西(読み)セイ

デジタル大辞泉 「西」の意味・読み・例文・類語

せい【西】[漢字項目]

[音]セイ(漢) サイ(呉) [訓]にし
学習漢字]2年
〈セイ〉
にし。「西部西方以西北西
ヨーロッパのこと。西洋。「西哲西暦泰西
スペイン。「日西米西戦争
〈サイ〉にし。「西下西国西方浄土関西東西とうざい
〈にし〉「西風西側西日真西
[名のり]あき
[難読]西比利亜シベリア西瓜すいか西班牙スペイン西蔵チベット

にし【西】

太陽の沈む方角。西方。⇔
西洋。
「―に航せし昔の我ならず」〈鴎外舞姫
西風。「西が吹く」
西方浄土
相撲の番付で、向かって左側の称。
歌舞伎劇場内で、江戸では舞台に向かって左側、京坂では右側をいう。
[類語]

にし【西】[浜松市の旧区名]

浜松市の旧区名。浜名湖東岸に位置した。令和6年(2024)に区の一部・区・区・区と統合され中央区となった。

にし【西】[地区の俗称]

江戸城の西の新宿の遊里、また、大坂の新町遊郭、京都の島原遊郭の俗称。→

にし【西】[姓氏]

姓氏の一。
[補説]「西」姓の人物
西周にしあまね
西加奈子にしかなこ

にし【西】[熊本市の区]

熊本市の区名。金峰山きんぽうざんを中心とする山地が広がる。

にし【西】[さいたま市の区]

さいたま市の区名。市西部、荒川両岸を占める。

にし【西】[名古屋市の区]

名古屋市の区名。庄内川が東西を貫流する。

さい【西/斉】[漢字項目]

〈西〉⇒せい
〈斉〉⇒せい

にし【西】[福岡市の区]

福岡市の区名。昭和57年(1982)城南・早良の2区を分区して現在の区域となる。

にし【西】[神戸市の区]

神戸市の区名。昭和57年(1982)垂水区の北西部が分離して成立。

にし【西】[札幌市の区]

札幌市の区名。平成元年(1989)手稲区を分区。

にし【西】[堺市の区]

堺市の区名。市の西部に位置し、大阪湾に臨む。

にし【西】[新潟市の区]

新潟市の区名。旧黒埼町・旧巻町の一部を含む。

にし【西】[大阪市の区]

大阪市の区名。近年、人口の増加が著しい。

にし【西】[西本願寺]

西本願寺、また、西本願寺派のこと。お西。

にし【西】[広島市の区]

広島市の区名。広島西飛行場がある。

にし【西】[横浜市の区]

