・春祀・春思・春祠・春耜・春・春寺・春事・春時・春日・春社・春酌・春酒・春種・春秀・春・春愁春秋・春粛・春笋・春筍・春初・春書・春渚・春墅・春曙・春・春鋤・春妝・春勝・春傷・春照・春賞・春宵・春条・春情・春醸・春色・春心・春岑・春信・春袗・春深・春睡・春水・春・春晴・春正・春夕・春雪春節・春浅・春膳・春・春早・春草・春装・春霜春儺・春春態・春黛・春台・春春旦・春春暖・春昼・春漲・春潮・春枕・春庭・春汀・春帝・春・春・春霆・春泥・春天・春殿・春渡・春灯・春波・春旆・春・春発・春晩・春半・春婦・春風・春服・春分・春暮・春坊・春望・春芳・春袍・春満・春眠・春夢・春務・春霧・春・春夜・春野・春・春遊・春余・春陽・春来・春雷・春嵐・春闌・春巒・春流・春溜・春・春霖・春令・春冷・春嶺・春麗・春・春聯・春楼・春漏・春・春老・春和
[下接語]
回春・懐春・季春・熙春・九春・迎春・今春・三春・残春・思春・首春・初春・小春・新春・青春・惜春・早春・探春・遅春・仲春・晩春・暮春・芳春・望春・孟春・陽春・立春・麗春

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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