大和・倭(読み)やまと

精選版 日本国語大辞典 「大和・倭」の意味・読み・例文・類語

やまと【大和・倭】

[1]
[一] 大和国城下(しきのしも)郡(磯城郡)の郷名。現在の奈良県天理市長柄(ながら)・海知(かいち)一帯にあたる。
[二] 畿内五か国の一国。大化改新で一国となる。もと倭・大倭・大養徳などと書かれたが天平宝字元年(七五七)以来大和と書く。大和朝廷発祥の地で、奈良時代までその都が置かれた。以後室町時代までは興福寺が支配。江戸時代は奈良奉行の支配する天領のほか七藩に分割。廃藩置県後は奈良県・堺県・大阪府を経て明治二〇年(一八八七)現在の奈良県となる。和州。
[三] ((一)に都があったところから) 日本国の異称。やまとの国。
書紀(720)神代上「大日本〈日本、此をば耶麻騰(ヤマト)と云ふ。下皆此に效へ〉豊秋津洲」
[四] 神奈川県中部の地名。鎌倉時代には鎌倉街道が、江戸時代には東海道脇往還の矢倉沢街道が通じていた。機械・自動車などの工業が行なわれる。昭和三四年(一九五九)市制。
[五] 旧日本海軍の世界最大の戦艦。昭和一六年(一九四一)完成。基準排水量六九一〇〇トン。主砲四六サンチ砲九門。同一七~一八年連合艦隊の旗艦。同二〇年、沖縄へ出撃の途中、アメリカ軍艦上機の攻撃で沈没。同型艦に「武蔵」がある。
[六] 日本専売公社から発売された口付きタバコ名称。明治三七年(一九〇四六月から大正一三年(一九二四三月までの間発売された。
[2] 〘名〙
大和打ちの戸。上下に框(かまち)のないもの。
双六(すごろく)で、石をかまえる際の石立本手の名。
浮世草子・好色産毛(1695頃)二「大和(ヤマト)本手の事ばかり、思ひきられぬ石づかい」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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