横浜市の区名。横浜駅周辺

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精選版 日本国語大辞典 「西」の意味・読み・例文・類語

にし【西】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 「し」は風の意。風位からその方角をもいう。「に」は「去(い)に」の「い」の脱落で、日の入る方角の意という )
    1. 方角の名。日の沈む方向。十二支では酉(とり)の方角にあたる。
      1. [初出の実例]「葛城の 寺の前なるや 豊浦の寺の 西なるや おしとど としとど」(出典:続日本紀‐光仁即位前(770)歌謡)
    2. 西風をいう。
      1. [初出の実例]「大和へに 爾斯(ニシ)吹き上げて 雲離れ 退そき居りとも 我忘れめや」(出典:古事記(712)下・歌謡)
    3. 仏語。西方(さいほう)極楽浄土
      1. [初出の実例]「老ぬれは南おもてもすさましやひたおもむきに西を頼む」(出典:安法集(983‐985頃))
    4. 歌舞伎劇場で、京坂では舞台に向かって右側、江戸では左側の称。
      1. [初出の実例]「けふは嵐がにしの二軒目の桟敷に、提たばこ盆の火入に初瀬といへる名の木を焼ば」(出典:浮世草子・嵐無常物語(1688)下)
    5. 相撲などの左右対称に記された番付で、左側の称。「東」より半枚格が下がる。
    6. 義太夫節の竹本派の称。豊竹派を「東」というのに対していう。
      1. [初出の実例]「竹本を西といひ豊竹を東といふ」(出典:洒落本・煙華漫筆(1750頃)供唱)
    7. にしのうちがみ(西内紙)」の略。
      1. [初出の実例]「みのにしろ西(ニシ)にしろ、破れた日にゃあ反故同然」(出典:歌舞伎・処女翫浮名横櫛(切られお富)(1864)中幕)
    8. 西洋のこと。西欧。
      1. [初出の実例]「泰西(ニシ)の国々の文章にもいまだ知られざる旨趣(うまみ)あれども」(出典:小説神髄(1885‐86)〈坪内逍遙〉下)
    9. にしがわ(西側)
  2. [ 2 ]
    1. [ 一 ] 大坂の新町遊郭の俗称。
      1. [初出の実例]「実(げ)に新町を西々と彌陀の、御国をいふ如く、救ひ取られて粋となり」(出典:浄瑠璃・双蝶蝶曲輪日記(1749)三)
    2. [ 二 ] 京都の島原遊郭の俗称。
      1. [初出の実例]「うけだそも西は三ねんふさがりて」(出典:雑俳・三国市(1709))
    3. [ 三 ] 西本願寺、または、西本願寺派のこと。お西。
    4. [ 四 ] 東京・名古屋方面の取引市場で、大阪市場をいう。〔取引所用語字彙(1917)〕
    5. [ 五 ] 札幌市の行政区の一つ。新川運河から西側の区域。商業地区の琴似を含み、住宅地と工業地域を形成している。昭和四七年(一九七二)成立。平成元年(一九八九)手稲区を分区。
    6. [ 六 ] 横浜市の行政区の一つ。横浜港の西部に面する。横浜駅があり、中区とともに横浜市の都心部を形成。昭和一九年(一九四四)中区から分離して成立。
    7. [ 七 ] 名古屋市の行政区の一つ。名古屋市の北西部に位置。明治四一年(一九〇八)成立。
    8. [ 八 ] 大阪市の行政区の一つ。市の中西部にあり、土佐堀川、安治川、西横堀川(埋立て)、境川(埋立て)、西道頓堀川に囲まれる。中央を木津川が流れて区を二分し、その西岸には、明治初年に外国人居留地が置かれた。西船場は商都大阪の基盤となる商業地区の一部。明治二二年(一八八九)成立。
    9. [ 九 ] 神戸市の行政区の一つ。市の北西部にあり、大規模なニュータウン計画が進む。昭和五七年(一九八二)垂水区より分区成立。
    10. [ 十 ] 広島市の行政区の一つ。市の中南部にあり、中心市街の一部を成す。広島西飛行場、商工センターがある。昭和五五年(一九八〇)成立。
    11. [ 十一 ] 福岡市の行政区の一つ。市の西部にあり、博多湾に面する。海岸線の大部分は玄海国定公園の一部。昭和四七年(一九七二)成立。同五七年、城南区・早良区を分区。
    12. [ 十二 ] さいたま市の行政区の一つ。平成一五年(二〇〇三)成立。市西部、荒川沿いの地域。旧大宮市の西部にあたる。

せい【西】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. にし。夕方、太陽の沈んでゆく方角。
    2. 西洋のこと。東洋に対して、ヨーロッパ地方をいう。〔中華大字典‐西部・西〕
  2. [ 2 ]スペイン(西班牙)」の略。

にし【西】

  1. 姓氏の一つ。

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普及版 字通 「西」の読み・字形・画数・意味

西
常用漢字 6画

[字音] セイ・サイ
[字訓] にし

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 仮借
卜文・金文の字形は、荒目の籠(かご)の形。〔説文〕十二上に「鳥、上に在るなり。象形。日、西方に在りて、鳥西す(巣に入る)。故に因りて以て東西の西と爲す」とする。方位の字はみな仮借。東は(たく)(ふくろ)の象形、南は南人(苗族)の聖器として用いる銅鼓の象形で、苗人はその器を南任という。北は相背く形。西の篆文の字形は疑うべく、東西の意に用いるのは仮借である。

[訓義]
1. あらめのかご。
2. 仮借して方位の名に用い、にし、にしする。
3. 栖(棲)と通じ、すむ、うつりすむ。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕西 ニシ 〔立〕西 カカル・クル・ユウベ・アキ・イル・ニシ

[部首]
〔玉〕に栖の一字を属する。栖は〔説文〕重文の棲の異文。

[声系]
〔説文〕に西声として(茜)・洒・の三字を収める。(いん)は西声の字でなく、上部は煙出しの形、土をもって覆い(ふさ)ぐ意。

[語系]
西syei、tsynは声近く、は夕暁けの色の意を含むものであろう。

[熟語]
西域・西栄・西掖・西垣・西・西階・西涯・西岳・西漢・西気・西夾・西京・西郷・西郊・西膠・西・西斎・西施・西子・西市・西・西畤・西狩・西序・西昃・西陲・西枢・西成・西征・西席・西窓・西台・西疇・西帝・西天・西東・西・西頭・西頓・西坡・西班・西蛮・西・西皮・西賓・西風・西僻・西偏・西圃・西母・西奔・西溟・西洋・西・西落・西虜
[下接語]
河西・関西・湖西・江西・山西・城西・水西・征西・泰西・鎮西・東西・南西・洛西・西

