とんでもない(読み)トンデモナイ

デジタル大辞泉 「とんでもない」の意味・読み・例文・類語

とんでも‐な・い

[形]《「とでもない」の音変化》
1 思いもかけない。意外である。「―・い人にばったり出会う」「―・い発明」
2 もってのほかである。「―・い悪さをする」
3 まったくそうではない。滅相もない。相手の言葉を強く否定していう。「―・い、私は無関係だ」
[補説]「とんでも」に「ない」の付いた形だが、「とんでも」が単独で使われた例はなく、「とんでもない」で一語と見るのがよい。とすれば、「ない」を切り離して「ありません」「ございません」と置き換えて丁寧表現とするのは不適切で、丁寧に言うなら「とんでもないことです」「とんでもないことでございます」「とんでものうございます」と言わなければならない。しかし、最近は「とんでもありません」「とんでもございません」と言う人が多くなっている。
平成19年(2007)2月文化審議会答申の『敬語の指針』では、相手からのほめ言葉に対して謙遜しながら軽く打ち消す表現として「とんでもございません(とんでもありません)」を使っても、現在では問題ないとしている。
なお、「とんでもない」には「もってのほかだ」と強く否定する意味もあり、「とんでもないことでございます」を使う場合は注意が必要と『指針』は述べている。
[類語]途方もない・とてつもない・とっぴょうしもない・とんだ・大それた・もってのほか・法外・不届き・論外・けしからん・話にならない・滅相も無い・気が知れない・不始末・不埒・罪作り・邪道・不逞ふてい・言語道断・不心得・沙汰の限り・沙汰のほか・非道・無道・不当・不所存・あるまじき・あろうことか・一筋縄ではいかない・目に余る・横道・身の程知らず・不届き至極

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精選版 日本国語大辞典 「とんでもない」の意味・読み・例文・類語

とんでも‐な・い

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
  2. ① とほうもない。思いもかけない。意外である。もってのほかである。
    1. [初出の実例]「とんでも無い事を云はるる」(出典:巨海代抄(1586‐99)下)
  3. ② ( 相手のことばに対する強い否定を表わす ) まったくそんなことはない。冗談ではない。
    1. [初出の実例]「『幸福? まあ!』取(ト)んでも無いと云った顔を為(し)て『何が幸福ですか知ら?』」(出典:青春(1905‐06)〈小栗風葉〉秋)

とんでもないの語誌

( 1 )挙例の「巨海代抄」のような東国語資料に実例が見られること、また、近世上方語資料に見られる例は、すべて東国語的特徴を写す箇所にのみ用いられていることなどから、本来、東国語と推測される。
( 2 )近世の資料に見える「とでもない」とは同源と思われるが、撥音添加の現象が東国語に顕著な特徴の一つであることから考えて、おそらく、「とでもない」の撥音添加形が「とんでもない」であろう。
( 3 )明治十年代半ば頃より用例が急増し、日常語として一般化したことがうかがえる。さらに、相手の発言に対する強い否定を表わす感動詞的用法が発生して、現代語における用法が出そろうに至る。
( 4 )「とんでもない」の丁寧体は、「とんでもないことでございます」が本来であるが、近時、全体で一語化した表現の「とんでもない」を誤って「とんでも=ない」と分離させた結果生じた、「とんでもありません」「とんでもございません」の形を耳にすることが増えている。→とでもない・とんだ

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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