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改訂新版 世界大百科事典 「西」の意味・わかりやすい解説

西 (にし)

観測点から見た地平面の方向を方位といい,東西南北の4基点をもとに,北……東,……南,南南西,南西,西南西,西……など16方位で呼ぶのが一般的である。西は,観測者から見て太陽の沈む方向にあたっており,英語のwestも,ギリシア語のhesperos,ラテン語のvesper(ともに〈夕方〉の意)に由来している。古来,中国や日本では十二支(干支(かんし))で方位を呼び,西は酉にあたる。

日本人の伝統的習俗のなかに,西(西の方角)に対してどのような宗教感情や価値意識が見いだされるだろうか。

 まず語源に関する諸説をみるに,現在でもしばしば引用される3人の近世碩学の語源説は次のごとくである。貝原益軒《日本釈名(にほんしやくみよう)》(1699)は〈東(ひがし) 日頭(ひがしら)なり。らの字を略す。日のはじめて出る所,かしら也。〉〈西 いにし也。日は西へいぬる日のいにしと云意。いを略す〉と説く。新井白石《東雅(とうが)》(1719)は〈東をヒムガシといひしは,ヒは日也。ムカとは向也。シと云ひしは語助也〉〈西をニシといひしは,ヒ子シといひし詞にて,日没(い)る方をいふなるべし。……ヒ子シと云ふことばの転じて,ニシとなりぬるは。今試にヒネといふ詞を引合せて呼びぬれば,ニといふことばになりぬるなり〉と説明する。本居宣長《古事記伝》(1790-1822)は,〈比牟加斯(ひむかし)爾斯(にし)と云ふハ,もと其の方より吹く風の名にて,比牟加斯ハ東風,爾斯ハ西風の事なりしが,転りて其の吹く方の名とハなれるなるべし。斯(し)ハ風にて,風神を志那都比古(しなづひこ)と申す志,又嵐飆(つむじ)などの志も同じ。又暴風(はやち)東風(こち)などの知も,通音にて同じきなるべし。さて東風(ひむがし)西風(にし)と云ふ名の意ハ,比牟加斯(ひむがし)ハ日向風(ひむがし)なり,爾斯(にし)ハ詳(さだか)ならねど,試に云はバ,和風(なぎし)ならむか,和(なぎ)とハ天(そら)の霽(は)れたるを云ふ〉と解説する。

 益軒および白石は,太陽の現れる場所ないし方向を〈東〉と呼び,太陽の没するそれを〈西〉と呼ぶ,という意味の語源説明をおこなう。宣長は,風の方位から〈東〉〈西〉の名称が生じたとの説明をおこなう。日没の方角や和風(なぎかぜ)の風位をもって〈西〉という観念の起りとみなしたのである。

 日常生活的現実において〈西〉をたいせつにしてきたという点でいえば,古代以来の日本人の宇宙観の一つとして陰陽五行(いんようごぎよう)説の影響力は,意外なほど大きい。平安貴族たちが方角や時刻や年回りなどをいちいち気に病んで陰陽師(おんみようじ)に相談した事例は,公家の日記や文学作品に頻繁に現れる。一方,大多数民衆の生活サイクルのなかでも陰陽五行説は規制力をもち,それが,近代以後までの日本の民間習俗を縛りつけた。もとより陰陽五行思想は,日本に渡来してからは一貫して国家権力によって掌握された科学技術の基礎原理としての役割を果たしたのであるが,十干十二支の享受のようなかたちで民衆生活のうちに根づいてしまったのである。五行のうち4番目に配当された〈金〉の気は,色でいえば〈白〉,方位でいえば〈西〉,季節でいえば〈秋〉,十干でいえば〈庚・辛〉,十二支でいえば〈申・酉・戌〉としての働きをもつ。結局,〈西〉とは,万物が枯死に向かう秋そのままに〈殺〉の時を意味するが,同時に万物が結実して生命が〈更新〉する時をも意味する。縮んで滅びはするけれど,その瞬間,つぎの新たなる生命が始まる,というのが〈西〉すなわち〈金〉の本性である。

 日本の民俗にとって,〈西〉といえば,もはや遠い距離にある漠たる方角である以上に,自分のうつしみ(現実存在)と平面感覚的に連続する場所と考えられた。日本人の他界観念の代表といえる極楽(ごくらく)は西方の浄土であり,そのゆえに〈西〉は浄土信仰にとって重要な方角となったが,この西方極楽浄土は大阪の四天王寺のすぐ先の海であると考えられ,また〈補陀落(ふだらく)〉は紀州熊野のすぐ先の海であった。滅びた生命もただちに〈更新〉するはずだった。
西国
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百科事典マイペディア 「西」の意味・わかりやすい解説

西[区]【にし】

浜松市南西部を占め,浜名湖東部に位置する区。2007年4月,浜松市が政令指定都市となり,区,天竜区,区,浜北区,区,区とともに区設置。西部は浜名湖,南部は遠州灘に面し,東名高速道路,国道1号線,東海道新幹線東海道本線が通じる。浜名湖岸には舘山寺温泉や弁天島,浜名湖花博跡地のガーデンパーク,東部には佐鳴湖があり,うなぎの養殖も有名。114.71km2。11万3654人(2010)。

西[区]【にし】

新潟市西部を占める区。2007年4月,新潟市が政令指定都市となり,秋葉区,区,江南区,中央区,西蒲区,区,区とともに区設置。北西部を日本海に面し,東部を信濃川が流れる。北陸自動車道,国道8号線,116号線,402号線,越後線が通じる。南西部にある佐潟は1999年にラムサール条約登録湿地となる。94.09km2。16万1264人(2010)。

西[区]【にし】

堺市西部を占める区。区西部は大阪湾に面し,堺泉北港浜寺公園がある。2006年4月,市が政令指定都市となり,区,区,区,区,区,美原区とともに設置。JR阪和線,羽衣線,南海本線,堺泉北道路,阪神高速湾岸線,国道26号線が通じる。28.62km2。13万3622人(2010)。

西[区]【にし】

神奈川県横浜市中東部の一区。1944年区制。東京湾に臨み,神奈川区,中区とともに市の中枢部をなす。湾岸は横浜港の一部で首都高速道路が通じる。北部に東海道本線,京浜東北線,京浜急行本線,相模鉄道,東急東横線,横浜高速鉄道みなとみらい線,横浜市営地下鉄が通じる横浜駅があり,周辺は大型百貨店やホテルなどが集中する繁華街となっている。南の中区の一部にかけての埋立地には,1983年に着工された横浜ランドマークタワー日本丸メモリアルパークなどが完成(1993年)しているみなとみらい21(MM21)地区があり,再開発が進んでいる。7.03km2。9万4867人(2010)。
→関連項目野毛山

西[区]【にし】

熊本市西部を占める区。2012年4月,熊本市が政令指定都市となり,中央区,区,区,区とともに区設置。島原湾に面し,白川と坪井川が海へ注いでいる。丘陵・山地がかなりの面積を占め,中央部には標高665mの金峰山がある。東端に熊本駅があり,JR各線や市電が通じる。沖合いには夢咲島があり,熊本港が整備されている。89.33km2。9万3805人(2010)。

西[区]【にし】

兵庫県神戸市西部の区。1982年垂水(たるみ)区から分区。市街後方の六甲山地の丘陵部を占め,住宅団地工業団地からなる西神ニュータウン,神戸研究学園都市,西神南ニュータウンなどが造成され,人口が急増。西部の姫路平野東端では野菜・果樹栽培などの近郊農業がある。神戸電鉄粟生線,市営地下鉄西神線が通じる。1995年1月の兵庫県南部地震では死者10人,倒壊・焼失家屋3700戸という被害をうけた。138.01km2。24万9298人(2010)。

西[区]【にし】

大阪府大阪市の一区。市中央部にあたり,北境を土佐堀川,安治川が西流,中央を木津川が南流する。江戸時代には運河が広がっていたが,第2次大戦後埋立てられた。東部は,西船場,堀江の商業地区で,海産物,材木,陶磁器,鉄・金属,家具・仏壇などの問屋街がある。西部には海運関係の倉庫,荷役場,船会社が多い。南西端に大阪ドーム(現・京セラドーム大阪)が1997年完成した。5.21km2。8万3058人(2010)。
→関連項目堀江

西[区]【にし】

北海道札幌市西部の区。1989年手稲区を分区。南西部は手稲山を主峰として深い渓谷をつくり琴似発寒(ことにはっさむ)川が流れる。旧琴似町地域は1875年,全道で最初の屯田兵が入植。現在,琴似本通を中心に区役所や商業施設が集積。区の北側には発寒鉄工団地・木工団地がある。平和の滝,三角山,手稲山などに自然歩道を設置。函館本線,札沼線,市営地下鉄が通じる。75.10km2。21万1229人(2010)。

西[区]【にし】

福岡県福岡市西部の区。1982年城南区,早良(さわら)区を分区。北は玄界灘,今津湾に面し,能古島・玄界島・小呂島を擁す。南部は叶岳・西山など300〜400mの山地。区の中心は姪浜(めいのはま)地区で,生(いき)の松原を境に以東は壱岐(いき)団地・大町団地・マリナタウンなどの宅地開発が進んだ。今津や生の松原に元寇(げんこう)防塁跡がある。84.17km2。19万3280人(2010)。

西[区]【にし】

愛知県名古屋市北西部,庄内川の両岸を占める区。地形は低平な沖積平野。南端にJR名古屋駅があり,ほぼ南北方向には西部に名鉄本線・犬山線,中央部に名古屋市営地下鉄鶴舞線,東西方向には北部に東海交通事業城北線,名古屋第二環状自動車道が通じる。区域南部は名古屋城下だった所で,四間道などの街並みや,製菓・メリヤスなどの家内工業が残る。近年ノリタケ・東レなどの大工場が進出,北部の環状2号線沿いまで住宅地化が著しい。庄内川北岸に庄内緑地がある。17.93km2。14万4995人(2010)。

西[区]【にし】

埼玉県さいたま市の西北部を占める区。2003年区制。旧大宮市の西部に位置し,川越線,新大宮バイパス,西大宮バイパスが通じる。西部の荒川沿岸にはゴルフ場,運動公園がある。29.12km2。8万4029人(2010)。

西[区]【にし】

広島県広島市南西部の区。1980年区制。東は中区に接し,南は広島湾に臨む。東部はデルタの平坦な市街地で住・工・商が混在し,南端に三菱重工業広島製作所や広島西飛行場がある。北部や西部は住宅地。南西部の埋立地である臨海部にはトラックターミナルや中央卸売市場などがあり,流通センターを核に副都心化が進む。北東部の三滝山に三滝寺がある。35.61km2。18万6985人(2010)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「西」の意味・わかりやすい解説

西
にし
west

太陽の沈む方向。さまざまな語源説があるが、「日のイニシ(往にし)方」の意とする説もある。日の沈む方向は季節によって異なるので、漠然とその方向をいうこともあるが、正確にいう場合は北より左に90度離れた方向(これは彼岸(ひがん)のときの日没の方向にあたる)をいう。十二支名では西は酉(とり)の方角にあたる。南西諸島では本土で北を示す方向をニシとよぶ。これは、冬の季節風の方向が、本土では西寄りであるのに対し、南西諸島では北寄りとなるため、卓越風の方向の違いが、方角名にまで影響しているものと思われる。

 地学上、西という方向は、(1)地球の自転の方向は西から東に向かう、(2)前記(1)の影響などで中緯度地方では上層で西寄りの風が卓越している、などの特徴をもっている。

[根本順吉]

 語源的には、日の「いにし(往)方」とする『日本釈名(しゃくみょう)』『和訓栞(わくんのしおり)』などの説、日没する意の「ひねし」の転とする『東雅(とうが)』などや、「にぎし(和風)」の義とする『大言海』などの諸説がある。仏教で阿弥陀(あみだ)仏の極楽浄土をいうのをはじめとして、歌舞伎(かぶき)では舞台に向かって左側(上方(かみがた)では右側)半分をいい、相撲(すもう)などの左右対称に記された番付でも左側をさし、東方より一枚格が下とされる。太陽が沈む方向であるため、絶対にありえないことのたとえに「西から日が出る」の諺(ことわざ)があるほか、まったく分別のないことを「西も東も知らない」との諺もある。

[宇田敏彦]

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世界大百科事典(旧版)内の西の言及

【北】より

…観測点から見た地平面の方向を方位といい,東西南北の4基点をもとに北,北北東,北東,東北東,東……など16方位で呼ぶのが一般的である。北は,観測者が太陽の昇る方向(東)に向いたとき左手に当たる方向で,英語のnorthもインド・ヨーロッパ語系のner(on the leftの意)に由来している。…

※「西」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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